気がつくと俺は、304号の前に立っていた。
とにかく誰かと、話したかった。

インターホンを押す。
しばらくすると「はい?」という渡辺の声が聞こえた。

「遅くにごめん。二宮です・・・。」

「どうしたの!?」

「ごめん。少し話したくって・・・。」

「ちょっと待ってね。」

すぐにドアが開いた。

トレーナー姿の渡辺が姿を現す。
「どうしたの?二宮くん?」

俺はうつむいて、黙っていた。

俺の深刻な状況が伝わったのか
「とにかく入って。」
そう言うと、渡辺は俺を部屋に招き入れてくれた。




61: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:01:29.65 ID:xDrAwNEo
「二宮くん。どうしたの?話してみて?」
渡辺の優しい声が、逆に悲しくなってくる。

自分の頭の中での、整理も兼ねながら
俺はポツリ・・・ポツリと、今までの出来事を話した。

全てを聞き終わった渡辺が一言
「ひどい・・・。」と呟いた。

渡辺は立ち上がると、玄関に向かった。

「おい!渡辺!!」
渡辺が玄関のドアを開けて、飛び出して行った。

俺も慌てて、渡辺を追いかけた。

渡辺は302号のインターホンを押している。
「はい?」まりあが応答した。

「彩です。ちょっと開けて欲しい!」

「渡辺。何をする気だよ?」

渡辺は、俺の言葉を無視している。
俺は渡辺が、こんなに怒っている表情を初めて見た。

ガチャリとドアが開く。
渡辺の表情を見たまりあは
「彩さん・・・。」と言って驚いた表情をした。

まさに一瞬だった。

バチン!!!

乾いた音が廊下に響き渡った。

63: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:02:08.62 ID:Waoz7Zk0
うわああああああああああああああああああああ

66: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:00.94 ID:PRwHByY0
渡辺いい奴すぐる・・・

67: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:31.66 ID:s6nDkxw0
うおおおおおおおおおあおおあおあおあおあおああああああああああああああ

68: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:37.13 ID:9shmwvs0
なんかスカッとした

69: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:03:44.10 ID:YaidpYAO
誰かがビンタして欲しいとか先読みしてたの思い出して吹いたwwwwww

89: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:06:36.89 ID:xDrAwNEo
渡辺が力いっぱいまりあの頬を叩いた。

「あんたなんか!二宮くんがどんな思いで、仕事をしているか知らないくせに!」

まりあは叩かれた方の頬を押さえて、うつむいている。

いま俺の目の前で起こっている事が、現実のこととは思えなかった。

しかし・・・。

でも・・・。

そうだよな。

この辺りでそろそろ決着つけないとな。

俺は黙って部屋に戻った。

そしてリビングの電気を点けると悟を起こした。

「起きろ。悟」

う~ん。と言って伸びをしながら悟は起きた。

「どした光輝?今帰ってきたのか?」
悟は目を擦りながらそう言った。

「悪いけど出て行ってくれ。この部屋から」

悟の動きが急に止まった。
俺の顔を凝視している。

俺はもう1度言った。

「出て行ってくれ。この部屋から」

92: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:07:20.67 ID:jp94nyko
>>89
よく言った!!!

93: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:07:34.74 ID:dw0dKZ20
>>89
言うのおそいっつーの・・

94: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:07:38.22 ID:esaeJcAO
よく言った!!

128: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:13:28.76 ID:xDrAwNEo
悟は全てを、悟ったかのように
立ち上がると、自分の荷物を鞄に詰め込み始めた。

俺は悟から目を背け、壁をじっと見つめていた。

悟は鞄に、荷物を全て詰め込むと
「今まで悪かった・・・。」と呟いた。

俺は悟の方を向いて、顔を見て聞いた。
「俺たちは・・・親友だよな・・・?」

数秒間の沈黙の後、悟は俯いたまま
「ああ。そうだ・・・」。と静かな声で言った。

そして鞄を持って、玄関の方へ歩き始めた。

俺は悟の背中に向けて言った。
「お前も・・・。まりあが好きなのか?」

悟が歩くのを止めた。
数秒間の沈黙。

そして玄関の方を向いたまま
「ごめん・・・。光輝」

そう言い残すと悟は、玄関のドアを開けて
俺の部屋から姿を消していった。

134: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:14:04.91 ID:jp94nyko
あああああああああああああああああああ
('A`)('A`)('A`)

