第17章 転落

「それじゃ帰るね!」
俺は玄関でおふくろにそう告げた。

当初の予定ではもう1泊くらいを考えていたが
そんな余裕はやっぱり無かった。

結局、俺の正月休みは1日だけとなった。

「本当に体だけには気をつけてね。無理だけはしないでよ」
おふくろは心配そうに俺を送り出してくれた。

「うん。大丈夫。じゃあね。」
そう言って俺は玄関を出た。

今度ここに帰ってくるのはいつだろう?

俺はふと、8ヶ月前の引越で
この家を出た時と同じことを思った。

でも今はあの時と状況が全然違う。

仕事では責任が課せられ
プライベートではまりあを大切にしなければいけない。

たった8ヶ月の間に、俺を取り巻く状況は変化したのだ。

俺は駅まで走った。
丸1日、24時間以上を無駄にした。
このロスは大きい。

早く会社に戻らねば!

電車の中でも俺は落ち着かなかった。
この時間があればアレもできるのに!コレもできるのに!と
仕事のことばかり考えていた。
気団まとめ_W336x280



123: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:09:02.96 ID:tgvmmUoo
>>122
おかえりー

130: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:11:09.45 ID:WYfnSAso
俺は会社に飛び込むと、早速自分のデスクに向かった。
スケジュールを確認し直してみる。

モーニングステーションが今月2週目のO.A
旅日記が4週目のO.A
どう考えても時間が無い。

1週目の末には、モーニングステーションのロケを行わなければ。

2週目の前半で、モーニングステーションのオフライン編集、ナレーション台本を作成。
その合間を縫って、旅日記のロケハン(ロケーションハンティングの略。ロケ地の下見)
旅日記の企画書を作成。

2週目後半で、モーニングステーションのオンライン編集とMA。さらにはO.Aの立会い。
旅日記の取材先に許可申請。

3週目の前半で、旅日記の台本を作成。技術打ち合わせ。ロケ準備。

3週目の後半で、はロケ準備。ロケ。

4週目で、オフライン編集。ナレーション台本の作成。オンライン編集。MA。そしてO.A

俺は冷や汗が出た。

できるのか?一体・・・。

こんなスケジュールで・・・。

132: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:12:30.75 ID:xDGCw0Q0
なんかここまで来るとさ・・・二ノは仕事が充実してるみたいだし、まりあは悟に任せて正解だったんだろうなーって思えてきた

133: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:14:24.38 ID:V7QvZc.0
どんな理由であれ悟がにくくて仕方が無い

138: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:18:48.16 ID:WYfnSAso
普通に考えてADの付いていない俺には、到底無理なスケジュールである。

あの天才田畑さんでも相当ヤバいスケジュールだろう。これは・・・。

しかも俺は長尺物が初めてである。
今回は2本ともがその長尺物だ。

もしどこかで、スケジュールがズレ込んだら・・・。
俺はそれを考えて、一瞬身震いがした。

でもやるしかない・・・。
やるしかないんだ・・・。

俺は早速仕事に取り掛かった。

その日からの記憶はあまりない。

日付は1月5日になっていた。

2日に会社に戻ってから一睡もしていなかった。
会社の新年会にも顔を出していない。

俺は自分のデスクにうつ伏せ状態になっていた。
体がピクピクと痙攣しているのが分る。
睡魔や疲労と戦っていた。

だめだ・・・寝ちゃだめだ。
でもこのままだと・・・。
今日は旅日記のロケハンに行かないといけないのに・・・。

その時、俺の目の前で携帯が光った。

着信だった。悟だ・・・!
電話に出た。

139: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:23:44.85 ID:WYfnSAso
「はい・・・。」

「おう!光輝。俺だよ」

「ああ・・・。」

「今お前の家の近くなんだけど、今日は何時に帰ってくる?」
住所と地図は、おふくろに預けてきていた。

早速、来てくれたんだ・・・。

「わかんない・・・。でも遅いよ・・・。」

今日は帰る予定など初めからない。
でも悟が来てるんだ・・・。帰らないと・・・。まずいよね・・・。

俺はボーッとした意識でそんなことを考えていた。

「そっか。俺はその辺ブラブラしているから!
終わりそうな時間になったら電話してよ!」

「あっ・・・。待って悟・・・。」

142: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:24:37.87 ID:1k5/UBM0
このスケジュールは周りの人は把握してないもんなの?
南さんとか声かけてくれればいいのに・

143: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:24:56.28 ID:qaA/jgso
うわああああああああああああああああああああああああああああああああy7

146: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:26:10.63 ID:WOPoYWoo
悟いい奴なんだろうけど憎くて仕方ないなww
俺のまりあと婚約するし

147: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:26:28.26 ID:WYfnSAso
>>142
してるよ。でも基本逃げてます。
もちろん「大丈夫か?」くらいは言ってくれますが・・・。

148: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:30:07.52 ID:WYfnSAso
「俺の電話が無い場合は301号に行って。
そこの油田・・・。友達だから。
事情説明してくれたらいいから・・・。」

でも油田も実家に帰っているかも?
どうなんだろ?

