>>1乙カレー
二宮きてたんだな...またニアミスしたぜ

ところでイラストとかって需要ある?
今返事待ちで手が空いてるからあるならつくるお

23: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 13:32:44.04 ID:QGY1UZQ0
>>22
是非お願いします

47: 22 2008/06/24(火) 15:16:36.06 ID:R9A1L.Ao
まず最も整った顔立ち(であろう)渡辺イメージ
no title


のこりは順次投下するお




48: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 15:28:50.49 ID:dQyz6ro0
>>47
質問したら答えてくれそうな感じの絵柄がステキ

49: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 15:30:18.81 ID:VTEke..0
>>47
まりあたんまりあたん!!はあはあ

50: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 15:41:34.77 ID:angiLF60
>>47
これは期待せずにはいられない!!!

58: 22 2008/06/24(火) 16:36:40.88 ID:R9A1L.Ao
>>48 
するどい。FAQ依頼の絵が元だ

ではまりあたん
no title

62: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 16:51:35.67 ID:Nl0ZHyYo
>>58
髪型が違うだろ・・・

つうか
まりあ=いちご100%の西野(大人バージョン)なんだぞww

71: 22 2008/06/24(火) 17:39:02.94 ID:R9A1L.Ao
>>62
そんな設定なのか?

まいーやとりあえずまりあたん修正投下
no title

72: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 17:44:19.75 ID:NzvKyGEo
>>71
いいぞ、もっとやれ。

もう少しだけ髪長く。
それから露出も少なく。
渡部とは服の色変えたほうがよくね?
もっと淡い色を着るイメージ。

84: 22 2008/06/24(火) 18:54:23.65 ID:R9A1L.Ao
なんか不評みたいなのでこれでおしまいwww
てかぶっちゃけこれが描きたかっただけw
no title


長々つきあってくれた香具師乙w


86: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 19:02:12.54 ID:BEVurM2o
なかなかいいじゃないか

87: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 19:09:08.82 ID:dQyz6ro0
>>84
嫌いじゃないぜ

89: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 19:09:18.78 ID:Fi23a5Qo
>>84 油田もまともすぎ 市ね

90: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 19:10:09.98 ID:tnrV2IUo
>>84
これを見る限り 二宮くんも僕に気があるんだな っと

      。 ,. -ー冖'⌒'ー-、         リサーチ完了!
       ,ノ         \
       / ,r‐へへく⌒'¬、  ヽ
       {ノ へ.._、 ,,/~`  〉  }     
      /プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く      
    ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}       
   / _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ        
  ,/ └' ノ \   こ¨`    ノ{ー--、___
  人__/ーー 个-、__,,.. ‐'´ 〃;`-ー-ー\
. /::::::::::::|/::::::::::::、       〃::::::TG::::::::::::::ヽ

91: 本日、六月二十四日は全世界的に、UFOの日です 2008/06/24(火) 19:12:13.41 ID:PTbJt6Ao
>>84
いやいや、良かったよ、オレは好きな絵だ

できれば二宮の意見を聞いてそれを反映してほしいなwwww

93: 22 2008/06/24(火) 19:21:23.96 ID:R9A1L.Ao
キライじゃないと言ってくれたやつサンクス
テラウレシスwwwww午後潰して描いた甲斐あったw
いい加減仕事しないと納期ヤバいw
だからそろそろ落ちるwwwwwパー速でヨカタw

>>91
多分今日は徹夜で仕事だからここ覗けないww
よかったら誰か二宮に聞いといてくれw

215: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 07:22:41.12 ID:KQ5xjk6o
流れはごく自然に生まれた。

まりあの肩を抱く。
手がブルブルと震えた。
必死に震えを押さえようとしたが、それは止められなかった。

状況を理解したのか、まりあがスッと目を瞑った。
まりあも小刻みに震えていた・・・。

唇をそっと重ね合わせた・・・。

それ以上のことは何も無かった。

俺は自他共に認める、チキンハーターなのである。
でも俺は幸せだった。

今にして思えば、この時が公私ともに絶頂期だった。
しかし俺はこの後、ズルズルと転落していく。

公私ともに・・・。

234: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 08:40:53.60 ID:KQ5xjk6o
第14章 渡辺の大失敗