135: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:14:15.01 ID:So0LXc60
ごめんどころじゃねえよ。
本人の知らないところで奪おうとすんな

173: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:21:46.74 ID:xDrAwNEo
悟はがいなくなった部屋・・・。
俺の居場所が返ってきたはずなのに・・・。

あの夜から俺は、部屋に戻っていなかった。
またしても会社へ、泊まり込む日々。
生活は何も、変わらなかった。

ただ以前と違ったのは、泊まり込む理由が
仕事のためでなく
極めてプライベートなものに、変化していたことだろう。

今はまりあと、会いたくなかった。
それは向こうも同じであったであろう。

その証拠に、まりあからの着信もメールも一切なかった。

渡辺とは会社で会った。
彼女は「ごめんなさい」と頭を下げた。

俺は首を横に振って
「俺のために、やってくれたことじゃん。ありがとな」
と言って渡辺に感謝した。

あの日から、3日目の夜。
俺が会社の仮眠室で、眠りにつこうとした時のことだ。

携帯が光った。
メールの受信を知らせる光・・・。

差出人は、まりあであった。

そのメールには、こう書かれてあった。
「しばらく実家に帰ります。明日の夜会えますか?」

175: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:21:55.32 ID:So0LXc60
金と女まで我慢できるのが真の友情
だと思いたいが……

バレなきゃオッケイみたいに思っちゃってるかもしれんのがかなりまずいな……

177: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:22:38.42 ID:Waoz7Zk0
うああああああああああああああ

179: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:23:06.70 ID:PRwHByY0
>>173
別れクラグですね。
わかります。

189: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:25:50.08 ID:xDrAwNEo
そうか実家に帰るのか・・・。
もうあのマンションは、住んでいてもつらいだけかもね。

去年はみんなで集まって、笑いあったあの場所。

みんな(油田以外)の気持ちがバラバラになった
今となっては、つらい場所でしかないよね。

こうやって1人・・・。
また1人って消えてゆくのかな・・・?

「分かりました。明日の夜、7時に俺の部屋へ来て下さい。」

明日で全てが終わるんだ。

これは予感ではない。

確信に近いものであった。

195: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:26:37.40 ID:UNKZ3rwo
油田・・・お前だけが頼みの綱だ

196: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:26:52.36 ID:jp94nyko
まりあはどう出てくるのか・・・

198: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:27:12.19 ID:esaeJcAO
油田なら…油田ならきっとなんとかしてくれるっ…!

228: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:31:51.16 ID:xDrAwNEo
18時30分。
俺はリビングの電気を点けた。

見慣れたリビング。
それがなぜか、少し懐かしい感じに思えた。

「そうか・・・」俺は呟いた。

それは悟がいなくなったからか・・・。

仕事しか見えていなかった生活。
気持ちは常に、ピリピリと張り詰めてていた。

そしてたまに帰れば、そこに悟がいた・・・。

本当に安らいだ気持ちで
この部屋に1人でいるのは、久しぶりであった。

引越して来た日。

高ぶる気持ちと、不安の中で食べたカレー。
水っぽくて全然、美味しくなかったっけ・・・。

その時インターホンが鳴ったんだよね。
そこにプラスチックの容器を持ってる、まりあが立っていたんだ。

カレーのお裾分けだった。
そのカレーはすごく旨かったよ。
俺のカレーとは、比べ物にならないくらいにね。

もしかしたら
俺はその時から、まりあに恋してたのかもしれないね・・・。

その終焉の場所も・・・。ここか・・・。

229: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:31:57.42 ID:c/bgF.go
スレ消費早すぎwwwwwwちょっと自重しろ

233: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:33:13.05 ID:.rg4cgg0
翌日、約束の時間の10分前に部屋に着くと鍵が開いていた。

まさか・・・なんで・・・

「遅かったですね!二宮さん!」

油田だった。

234: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:33:13.89 ID:W6pQ/oAO
最低な彼女(笑)と最低な親友(笑)をいっぺんに切れたんだ
ラッキーだと思ったらいい
自分の人生に必要ないと思ったら切った方がいいぞ