「もし油田がいなかったら・・・。」

まりあが帰っている。
昨日、そんなメールが来ていたような気がする。

「302号に行って。それ俺の彼女の部屋だから・・・。」
俺が紹介できないけど、まぁいいか・・・。
2人には早く仲良くなって欲しいし・・・。

今の俺ならば、そんなことを言わないかもしれない。
それは少し賢くなって、少し人を疑うことを覚えたといえる。

でもこの時は、純粋に悟とまりあを信用していた。
「信用していた」というのも適切ではない。

俺の親友と俺の彼女。
その2人になにかが起こるなんて、想像もしていないのだ。

150: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:31:22.77 ID:H2EJ9yA0
なんか悟はまともな人間と自分に言い聞かせてたがこれは・・

151: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:31:23.12 ID:g4fuyKY0
らめえええええええええええええええ

153: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:31:36.94 ID:WOPoYWoo
あああああああああああああああああああああああ
悟いれちゃらめえええええええええええええ

154: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:31:56.66 ID:.9W2jro0
うわあああああああああああああああああああ

155: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:32:13.23 ID:gztFimI0
なんか仕事にしろ悟にしろ安請け合いしすぎ。
悟に「歓迎するよ」と言う所まではよくても、せめて来る前に連絡ほしいとか
今はちょっと多忙過ぎとかなぜ言えないかなぁ

157: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:35:11.46 ID:WYfnSAso
俺はその電話の後、なんとか気力を振り絞ってロケハンに出ていった。
もはや立っているのすら危うい。
しかし現場までの電車で眠れるのが、俺には有り難かった。

なんとかロケハンを済まして会社へ戻る。
すぐにモーニングステーションの台本を書く。

それが苦痛で仕方がない。
それでもやるしかなかった。

それが俺の仕事だ。
もうスケージュールは、1日だって延ばすことは出来ない。

台本が完成した。
もう22時になっていた。
それを局Dの木下さんにメールした。

これでOKが出れば、やっとロケに出ることが出来る。
そうすれば、少しは先もは見えてくるというものだ。

158: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:37:16.03 ID:WYfnSAso
>>155
本当だよね。
仕事は新人すぎて自分のキャパ知らなかったなぁ。

片桐さんの件は絶対無理って分かったけどねwwこんな俺でも。

まりあも・・・恋愛経験少ないってやっぱダメだね。

159: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:37:29.33 ID:1k5/UBM0
悟も押しかけるときは事前に連絡よこすのが常識だろ・・・

161: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:38:04.69 ID:aon.xS60
当時の二宮は悪い意味でいい人だな

162: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:39:33.21 ID:WOPoYWoo
悟いきなりまりあフラグ立ってたんだな
続きこえええええええ

164: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:40:16.07 ID:WYfnSAso
俺はここでやっと悟のことを思いだす。

やばい・・・。
アイツ俺の部屋のカギ持ってないじゃん・・・。

俺は悟に電話をした。

悟が電話に出た。
「ごめん悟。いまどこ?」

悟は明るい声で言った。
「今まりあちゃんの部屋だよ!いい子だな。まりあちゃん」

ドクン・・・。
俺の胸が変な高鳴りをした。
なんだ?この感覚・・・。

「そ・・・そうなんだ・・・。まりあは?元気?」

「ちょっと待ってろよ!」
悟がそういって受話器から口を遠ざけた。

かすかに聞こえる声。
「光輝がまりあちゃんと話したいみたいだよ~。」

しかしまりあの返事は聞こえない。

その代わりに、悟のはっきりした声が返ってきた。
「なんかまりあちゃん、カレーの材料切ってて、手が離せないんだと」

ドクン・・・。
またあの変な胸の高鳴りだ。

「そ・・・そうか。俺も今から一旦家に戻るよ。
お前、俺の部屋のカギ持ってないしさ。そこにいてくれ・・・。」

「はいは~い」
という悟の返事を聞いて電話を切った。

俺は会社を出てタクシーを拾った。

166: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:41:01.55 ID:.9W2jro0
悟ゆるせねええええええええええええ

175: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:44:10.48 ID:WYfnSAso
疲れていて、電車に乗るのが苦痛であった。
しかしそれとは別に、もうひとつの感情もあった。

早く家に帰りたい!

俺はタクシーでずっと考えていた。
なんだろう・・・。この感覚は・・・?
心にポツリと出来た、違和感とでもいおうか・・・。

仕事でクタクタのはずの脳が、妙にクリアになってゆく。

俺はタクシーを降りるとエレベーターを待った。

エレベーターが1階に到着すると油田が降りてきた。
「どうもどうも!いや~二宮さん。なんかお久ですね~。」

テメーいるんじゃねーかよ!
肝心な時に留守にしてんじゃねーよ!

俺はエレベーターに乗り込むと、3階のボタンを押した。
なんでだ?なんで俺こんなに急いでいるんだ?

彼女と親友が一緒にいるだけじゃんよ。
なんも急ぐことなんかねーじゃんよ。

177: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:44:49.56 ID:.9W2jro0
いたのかよwwwwwwwwww

186: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:48:56.77 ID:WYfnSAso
3階に到着すると、俺は真っ直ぐに302号へ。
慌ててインターホンを押した。

「はい!」
まりあの声だ。

「俺・・・。光輝」

すぐにドアは開いた。

「おかえりなさい!光輝くん」
まりあが笑顔で出迎えてくれた。

なぜかホッとする。

「お友達の・・・悟くん?待ってるよ。」

「うん。俺がここで待ってくれって言ったんだ。ごめんな」と言って
俺はリビングに上がった。

リビングでは悟がカレーを食べていた。

・・・なに?この感じ。
このすごく嫌な感じは?