季節はすっかり秋になっていた。

その日は久しぶりに川田さんと居酒屋で飲んでいた。

この当時の俺は、川田さんのディレクター業務の50%を奪っている状態だった。

会社とプロデューサーは、当然外部に流れる経費を抑えたい。
そのためには月給制の内部ディレクターを使いたい。

しかし内部ディレクターは、プロデューサー同士で奪いあいになる。
経費削減は、プロデューサーの大命題であるからだ。

しかもこの当時、うちの会社は慢性的なディレクター不足であった。

そんな状況から、運良くではあるが
デビュー作を創った、俺にも序々にディレクターの仕事が増えてくる。
もちろんパブのような簡単な仕事である。

236: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 08:56:38.33 ID:KQ5xjk6o
当然、制作部の同期だって死に物狂いで頑張っている。
ただ彼らがデビューしていないのは、担当番組がパブのような簡単なものではなく
長尺物(放送時間が長い番組)だからである。

そうなると最初の1本はなかなか創らせてもらえない。

俺がディレクター業務を出来たのは運である。
実力では全くない。

余談だが、いくら簡単な作品とはいえ
入社半年でディレクター業務が出来るのか?
そう思う人もいるだろう。

答えはYESでありNOである。
ディレクターはライセンス職業では無い。
ここからディレクターになったという線引きはない。

ADでも演出をすれば、その現場ではディレクターだ。
その逆もまたしかり。

結局はどれだけディレクションの数が多いか?その割合にしか過ぎない。

部長昇進や課長昇進のように
「君は今日からディレクターです」と
言われてなるものではないのだ。

簡単な仕事でもなんでも、1本やってしまえばディレクターを名乗ることは出来る。
(そんなヤツは実際にいないが)

早い話がみんな全て「自称ディレクター」の世界である。

あの堤幸彦だって、食うに困ってADをやれば、その現場ではADだ。
(実際にそんなことは、まず有り得ないが)

242: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:06:57.72 ID:KQ5xjk6o
そして当時の俺は、以前にも増して大忙しであった。
パブのディレクター。川田さんのAD。中継の仕事。
その他、人手不足の番組の手伝い等々・・・。

そんな状況であったので、川田さんと顔を会わす機会も減っていく。
この日は本当に久しぶりに、川田さんと飲んだのである。

まずは乾杯。川田さんはピッチが早い!
俺も必死に付いていく。
この人は俺が同じ量の酒を飲まないとスネてしまうのだ。

俺は彼女が出来たことを、川田さんに報告した。

「マジかよ。仕事忙しいくせにお前もスケベだね~。」
ニヤニヤしている。

そして当然のごとく
「写メ見せんか!コラッ」と言われた。

この業界において、縦の関係は絶対である。
俺に断る権利は無いのだ。

素直に写メを見せる俺。

川田さんは驚いた表情で
「マジか!?お前がこの可愛いねーちゃんとかっ!!」
かなり動揺しているな・・・。

243: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:08:20.56 ID:fiCBIAEo
ニノ、投下の合間にでも
今見れるイラストの感想を教えてくれまいか

244: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:10:02.95 ID:KQ5xjk6o
>>243
うん。見たんだけどね。
なんか削除なってたよ。

だから見れなかったんだ。

246: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:11:34.88 ID:fiCBIAEo
>>244
>>84の絵は見られない?

249: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:16:34.99 ID:KQ5xjk6o
お・・・見れたww
俺がオダキリジョーみたいになっているww

251: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:17:59.99 ID:KQ5xjk6o
これはこれでいいと思うよ。
特徴は捉えていると思う。

でもリアルに近いほうがいいかな?
それなら情報提供しますが・・・。

253: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:19:18.30 ID:fiCBIAEo
>>251
おれは絵師じゃないけど
これから描く人のためにおねがい


256: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:22:55.88 ID:KQ5xjk6o
>>253
えーと。
まず油田は黒髪で、センターワケのストレートです。
髪がペタッとしてる感じかな。
あと顔は下膨れですね。
メガネは大きめの銀縁で
背は低いですよ。

まりあはだいたいそんな感じっす。
だたあのショートなんてんだろ・・・。
俺髪型詳しくないから
探してきます。

258: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:26:56.13 ID:KQ5xjk6o
安倍なつみみたいなストレートで
黒いバージョンです。