236: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:33:27.57 ID:TWmLVkAO
こええよおおおおお(((('A`))))

239: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:33:52.48 ID:Waoz7Zk0
おい油だあああああああああああああああ

240: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:34:01.20 ID:tMzUk/go
油田「だから三次元に手を出すなと・・・」

249: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:36:38.01 ID:xDrAwNEo
そんなことを、しみじみと思っていると

ピンポーン。

インターホンの音がした。

相変わらず音がでかい。
俺は少し笑ってしまった。

ドアホンで応答する。

「はい・・・。」

「・・・・まりあです。」

「うん。開いているよ。入ってきて・・・」

まりあがリビングに入ってきた。

こんなに悲しそうなまりあの顔を
俺は今までに、見たことがなかった。

俺はまりあの笑顔が大好きだったのに・・・。

なんでこんな事になっちゃたんだろうね・・・?

まりあと向かい合わせに座った。

お互い何も話さない。

長い沈黙・・・。

最後は俺から、キチンと切り出そう。

268: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:39:59.54 ID:xDrAwNEo
「実家に帰るん・・・だ・・・?」
声が暗い。自分でもハッキリと分かる。

まりあはすぐには、返事をしなかった。

30秒ほど経ってからやっと
「うん・・・。」
その一言を吐き出した。

「大学・・・。通える?実家から・・・。」

「うん・・・。少し遠いけど・・・なんとか・・・。」

それからまた沈黙が流れる。
重苦しい空気が、部屋全体を包み込む。

確信に・・・。
入らなきゃな・・・。

「まりあが・・・。今日会いたいってメールくれたのは・・・。
実家に帰る・・・報告?」

「・・・・・・・・・・。」

「まりあ・・・。」

聞かなければいけないよな。

俺とまりあが、次のステップに踏み出すためには
どうしても避けては、通れないんだ。

「俺・・・と・・・悟・・・。どっちが好きなの・・・?」

275: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:40:49.01 ID:RCUXYsAO
にののののみやあああああああああああああああああああああ


ねぇ…

277: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:41:10.10 ID:TWmLVkAO
か…辛いぜ('A`)

312: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:46:47.28 ID:xDrAwNEo
こんなに重い言葉を言った経験は
それまでの人生で1度も無かった。

今後の人生でも出来れば言いたくない。
そんな重い言葉だ。

まりあ・・・。
はっきりとした返事をしてくれ・・・。

これが俺にできる、まりあへの最後のアプローチなんだ・・・!

沈黙の中、時間だけが過ぎていった。
もう後戻りはできない。

いくらでも待つから・・・。まりあ・・・。

俺か・・・。悟か・・・。

ハッキリとした返事が必要なんだよ・・・。

次の瞬間、まりあの目から一筋の涙が流れた。

そして一言
「なんで・・・。」

しかしその言葉の、続きは無かった・・・。

325: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:48:15.30 ID:/5MtVLIo
>>312
「俺のところにいてくれ」ってはっきり言えばよかったんだよ。

329: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:49:18.58 ID:2fbBtaAo
>>321
じらすねww
CMの後とんでもないことが!!!

また明日ね、ニノ乙

384: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 22:56:31.00 ID:xDrAwNEo
「なんでそんなこと聞くの?」

「なんでもっと私を、かまってくれなかったの?」

「なんでこんな事になっちゃったの?」

まりあが
「なんで・・・。」の後に言いたかった言葉は、今でも分からない。

でもこの時の、まりあの苦しさは
目の前にいる俺に、ヒシヒシと伝わってきた。

もう楽になっていいよ・・・。

もう苦しめたりしないからさ・・・。

まりあ・・・。

「悟が好きなら・・・。無理しなくていいよ。まりあ・・・。」

たった半年だったけど
俺がまりあの彼氏として、最後に言った言葉がこれであった。

まりあは俺の言葉を聞くと
しばらくして静かに立ち上がった。

そして最後にペコリと頭を下げて、リビングを後にした・・・。

まりあがいなくなった部屋で
俺は一晩中眠れずに、ただ壁を見つめていた。

もうまりあが戻ってくることは無かった・・・。

俺とまりあの全ては、こうして終わりを告げた。

387: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:28.20 ID:0DLeGcg0
ウワアアアアアア

388: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:29.37 ID:JrekYDo0
いやーーーーーーーーー!!!!!!!