悟は俺を確認すると
「よっ!遅くまでご苦労さん!」と言った。

俺は無言でリビングに腰を下ろした。

キッチンからまりあの声が聞こえる。
「光輝くんもカレー食べるでしょ?いま入れるからね!」

悟がコソッと俺に言ってきた。
「まりあちゃん可愛いな。やったじゃん」

まりあがカレーを温めながら言う。。
「悟くんって楽しい人だね。なんか光輝くんとタイプが違うね~。」

どういう意味だよ・・・。

188: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:50:16.54 ID:r0TPxJgo
ニノがまがまがしくなってまいりました・・・

190: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:50:25.82 ID:laDyvk.o
いつ手が出るんだ(((;゚Д゚))ガクガクブルブル

191: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:50:38.99 ID:Z4HT8NEo
これからの展開によっては悟とまりあは糞だな・・・

209: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:54:41.45 ID:WYfnSAso
「いらない」
そう言って俺は立ち上がった。

まりあは「え?なに?」と聞き返してきた。

「今はカレーなんか食べてる時間ないんだ。すぐに会社に戻らないと」
悟はそんな俺の言葉を聞いて、目を丸くしている。

「悟。これカギ。303号だから。今度いつ帰るか分からないから
自由に部屋を使ってくれ。」

そう言って悟にカギを渡すと、俺はリビングを出た。

キッチンにいる、まりあの横をすり抜ける。
まりあは意味が分からない、といった感じでキョトンとしていた。

302号を出るとエレベーターに乗り込み、再び会社に急いだ。

嫌な感じの正体は分かっていた。
それは嫉妬心だった。


210: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:54:41.89 ID:3wyD2x.o
ところで、ニノは今でも悟と親友なの?

212: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:54:45.75 ID:lylT1Zg0
書いてる本人が一番辛い…

ここでやめられたら、こっちが辛い…。

213: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:54:53.65 ID:BY8yzS.o
「悟くんって楽しい人だね。なんか光輝くんとタイプが違うね~。



 ああいうタイプ結構好きかもww」


ドクン・・

215: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:56:01.34 ID:WYfnSAso
>>210
今のこの段階で知りたい?

217: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:56:34.08 ID:3wyD2x.o
>>215
いや、やっぱりいいですwwwwwwwwww
最後にとっておきますwwwwwwwwwwww

218: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 18:56:35.97 ID:Pv..3Dco
>>215
やめてくれ

231: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 18:59:33.39 ID:WYfnSAso
今日はここでオチますね。

でもあれですね。
ちょっと精神的にきますねwwさすがに。

今なら平気で書けると思ったけど。

これから書くの辛い場面満載です。

頑張って書かなければ・・・。

それじゃ皆さんノシ



235: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:00:13.16 ID:1RA7skAo
おつかれ。
あんま無理はすんなよ?

236: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:00:33.88 ID:aon.xS60
頑張れ!二宮
お疲れ様。

237: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:00:34.23 ID:3wyD2x.o
>>231
おつかれーノシ
続き楽しみに待ってる

239: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:00:42.27 ID:Qj5zog2o
オツカレー
楽になったらまたきてねー

248: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:02:08.89 ID:lylT1Zg0
おつかれ。
少し落ち着いたら続きを頼むよ!
ニノのペースでおkだから

249: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 19:02:30.88 ID:WYfnSAso
あっ。精神的にきつくてのオチではないので!
大丈夫ですよ~ノシ

252: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:03:20.32 ID:xDGCw0Q0
>>249
いやもうこの時点で説得力が全然ないんスけどニノちゃん・・

254: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 19:05:32.23 ID:1k5/UBM0
ニノ乙!!
心を整理するつもりでがんばれ!!
辛い思い出なんかに負けるな!!!

344: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:01:33.04 ID:WYfnSAso
ちょっと1つだけレスしとくね。
やっぱり文章って本当に難しくて
かなり丁寧に書いたつもりでも
書ききれていない部分もあるね。

悟がアポなしで来たのは

ヤツなら俺と連絡を取れなくても
カプセルに泊まるし、最悪は野宿でもするつもりだったと思う。
変な野草も食い分けるワイルドさがあるヤツです。

まりあの部屋に行くのも、ヤツならなんの抵抗もないだろな・・・。
アイツの社交性ハンパないから
(これは家の実家に来たくだりで、なんとなく分かるかも?)

とにかく海外行っても、その日知り合った外人の家に泊まれるやつですww
英語カタコトでww

あと、まりあにはよく悟の話をしていました。
だから俺の親友ってことは知ってましたね。

みんながどんな意見を言っても、俺は自由だと思っています。
ただ参考資料としてというか、書ききれなかった情報だけは
置いておきますね。ノシ

345: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:01:35.01 ID:7xZ0d6AO
久し振りだよ
続き見たいのに見たくないこの気持ち

347: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:03:05.28 ID:k9kYjyE0
>>344
補足ありがと。
じゃぁ、やっぱりこの段階では誰も悪いわけじゃないんじゃない?

348: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:03:13.35 ID:xDGCw0Q0
>あと、まりあにはよく悟の話をしていました。
>だから俺の親友ってことは知ってましたね

それっていつの話なの?仕事が忙しくてまりあはほったらかしてたんだよね?

349: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:04:17.78 ID:Z4HT8NEo
>>348
付き合う前じゃね?

355: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:07:35.86 ID:WYfnSAso
>>348
そこまで表現するとさすがに本編では・・・だけど。
例えば初めてまりあのカレー屋行って
一緒に帰った時でも「俺の友達に悟っていてさぁー」とか

川辺でデートした時でも
「親友の悟って前話したじゃん?あいつその辺の野草を・・・」

ってな感じで「いつ?」と聞かれても話すぎて
そこまでは本編に入れきれない状態です

356: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 20:08:45.43 ID:xDGCw0Q0
>>355
そっかー乙かれー、でも二宮は今は幸せなんだよね?

359: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 20:09:59.18 ID:WYfnSAso
>>356
どうだろう・・・。それは最後まで付き合って下さいな!
その時に判断して下さい!

んじゃ仕事しますね。ばいばいノシ

374: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 21:17:05.22 ID:P0ljxroo
彼女に手を出す時点で、親友じゃないな

まりあが浮気してしまった気持ちは同情できるけど
根無し草の親友が浮気する気持ちは理解できん。

378: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 21:42:38.19 ID:nhxyPrco
不幸が絶対にくるって分かってるから
なんかこれから読むの辛いな

638: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:24:30.18 ID:igSjZhIo
ただいま。
今から投下していきますね。

639: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:24:58.79 ID:0oU7FH.o
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!