259: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:29:04.50 ID:zeostnIo
>>258
おれのイメージどおりだwwなんかうれしいww

260: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:30:22.54 ID:zIigu8Io
二宮が書いてくれた、各登場人物の特徴は
是非、テンプレに載せたいね

261: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:30:49.44 ID:KQ5xjk6o
あと俺も黒髪センター分けです。
ストレートの少し長め。
両サイドが耳まで隠れるくらい・・・。
油田くんよりボリュームありww

ナベは髪長いですよ。
肩甲骨くらいまであるかな。
茶色で・・・。
髪は画像みたいに束ねていること多いです。
ただアイツは、髪型コロコロ変えすぎて
当時はどんなだったのか覚えてないですww

262: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:32:23.21 ID:KQ5xjk6o
>>260
無茶無茶
話言葉で書いていますがいいですか?

以前にまりあは大塚愛って書いたけど
安部なつみの方が近いかもですね。
こうやって見てみると。
顔丸いし・・・。

267: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:43:00.03 ID:KQ5xjk6o
下ネタ好きの川田さんだ。次の質問は決まっていた。
「もうカイた(ヤッた)?」
目は意外とマジである。

「いえ・・・。まだカイていません。」

「パイオツはどうなんだ?ちゃぃちいのか?(おっぱいは小さいのか?とい意味)」
                   ↑
これは川田さん言っていません。俺が業界用語で遊んでみましたww
こんな化石の様な、業界用語を言う人間いないですww

「いえ。パイオツは・・・でかい・・・です。」
実に素直な後輩といえよう。

散々下ネタで盛り上がったところで
ふと川田さんが真顔になった。


268: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:43:50.34 ID:qmf5reI0
どうした川田さん

272: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:49:18.80 ID:KQ5xjk6o
「ところでよぉ。二宮・・・。」
「はい」

「俺は今度、フリー集めて会社興すんだわ」
「へぇー。そうなんですか?」

よくある話だ。

1人でやるより、お互いが仕事を持ち寄れば
その分仕事の幅は広がる。
人数が多ければ、大きな仕事も請けやすい。

ただフリーはプライドが高く、気分屋も多い。
それを1つにまとめるのは大変なことだ。

川田さんにしては、珍しくためらいながらこう言った。
「それで・・・。お前、俺の会社に来ないか?」

「えっ・・・・!!」
俺は絶句した。

まさか自分にそんな誘いが来るとは、夢にも思っていなかった。

「お前を引き抜いたとなると、俺もお前の会社の仕事はもうできねぇ。
それでもお前・・・。来ないか?俺んとこ」

274: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 09:52:10.53 ID:LEnN4/6o
入社1年目を引き抜こうとするとは
冒険家だなあ

276: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 09:57:12.56 ID:KQ5xjk6o
>>274
本当だよね。
この時の川田さんは
俺を戦力としては見てなかったと思う。

だた本当に可愛がってくれて・・・。
「あんな会社ダメだよ。
俺がディレクターにしてやんよ!」

っていう師匠の愛情だったと思う。

278: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:02:23.86 ID:KQ5xjk6o
正直嬉しかった。
めちゃめちゃに嬉しかった。

自分の利益を削ってでも
こんな新人の俺を、欲しいと言ってくれたのだ。
俺を拾ったところで、数年は戦力にならない。

それを承知で、川田さんは俺を誘ってくれたのだ。
そんな気持ちに応えたい。
なんていっても川田さんは、俺を蘇生させてくれた恩人だ。

そして師匠だ・・・。

しかし・・・。

俺はまだまだ、あの会社で勉強したいことが山ほどあった。

それに・・・。
川田さんに付いていくには勇気がいる。
ある程度の安定した会社を離れるのだ。

川田さんには失礼だが
川田さんの会社が成功する見込みは、今のところ全くわからない。

そして・・・。
おふくろだ。
俺の就職が決まった時、あれだけ喜んでくれたおふくろ・・・。
おふくろのことを考えても、今は会社を辞める時期ではない。

281: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:03:45.65 ID:mUZxtADO
つらいお

282: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:04:42.59 ID:Zd3Xaxg0
ニノおはよう!