392: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:43.12 ID:VL0g2xQ0
>>384
ニノが幸せになっていく話を聞かせてくれえぇぇっぇえ
辛すぎるぜ...OTL

394: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:58.64 ID:tMzUk/go
>>384
うわあああああ

395: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:57:59.31 ID:s6nDkxw0
ええええええええええええええーーーーーーーー
にえきらねええええええええええーーーーーー!!!!!!!

399: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:58:08.16 ID:9pulI1so
あっさりオワタ

411: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 22:59:31.15 ID:4LKUa.oo
二宮いくらなんでも冷たすぎだろwwww
そんな対応ばっかりしてちゃまりあもどうすればいいのかわからなくなるわww
まぁ面白かったぜ

433: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/28(土) 23:01:27.18 ID:EVZ.p8g0
うわああああああああああああああ
こうなるとは分かっていたけどやっぱつらいな

447: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/28(土) 23:02:47.40 ID:xDrAwNEo
なんか俺が言いにくくなるなww
落ちるって・・・。

今日中にもう1回、来れたら来ます。
さすがに分からないんだけど・・・。

ではではノシ

893: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:47:24.13 ID:2mU030Io
おはよう。
これから細かい投下していきますね。

最終日にしたいので、皆さん最後まで付き合って下さい。

>>891
本当はそれも、本編に入れるつもりだったんだ。
俺がなぜこんなにも、女に対して不器用なのか
がより分かると思って。

でもこれ終わったら、当分の間長文を書くことはないかなww

901: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:51:43.92 ID:2mU030Io
もう俺に残っているのは、仕事だけだった。
モーニングステーション、3本目の制作期間に突入していた。

また激務が待っている。
しかし俺に、創作意欲が戻ってくることは無かった。

燃え尽き症候群なのか・・・?
鬱病なのか・・・?

この時には、体の異変に気づいていた。
まず食事の回数が減った。
いくら食べなくても、平気なのである。

お腹が減らないのである。
体を壊さないために、無理して食べているといった感じであった。
そして量を食べようとすると嘔吐した。

あとは起きるのが、極端につらくなってきた。
前までは仕事があれば、僅かな睡眠時間でも
パッと飛び起きることが出来た。

しかしこの時は、いくら寝ても起きるのがつらい。
起きるのがつらいというより、起きたくなくない。

起きれば、日常生活が嫌でも始まる。
それを体が拒否しているような感覚である。

902: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:53:08.75 ID:0cxLHQU0
完全に鬱病の兆候だよな...?

903: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:54:27.98 ID:I/FfB/Uo
そうだな。鬱病の症状だな・・・

905: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 09:55:54.28 ID:2mU030Io
そして心がおかしい。

まりあのことを思うと勿論
「悲しい」「つらい」「みじめ」「切ない」などの感情が頭をよぎる。

でもその感情すら鈍ってしまって、どこか他人事にようにすら思える。

1日中頭が冴えない、ボーッとした日々が続いた。

でも仕事はしなければならない。
そこで立ち止まっていると、O.Aの日はあっという間に近づいてくる。

もうこの時は手を動かすことすらも、つらい状態で仕事に挑んでいた。

そんな毎日が続く、2月下旬のある日。
俺がマンションに帰ると、301号から出てきた油田と会った。

油田は俺を見つけると「二宮さん!」と言って近づいてきた。

「おう・・・。あぶちゃん。久しぶり。」

「お久しぶりです・・・。ところで、なんでまりあちゃん部屋を解約したんですか?」

部屋を解約・・・!!

俺はまりあが部屋を解約したことを、この時初めて知った。

907: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:57:43.55 ID:5/ALX3wo
ここで油田・・・っ!