640: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:25:14.95 ID:psbzBjA0
おかえりー!

644: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:30:12.05 ID:igSjZhIo
俺は会社に戻ると、旅日記の仕事に取り掛かった。

もう何時間、寝ていないだろう・・・。

しかしやらなければ!

やらなければ・・・。

やらなければ・・・・・・。

怖い!怖い!怖い!怖い!

もし俺がやらなければ・・・・。


O.Aに穴が空く・・・。


怖い・・・。怖い・・・。怖い・・・。怖い・・・。

俺の心は完全に、仕事の恐怖に支配されていた。
しかも僅にある隙間には、嫉妬心が入りこんで来る。

もう作品を創る精神状態では無い。

でも手を休めるわけにはいかない。
俺がここで手を休めれば、全てが崩壊する。

心身ともに限界にきていたのは、自分でも気づいていた。

649: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:37:36.55 ID:igSjZhIo
俺はこの日も徹夜をした。
そのモチベーションは、仕事からくる恐怖心だけである。

朝になり、序々に社内に人が増えてくる。
しかしそんな事すら、もう眼中に入ってこない。

誰かの声が聞こえた。
「二宮~。電話~。木下さん」

ドキッ・・・。なんだ一体?

「はい。お世話になります。二宮です。」

木下さんの元気な声が、受話器から飛び込んでくる。
「どうも!木下です。昨日は台本ありがとうございました!」

「いえ。こちらこそ。遅くなりまして。」

ホッ・・・。そんなことか。
台本を受け取ったというの確認の電話か・・・。

「それでですねぇ・・・」

え・・・。

「台本にもう1ネタ盛り込んで欲しいんですよ。」

え・・・。待って・・・。

650: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:39:06.25 ID:igSjZhIo
こっから超鬱展開しか待ってないけど

気にしなくていいから、みんな好きにレスしてよww

明るくやりましょう!(無理か・・・ww)

652: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:40:31.45 ID:GJYMve20
ニノ、マジかよもう鬱しかないのかよぉぉー

653: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:40:33.58 ID:dLw4.foo
鬱展開クル━━━━━━('A`) ━━━━━━ !?

654: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:41:04.42 ID:DtKMIB.o
もう1本盛り込んで仕事間に合わなくてその内にまりあ悟がくっついて鬱の連鎖か・・・

655: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:41:40.82 ID:GJYMve20
ニノ現在は幸せなんだろうな?!!

659: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:45:14.03 ID:igSjZhIo
「はぁ・・・」

いまからもう1ネタなんて・・・。

時間的に無理だよ。

探す時間が無いよ。

探したとしても取材申請がいるよ。

それを台本に入れないといけないよ。

しかし局Dの意向である。
一見、お願いされているような感じだが、これは命令である。
こちら側に断る権利など、100%ないのだ。

「分かりました・・・。なんとか頑張ってみます・・・。」
そう言って電話を切った。

これは身の破滅だ。
どうしよう・・・。
もうどんなに頑張っても、スケジュールをずらし込む場所がない!

その時、俺の携帯が光った。
まりあからのメール受信だった。

「ヾ( ' - '*)オハヨ♪こんばんなんぢにかぇる??
悟くんの歓迎ぉかねて。こんや焼肉ぱーちーしませんか(o⌒∇⌒o)」

・・・・・・・・。

いまは悠長に焼肉なんか食ってる場合じゃないんだよ・・・。
それに悟って・・・。

俺は「2人で食べて下さい。」と返信した。

そんなことより仕事だ。

冷や汗が止まらない。
なんとかしなければ!!

663: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:47:18.05 ID:6KxBKlA0
>>659
>しかし局Dの意向である。

局Dと外部Dだと、局Dの方が上なの?
テレ朝Pと東映Pだったら、東映Pの方が上っぽいけど。

665: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:49:28.92 ID:igSjZhIo
>>663
もう神と町人以下

東映の場合は
スポンサーになることもあるからじゃないかな?

普通のプロダクションは
スポンサーになることなんてまずないからね

670: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:51:54.70 ID:6KxBKlA0
>>665
お答えありがとう。
木下がチーフディレクターで、二宮がサブディレクターって感じ?

671: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:52:12.83 ID:igSjZhIo
俺は制作部の同期を捕まえた。
もう、なにふり構っていられる状況ではない。

「頼む。助けてくれ!この通りだ!」

俺は事情を説明した。
「2~3時間なら手伝えるよ」
同期は、そんな俺を見かねて快諾してくれた。

そして神様はいた。

同期の手伝いもあって
俺はなんとか、新たなネタを見つけ出すことができた。

「ありがとう。ありがとう。」
俺は同期に何度もお礼を言った。

僅かに延命が出来ただけかもしれない。
しかしなんとか延命ができた。

早速、局Dの木下さんに電話をして
新たのネタのOKを貰った。

しかし一連の作業は、夕方までの時間を俺から奪った。

もう本当に、待った無し!である。

そこから週末までは、2時間程度の睡眠で
なんとかモーニングステーションのロケに持ち込めた。

673: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:52:22.46 ID:oPhGj0M0
×「2人で食べて下さい。」
○「ごめんな、どうしても仕事がさらに入ってきちゃって・・・」
これでぜんぜん違うのに

676: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:53:34.92 ID:igSjZhIo
>>670
正しくはMD(メインディレクター)とコーナーDだね。

MDの演出方針に沿って、コーナーV創るのが仕事ですね。

680: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 17:55:58.45 ID:igSjZhIo
>>673
当時はね・・・。

そのメール打って送信するじゃん。
したら返信くるのが怖かった。

「え・・・どうしたの?」
「いや仕事がテンパって・・・」

この2つのやり取りで5分食うとするじゃん?
5分はでかすぎた。
5分あれば台本3行は書けるんだ。

それくらい緊迫した状態。

684: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 17:58:08.60 ID:dwoUKtI0
学生には絶対に理解も想像もできないから、説明してもしゃーないんじゃないか?
大変なんだねー、とか言いつつ(会う時間くらいあるでしょ!そんなに忙しいとかありえない!)
と、思う。別に悪いことじゃない。学生なら仕方が無いんだ。

687: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:02:41.31 ID:Xs1HoV6o
>>684
そこいらのギャップがまりあ・悟と二宮間であったんだろうな
胃が痛くなってきた

689: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:03:02.48 ID:igSjZhIo
もう時間の感覚は、完全に無かった。
24時間が早すぎる。
年末にカップそばを食べたあの頃が、嘘のように暇に思えた。

その間、まりあや悟から何度かメールがあったと思う。

いつのメールか?
どんな内容だったか?
返信はしたのか?

全く覚えていない。
でも恐らく返信はしていないと思う。

ロケから帰って、すぐにオフライン編集を開始した。
睡眠や休憩とることなど、初めから頭に無い。

これさえ終われば・・・。
これさえ終われば・・・・・・。

なんとか、旅日記の制作期間に入ることができる!

いまこの時点から、制作期間に入っても相当遅い。
一週間はまともに寝ることが出来ないであろう。

しかし今の俺には、それだけが僅かな希望の光であった。

次の日の朝10時過ぎに
オフライン編集が終了した。

692: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:05:32.26 ID:iMVfzwI0
>>687
それでもメールに5分取られるのがきついって事は、トイレ行くのがきついとか、
飯食うのがきついとかそういうレベルでしょ?
俺には想像もつかないよっぽどだったんだろうな。

695: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:08:53.98 ID:igSjZhIo
早く局Dの木下さんに、プレビューをしてもらわなければ!

社内を見渡す。
片桐さんはまだ出社していない様子だ。

もうあんなオッサンを待っている暇など1秒もない。
俺は木下さんにアポを取り、会社を飛び出した。

木下さんは俺のオフラインをジッと観ている。

15分のVが終わると木下さんは
「うーん」と唸った。

ど・・・どうなんだ?OKなのか?

木下さんは「そうだなぁ・・・」と言って大きく伸びをした。

ドクン・・・。
ドクン・・・。

脂汗が出る。

「申し訳ないけどこのシーン。もう少しカット数増やして下さい」

そ・・・それは・・・。
つ・・・つまり・・・。

「再撮(影)お願いします。」


再・・・・撮・・・・。


身の破滅が決定した瞬間だった。

697: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:11:02.55 ID:igSjZhIo
>>692
飯は48時間程度なら平気で食わないよ。
恐怖とプレッシャーで、まず腹が減らない。

トイレも極力我慢して1回で済ます感じww

今でも24時間くらいなら食わないかな。スタジオ入ると。

701: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:17:49.63 ID:bQYLUAwo
ごめん。明日仕事中に欝読むから今日は落ちます!ノシ

702: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:18:39.67 ID:igSjZhIo
会社への帰り道、携帯にメールの着信がきた。
まりあからだった。

「悟くんと心配してぃます。。。ぃつかぇってきますカ??」

俺はフッと笑った。

悟くんと・・・か・・・。

携帯を閉じた。

俺は今から会社に帰ってある報告をする。
俺の信用を全て奪ってしまう、重要な報告である。

今度こそ会社を辞めるかもな・・・。

重い足取りで会社へ戻った。

俺は制作部のフロアに入ると、真っ直ぐに白井さんの元へ言った。

そして深々と頭を下げ
「申し訳ありません。旅日記は・・・。出来なくなりました。」と報告した。

白井さんは、驚いた顔で俺を見つめ
「なに言ってるのよ・・・今さら・・・」と震える声でそう呟いた。

俺は歯を食いしばった。
きっとこれから、俺に浴びせられる言葉は、想像を絶する罵倒だ。

「なに言ってるのよ!!!!あなたは!!!!」

白井さんは立ち上がって、俺を怒鳴りつけた。

703: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:20:31.82 ID:igSjZhIo
>>701
俺も書いてて相当鬱ですww
仕事がんばってね。

俺がレス返し自重するね。
なんで今日の俺レス返ししてんだろ・・・。

執筆逃避かもww

707: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:23:48.52 ID:J3MsMc.0
しかし二宮よく死ななかったな。

読んでてそれが分かってるのだけがせめてもの救いだわ。

711: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:27:23.16 ID:jUZaOMAO
崩壊へのカウントダウンが…

712: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:27:42.18 ID:dwoUKtI0
できないことはできない、とはっきり言う方が信頼は得られるね。
土壇場でできない、というのが最も最悪。押し付けたほうが悪いとかいう意見を言う奴も居るが、できないと言わないほうが悪い。学生のイジメじゃないんだから。

714: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:28:54.65 ID:igSjZhIo
フロアにいた全員が、こっちを見るのが分かった。

「私は1度、あなたにできるか?って聞いたわよね!!??
その時、あなたできるって言ったわよね!!??」

白井さんの声は更に大きくなった。

「申し訳ありません。自分の力不足でした・・・。」
俺は頭を下げたままそう言った。

涙がこぼれ落ちる。

「いい加減にしなさいよ!!!ふざけないでよ!!!」

当たり前だ。
白井さんが怒るのは無理もない。
この件で悪いのは全て俺だ。

白井さんは俺にチャンスをくれた。
それをこんな形で裏切ってしまった。
どんなに罵倒されても仕方がない。

「もうどっか行ってよっ!!あなたの顔なんか見たくもないからっ!!」

さすがにこの言葉はショックだった。
胸が潰されるような思いだ。

俺はもう一度
「大変申し訳ありませんでした・・・。」
と声を絞り出し、白井さんの元を離れた。

723: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:34:44.84 ID:igSjZhIo
そしてそのまま真っ直ぐに、今度は片桐さんの所へ行った。

「モーニングステーション。再撮になりました。」

片桐さんは俺の報告を聞いて、急に難しい顔になり
「おいおい大丈夫か?間に合うように出来るのか?」と言った。

その言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かがブチッと切れた。

出来るのか?