910: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:58:10.75 ID:Pa/k.Dc0
あぶちゃんwwwwwwww

912: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 09:59:57.18 ID:l/px7Eko
あぶちゃんフイタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

913: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:01:30.56 ID:2mU030Io
「学校で教えてくれたんですが・・・。理由までは教えてくれなかったんです。」
そういうと油田は寂しそうに俯いた。

そうか・・・。油田。
お前知らなかったんだよな。

「油田・・・。俺、彼女とは別れたんだ。」

その言葉を聞いた油田は、驚きの表情を見せた。
「どうしてなんですか・・・?」

俺はそんな油田の言葉を聞いて、少し微笑んだ。。
「まぁ。色々と・・・ね。」そういって
油田から離れ自室へ向かった。

俺の背中に向けて、油田が言った。
「二宮さんは・・・。出て行きませんよね?」

そこ言葉には回答せず、俺は部屋に入った。

僅かな時間だけど、4人で楽しく過ごした3階フロア。

そこから1人の人間がいなくなる。
それがまりあだなんて・・・。

半年前の俺は、想像もしていなかったな。

もうこれ以上の不幸は起こらないだろう。
これ以上は、俺にもちょっと想像がつかない。

しかし神様ってすごい。

こんな俺に最後の総仕上げを仕掛けてきた。

914: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:02:40.82 ID:l/px7Eko
神様に期待

915: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:02:50.93 ID:6sJ3CKE0
ニノはやっぱ文章うますぎ!
最後の総仕上げ・・・だと!!

925: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:07:05.66 ID:2mU030Io
この時、社内での俺のポジションは
同期の中でのエース格になっていた。

偶然とはいえ入社1年未満の人間が、長尺物の番組を1本任されているのだ。

他の同期は長尺物どころか
短尺物すらディレクターの経験はない。

望んでそうなったワケではないが
社内での期待は日増しに大きくなっていた。

それと逆行するように、俺の仕事に対する熱意は薄れていった。

しかし俺の存在価値は、会社にしかなかった。

もう無理をしてでも、仕事をして
一人前のディレクターになることだけが、生き甲斐となっていた。

そんな3月の半ばのある日。

俺は制作デスクの松井さんから
重要な話があると、会議室に呼び出された。

なんだろう・・・?

926: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:07:10.32 ID:zLX0iWY0
今度はあれだ
油田と渡辺が付き合ってそんでもって二宮が油に隠れて渡辺といちゃつく
それを見つけた油は二宮に「出て行け」という
それで二宮は渡辺と駆け落ち
ハッピーエンド

931: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:13:04.27 ID:2mU030Io
「実は・・・。二宮くん」
松井さんは、言いにくそうにしている。

「はぁ・・・。」

「来週から支社に行ってくれ・・・」

「・・・・・・・。」


俺はこの時のショックを、今でも忘れない。
本当に目の前が、真っ暗になった。

時間の流れが一瞬止まった・・・。

この時ばかりは
失っていたはずの感情が、沸々と湧き上がってきた。

「あっちで頑張ってもらいたい・・・。」
その松井さんの言葉は、
これは社の命令であるというニュアンスが、ありありと出ていた。

サラリーマンである俺は、それに従うしかない。
拒否をする権利など、勿論無いのである。

支社・・・。
それはただの営業所に過ぎない。

人数は4~5人しかいないと聞いた。
本社で定年前の役立たずが飛ばされる、姥捨て山のような場所らしい。

業務は簡単な営業と、資料整理くらいだという。

そこに行くことは即ち・・・。

映像制作の道が絶たれる!

そのことを意味していた。

932: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:13:23.74 ID:E6Zj8MAO
ニノが今幸せでありますように!ニノが今幸せでありますように!ニノが今幸せでありますように!ニノが今幸せでありますように!

933: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:13:53.59 ID:6CIgfkAO
な、なんだってー!\(^o^)/

934: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:34.46 ID:0LFtUQAo
左・・・・遷・・・・・?

936: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:39.44 ID:aqsbXIc0
ええええええええええ
エースじゃないのかよ!!