・・・・出来るのか?

・・・・・・・・出来るのか?・・・だと?

気がつくと、俺は怒鳴っていた。

「最初に出来ねーって言ったのに、無理やりやらせたのはアンタだろがっ!!!!」

もう何がなんだか、分からない状態であった。

制作部のフロアが、水を打ったかように静まり返った。

驚きの表情で、ポカーンとしている片桐さんを尻目に
今度は制作デスクの松井さんの所に行った。

「俺。今から早退させてもらいます。失礼します。」

そう言って俺は自分のデスクに向かった。

726: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:37:29.33 ID:duIx6QY0
白井さんはできなくなった理由も聞かずにいきなりキレたのか?

事の大きさから言ったら、ニノの顔を見たくないっ!ってことじゃ済まない気がするんだが。

728: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:40:14.79 ID:Mhlb1Vw0
これは二宮が悪いな。
新人は変なプライド持たないで頭を下げること出来ないとダメよ。
自分ひとりで出来たとしても、大した結果なんて残せないんだから。

まぁ、上司のリスクケア不足と、新人に対して「驕るなバカモノ」と早めにしつけていないのも悪いんだろうけど。

732: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:44:43.45 ID:z46JU0go
きれるなら最初に押し付けられたときにきれろって。
仕事の件もまりあのことも8:2ぐらいでニノが悪いんじゃん。

733: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:44:49.72 ID:igSjZhIo
松井さんが、俺を追いかけてきた。
「落ち着きたまえ。二宮くん!」

落ち着け・・・か。
その言葉を聞いて、なぜか笑いが込み上げてきそうになった。

「先輩は・・・。手伝ってくれる先輩はどこにいたんすか?」

1人で眠らずに仕事をやっていたことが、なんだか急にバカらしくなってきた。

俺はそういい残すと、自分の荷物を持って
サッサと会社を出て行った。

もう全てがどうでもいいと思った。

俺は電車に揺られながら、一点を見つめ
廃人のようになっていた。

さっきまで色々なことを、同時に考えていた脳が
今は1つのことにだけ支配されていた・・・。

「もうどっか行ってよっ!!アナタの顔なんか見たくもないからっ!!」

白井さんのその言葉が、何度も何度も俺の頭で木霊していた。

入社したてのミスの時は「死にたい」と思った。
しかし今回は違う「死にたい」と思うことすら面倒くさい。

時の流れに身を任せて、とにかくボーッとしていたかった。

マンションに到着した。少しホッとする。
とにかく寝よう。
今までの分も寝よう・・・。

736: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:45:44.28 ID:T/9MLeco
あああああああ
全てがマイナス方向にいく気がしてならん('A`)

738: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:47:08.64 ID:.9JUFcDO
何か涙が・・・

っていうか、悟はずっとまりあの所に泊まってたのか!!

740: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:48:34.81 ID:igSjZhIo
>>732
いやそれは無理ww
会社の命令は絶対だから。

俺が切れたのはもっと別の部分だよ。



742: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:50:50.49 ID:dwoUKtI0
業界の悪癖だな。無理と言えないのは。
若さと性格もあるだろうけど。

747: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:51:52.58 ID:igSjZhIo
やっぱり動物としての本能かな。
ここで言わないと殺されるって思ったかも。

このままのノリで仕事つんで来る
ことが予測できたし、うーん。窮鼠猫を噛むってか

本当に本能で生命の危機まで感じてたんかな

748: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:52:28.13 ID:z46JU0go
>>740
でも結局最後はきれたんでしょ?
ギリギリになってできないっていうより、
最初にできないって言ったほうが迷惑の範囲は小さくて済むんじゃないの?

755: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:54:26.75 ID:igSjZhIo
>>748
だからそれは言ったよ。
松井さんと、片桐さん交えた時にね。

「白井さんの仕事があるのでできません」って
文章にコメントとしてなかったね。

ごめん

754: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:54:19.26 ID:Mhlb1Vw0
なぜ、二宮が切れたのかいまいち分からない。
ニノの切れ方は完全な逆切れなんだが。

758: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:56:12.75 ID:GJYMve20
ニノ辛かったろうに・・・
それに追い討ちをかけるがのごとく
悟とまりあが愛を育んでたのか

760: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:56:55.11 ID:igSjZhIo
>>754
そうだなー。
>>747と
片桐さんの「出来るのか?」だろうな。

今更そりゃねーぜって。
最初に出来ないっていったの無理やりやらせたじゃんって。

そんじゃ断ればって言われると
>>740
が答えになるなぁ

764: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:58:36.35 ID:OD6/vUk0
い  い  か  ら  続  き  か  け

765: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 18:58:36.78 ID:igSjZhIo
いや。
これは本編の状況説明にもなるだろって思ったんだ

766: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 18:58:53.04 ID:0W.zAnUo
これは社会に出てみないと分からない感覚なのでは?
しかし二宮律儀すぎるww

773: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:00:50.59 ID:igSjZhIo
エレベーターで3階に到着した。
もうすぐ部屋だ。
やっと眠れる・・・。

すると俺の部屋のドアが開いた。

中からはまりあが出てきた!

なんで・・・?
なんでだよ・・・?

ドクン・・・。ドクン・・・。
俺の胸がまたあの嫌な高鳴りを始めた。

俺の存在に、まりあはまだ気づいていなかった。

中に向かって「おかずは温め直してね。」と言っている。

中にいるのは。

当然・・・。悟だ。

その瞬間俺は拳を握った。
この感情の正体は・・・。嫉妬心じゃない。

怒りだ。

部屋を出たまりあが、俺に気づいて驚いた顔をした。

「光輝くん・・・。」

「・・・・・・」

「顔色悪いよ。大丈夫?」

「・・・・・・」

「今ごはん作って、お部屋に置いておいたよ。食べられる?」

「・・・・・・」

俺はなんとか冷静さを保とうとした。

以前俺が渡辺の部屋から出てきた時
まりあだって同じ気持ちだったに違いない。

800: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:07:33.59 ID:igSjZhIo
それに、彼女と親友が・・・。
と考えている自分に嫌悪感すら覚えた。

俺は必死に声を振り絞った
「大丈夫。ちょっと仕事・・・。疲れて・・・帰ってきただけ。寝るね・・・。」

それだけ言うと、俺はまりあの横をすり抜けて自分の部屋へ入っていった。

リビングに入ると悟がTVを観ていた。

俺に気づくと
「おお!光輝やっと帰ってきたのか!!少し顔色悪いぞ・・・。どうした?」と聞いてきた。

俺は「別に・・・。」というとテーブルをチラッと見た。
食後の食器が2つ・・・。

そうか。
お前とまりあが飯食ってたのね。ここで・・・。

そんな俺の視線を気にする様子も無く
「まりあちゃんが飯作ってくれてるよ。いまから食う?」
と言って悟は冷蔵庫に向かって行った。

「いや・・・。いらないや。寝たいんだ。悪いけどTV消すね。」
俺はそう言ってTVのスイッチを切った。

悟は心配気な表情で
「おいおい!大丈夫かよ?光輝」と聞いてきた。

俺はそのまま黙って布団に潜りこんだ。

そうだよ。
俺の大好きな2人が仲良くやってくれてんだよ。
俺もそれを望んでいたじゃん。
これでいいんだよ。

そうやって自分を納得させながら目を閉じた。

803: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:07:56.05 ID:DtKMIB.o
まりあもまりあだよな・・・
手料理作ってあげてたなんて。
自分の残りをあげるんじゃなくて部屋に行って作ってるとか

805: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:08:25.88 ID:C8k3SIYo
悟なんか器がでかいよな

809: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:09:17.10 ID:YHXeRCg0
にのもまりあも悟もかなり配慮が足りんかったな。
つまり若いって事なのか。

811: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:10:01.27 ID:ePLooRQ0
仕事で疲れたのはわかるが
二人へのニノの対応も悪いな・・・

823: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:11:57.43 ID:YQCdj6AO
いやマジでなんでこんな時に油田は自重してるんだよwwwwwwwwwwww

827: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:13:06.54 ID:GJYMve20
誰が悪いとかそんなことで争っても不毛だぜ!!

829: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:13:18.79 ID:igSjZhIo
第18章 崩壊

次の日、俺は起きた時からなんか変な感覚した。

自分の体が自分の物でないような
妙にフアフアした感覚とでもいおうか・・・。

第三者的、神の視点から自分を見ているような・・・。

しかし見下ろしている俺は、決して生物ではなく
ただの蛋白質の塊というか・・・。

言葉ではどう表現すればいいのか分からない
とにかく変な感覚であった。

時計を見た。
9時か・・・。

横では悟が本を読んでいた。

「おはよう」
俺は悟に挨拶をした。

悟は俺の挨拶に気づくと、心配そうに言った。
「おはよう。お前大丈夫か?体調悪そうだぞ?」

「うん。大丈夫」
俺はそう言って洗面所に向かうと、顔を洗ってリビングに戻った。

悟が「会社に行くのか?」と聞いてきた。

「いくよ。もちろん。」
俺はそう答えながら
すぐさま出勤の準備に取りかかった。

「昨日の夜。隣の渡辺さんが訪ねてきたぞ」

「渡辺が・・・。なんて?」

「いや。寝てるって言ったら、帰っていったよ」

そうか。
恐らく会社で俺のことを聞いて、心配をして来てくれたのだ。

835: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:15:10.35 ID:GJYMve20
渡辺いい子だなー

837: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:15:18.70 ID:yc6hRAUo
やっぱ渡辺ルートが正解だったんだよ!!!!!!

838: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:15:36.51 ID:DtKMIB.o
やっぱり渡辺いいやつだな
まりあも二宮が疲れてるの分かってるなら看病(朝ごはん作る)とかしたらいいのに

846: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:17:36.21 ID:igSjZhIo
あれ?なんかおかしい。
自分が・・・。

普通なら渡辺のそんな行動を、有り難いと思うのだが・・・。
もちろん有り難いとは思うのだが、その感覚がおかしいのだ。

行動の側面を捉えて、脳でありがたいと考えているような・・・。
普段ならば、湧き上がってくる「気持ち」で「感じる」ものなんだが・・・。

なんだか自分がよく分からなかった。

会社にも普通に出勤できた。
昨日あれだけのことをしたのだ。

恥ずかしさや、申し訳なさがあって当然なのだが
全くなにも感じない。

自分のデスクに座ると
極めて事務的に、モーニングステーションの再撮の準備を進めた。

恐ろしいほどに、作品に対する情熱が失せていた。

なんだかんだ言っても、昨日までは忙しい中にも
ディレクターのこだわりは持っていた。

ここを直せばもっと良くなる!!
ここはこうしなければ!!