937: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:14:45.13 ID:6sJ3CKE0
誰かからの報復行為・・・か

941: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:15:24.45 ID:2mU030Io
精神の崩壊はこの時、完全に成立した。
唯一の生き甲斐であり、心の拠り所であった

「一人前のディレクターになりたい」という夢すら奪われた・・・。

俺は「失礼します。」と言って会議室を後にした。

歩いている床が
まるでトランポリンのようにフワフワとしていた。

後になって聞いた話だが
最初の段階では、支社に送る人物のリストに
俺は入っていなかった。

俺を強く推薦(嫌がらせ)してくれたのは他でもない、赤松と白井さんの
紅白コンビであったという。

それでも他のプロデューサーは、必死で抵抗してくれた。
だが紅白コンビが、最後まで譲らずに寄り切った形であったという。


942: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:16:38.01 ID:0LFtUQAo
これはウザイ

しかしこれが会社か・・・

943: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:16:48.87 ID:Pa/k.Dc0
川田さんの会社に行ってれば

944: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:17:36.84 ID:0cxLHQU0
これはなんというおめでたくない紅白コンビwwwwwww


orz

945: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:17:54.31 ID:Mqm5acAO
ヤツらに人の心はないのか…?

946: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:18:15.68 ID:2mU030Io
俺は別にそれを恨んでない。

会社とは社会とは、そういう場所である。
理解も納得も出来る。

その命令が嫌であれば、それは会社を辞めるしかないのだ。

それがサラリーマンだ。

でも俺には心の支えが完全に無くなった。

なにを目標に生きていけばいいのだろう・・・。

支社に通うようになって、僅か2日目で俺は駅で倒れた。

心も体もとっくの昔に、悲鳴を上げていたのだろう。
それが限界に達して、崩壊したのだ。

気がつくと俺は、救急車の中にいた。

947: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:18:52.63 ID:6CIgfkAO
川田さんについていかなかったのを後悔というのは…これだったのか('A`)

949: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:19:39.43 ID:zLX0iWY0
うぜーな紅白コンビ
いろんな意味で
ニノの足元にすら及ばないのに

950: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:21:28.85 ID:0cxLHQU0
しかし、過労死にならなくてよかったよ

頑張ったな二宮...

958: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:34:35.94 ID:2mU030Io
救急車の中では
救急隊員が会社へ電話を入れ、事情を説明してくれた。

救急車の中は思っていたよりも、雑然をした雰囲気であった。
救急隊員が俺に何度も、不調の具合を訊ねてきた。

そこに寝ている自分が、まるで非現実の世界にいるような感じだった。

病院に到着した俺は、血圧などを測られた記憶がある。

そしてそのままベットに寝かされた。

看護師が「ゆっくり眠っていいですよ」と優しい声を掛けてくれた。

俺はその言葉を聞いて、涙が出そうになった。

もう頑張らなくてもいいんですよ・・・。

そう言われているような気がした。

俺は目を閉じた。

院内は騒がしかったが
なぜか凄く安心した・・・。

これでやっと開放されたのかな?

もうずっと眠っていたいんだ・・・。

959: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/29(日) 10:35:41.93 ID:2mU030Io
これで1回オチますね。
今日は細かい投下重ねて
最後までもっていきたいです。

960: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:36:05.47 ID:yulrKs60
たった一晩で1スレ使い切るとは…
それにしてもなんでこんな面白いんだ?

961: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:36:09.29 ID:6sJ3CKE0
うぐわああああああああああ、全宇宙が泣いた

962: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:36:46.78 ID:a054anM0
おつかれー

963: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:36:48.23 ID:AwIewYAO
>>959
乙カレー

964: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:37:10.31 ID:6sJ3CKE0
カツカレー 食べたくなった

965: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:37:12.67 ID:6CIgfkAO
二宮おつ

967: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 10:37:32.11 ID:Mqm5acAO
乙カレー
やばい目に塩水がたまる

995: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:01:21.07 ID:uxOFPD.0
1000なら俺ニートになれる!

996: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:01:34.23 ID:Pa/k.Dc0
1000

998: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:01:43.69 ID:V1NBaUDO
1000なら二宮に素敵な彼女ができてる。

999: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:01:45.03 ID:Xqk587Y0
>>1000なら渡辺と結婚

1000: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/29(日) 11:01:50.29 ID:0cxLHQU0
>>1000ならみんなに幸せな恋がくる
        *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    油田の彼女は渡辺!
      + (´・ω・`) *。+゚
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚




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1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年05月31日 14:00 ID:kidanmatome

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