そんな昨日までの情熱は消えていた。

ただ淡々と、ただ淡々と仕事を遂行していった。

847: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:17:41.07 ID:YoKB5MDO
信じられるのはもう渡辺だけだ!!

893: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:28:52.12 ID:Xs1HoV6o
...二宮だいじょうぶか?

895: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:29:03.92 ID:igSjZhIo
旅日記が無くなったので、正直随分と楽にはなった。
こうなればモーニングステーションだけでも
無事に完成させなければ。

仕事が1つ減ったからといって、激務に変化は無い。
俺の徹夜と、会社への泊り込みはそのまま続いた。

その間もまりあは、頻繁にメールをしてくれた。
メールの文章には、日増しに悟の文字が多くなっていった。

悟・・・。悟・・・。悟・・・。悟・・・。

たまに油田・・・。か・・・。

そりゃそうだ。
あいつは俺なんかより100倍楽しいヤツだ。
そりゃそうなるよ。

そのメールの数々は、俺の知らないところで
まりあと悟が会っているということを、如実に物語っていた。

俺はそれらのメールに適当な返事を返した。

なにか大きな波があって、いくら抵抗しても飲み込まれていく。
俺はあがくを止めて、その大きな波の思うがままに飲み込まれようと思っていた。

898: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:29:11.90 ID:.9JUFcDO
まりあ株暴落

899: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:29:45.16 ID:Mhlb1Vw0
渡辺の株が急上昇です!!!

900: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:30:10.05 ID:igSjZhIo
>>893
うんうん。正直書いていて楽しいシーンではないけどね。
ちゃんと書いてるよ。ありがとうね

902: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:30:22.01 ID:H2MC7Gs0
思い出しても辛いだろうな。
よく頑張って書いてるよ。

がんばれ、二宮。

911: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:33:46.78 ID:igSjZhIo
苦労の甲斐もあってか、モーニングステーションのVは無事完成した。
それでもO.A前日の午前中というギリギリの納品だ。

木下さんは「またお願いしますよ!二宮さん」と言って
俺の労をねぎらってくれた。

さぁ・・・。どうだろうな・・・。
次は別のディレクターが、担当するんじゃないの・・・?

俺は曖昧な笑顔を返しておいた。

俺は納品からの帰り道を、トボトボと歩いていた。
長尺物をやり遂げた喜びはあまり無かった。

やっぱり旅日記の件が胸を締め付ける。
あの後、旅日記のディレクターは見つからなかった。

そりゃそうだ。
俺の報告が遅すぎた。
あんな制作期間で引き受けるディレクターなどいるはずもない。

結局は白井さんがP・D(プロデューサー・ディレクター)をする
ハメになってしまった。

本当に申し訳ない気持ちで一杯だった。

俺が会社に戻ると偶然、渡辺に会った。
そういえば渡辺に会うのも、随分久しぶりであった。

935: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:38:30.15 ID:igSjZhIo
「おう。渡辺!」

「二宮くん・・・。元気だった?」

俺と渡辺は昼食がてら、会社の近所の喫茶店に行った。

「ごめんな。渡辺。なんかこの前、来てくれたんだろ?夜」

「うん。会社で聞いてさ・・・。心配だったから。」

俺は胸がジーンときた。
心配してくれる人がいるって、本当に幸せなんだな。

「あの後もね。二宮くん会社で見かけたけど
なんか声掛けづらくて・・・。忙しそうだったから・・・。」

「ありがとうね。渡辺」
俺は感謝の言葉を口にした。

渡辺は「ううん」と首を振って。

「私がミスした時も、二宮くんが心配してくれたじゃん。」
と言ってニコッと笑った。

俺と渡辺は、昼食を食べながら色々なことを話した。
本当に心が和む瞬間だった。

すると突然、渡辺が言い出した。
「二宮くん。気を悪くしないでね。」

ん・・・?

「二宮くんの部屋にいる・・・。友達・・・。」

ドキッ・・・。悟のことだ。

「な・・・なによ?」
やばい。少し声がかすれたかも。

944: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:39:42.36 ID:.9JUFcDO
あ…あ…(´;ω;`)

946: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:39:57.76 ID:yGxWd0Qo
うああああああああああああああああああああああああ

947: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:39:58.00 ID:GJYMve20
やめろぉー

948: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:40:02.14 ID:yc6hRAUo
うわああああああああああああ続きがみたいけどみたくない
この気持ちはなんなの

974: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/27(金) 19:42:49.96 ID:igSjZhIo
「あまり・・・良くないと思うんだ。やっぱ・・・」
渡辺が慎重に言葉を選んでいるのが分かる。

「まりあちゃんと部屋を・・・。行き来してるみたい。
私が見たのは1回だけど・・・。
なんとなく多分・・・。そんな感じがする。」

かなり言いにくそうだが、渡辺の言いたいことは分かった。

例え見たのが1回でも、渡辺なりに何か感じるところが
あったのであろう。女の勘というやつだろうか。

俺は急に目の前が、真っ暗になるような絶望感に襲われた。

「うん・・・。」
俺にはその一言を返すのが精一杯であった。

975: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:43:15.15 ID:ePLooRQ0
やっぱり渡辺はいい子

976: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:43:20.39 ID:8x/OoFw0
ぐぁぁぁああああああぁ

985: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:44:30.80 ID:Xs1HoV6o
胸が....胸が苦しいんだぜ...

986: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:44:33.65 ID:.9JUFcDO
胸が痛い
自分の事じゃないのに痛い。

999: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/27(金) 19:45:37.51 ID:Xs1HoV6o
1000ならみんなに幸せな未来




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1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年05月31日 12:00 ID:kidanmatome