一昨日ツレ達と酒飲んでたらその中の一人が「今すげーオモロなスレある」
って言い出してさ。
聞いたらニノのことだったよ。
「俺も読んでるぜ!仕事中に!」
って言ったらそこから2時間ぐらい話止まんなかった。

たぶん俺らみたいにみんなで盛り上がってる奴はいっぱいいると思うし、
一人で毎晩楽しみにしてる奴もいるだろうし。
まじでみんなわくわくしちゃってるんだって!!!

これから折り返しだって言ってたけどマイペースでたのむぜ。
仕事に支障きたさない程度でな!!

大学時代の友達も都内で制作会社にいて死んじまいそうなくらい
仕事きついって言ってたからニノも大変だろうと思うし。
無理スンナよ


リアルタイムで読んでるの最初のスレ以来だから
つい書き込んでしまった。
長くてスマソ<(_ _)>

ちなみに俺はまりあよりも彩さん派!

287: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:07:39.10 ID:KQ5xjk6o
>>282
そんなことあるんだ!!
すごいビックリした。
すごいね。
純粋に驚きました。

そだね。体には気を付けるね。ありがとう
(これは今で、俺の体気遣ってくれた全ての人に!)

289: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:09:00.22 ID:KQ5xjk6o
俺は居酒屋の床に正座をすると、深々と頭を下げた。
「すいません。川田さん!今の会社に残らせて下さい!」

縦の関係が絶対であるこの業界において
先輩であり、師匠である川田さんの誘いを断るのだ。

これ位は当然の礼儀である。

川田さんは焦ったように
「お前なにやってんだよ。分かったよ。はよ立て。
みんな見てんだろ。恥ずかしいじゃねーか」と言って
俺を引っ張り起こしてくれた。

そして川田さんは忠告してくれた。
「お前は大事な時なんだ。今の会社で全力でがんばれよ!
んで、こんな時期に落とし穴があるんだ。それに気を付けろ。」

この川田さんの忠告は、後に的中する。

そしてこの時
川田さんの誘いを断ったのは、結果的に失敗であった・・・。

291: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:10:38.95 ID:LEnN4/6o
>>289
なんだと・・・?

297: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:14:36.43 ID:KQ5xjk6o
仕事というものが、俺の中で大きく変化している時期であった。

俺も渡辺も、そして他の同期も
もはやミスを起こしても、新人では許されない時期にきていた。

そんな中で、渡辺が大失敗を起こしてしまう。

その日、俺がポスプロから帰ると制作部の同期が近づいてきた。

「渡辺がなんかすごいミスをしたようだよ」と教えてくれた。

まずは彼氏に報告といったところか。
彼氏ではなく、ただの隣人なのだが・・・。

「ミスってどんなミス?」
俺は驚いて聞いてみた。
あの冷静沈着な渡辺が、そんなに大きなミスをするとは考えにくい。

「よく分からないけどラッシュ(撮影済みテープ)をダメにしちゃったみたい」
この同期も、事情は詳しく分からない様子だ。

俺はすぐに技術部にいった。

あの同期の言ったことが本当なら、大変な事態である。
この業界において、ラッシュは命ほど大切なものである。

まだ詳しい事情は分からないが
もしこの話が本当であれば
間違いなく取り返しがつかないミスだ。

304: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:25:50.31 ID:KQ5xjk6o
しかし技術部の部屋に、渡辺の姿は無かった。
俺はそこにいた、技術部の同期を捕まえて話を聞いた。

「渡辺がラッシュをダメにしたって本当なの?」

そいつは事情を詳しく知っていた。
「うん。海水につけちゃったらしい・・・」

話のあらましはこうである。

その日渡辺は、ディレクター孤高の天才田畑さんと、
カメラマンは、恐怖の大宮さんというメンバーでロケに出ていた。

俺ならばそんなメンバーでのロケは、丁重にお断りしたいところである。

某大物タレントを使ったロケであった。
タレントが絡むシーンを全て撮り終わり
タレントをバラした(先に帰すこと)後、インサートカット(情景や差し画)を撮影していた。

場所は海辺の防波堤で、日の入りのシーンだったという。
大宮さんが「ニューテープを出せ」と渡辺に指示。

渡辺が慌ててリュックから、ニューテープを出そうとした瞬間。
リュックの中の荷物がバラバラと海の中へ落ちた。

その中にラッシュが混じっていたそうだ。

海水から拾い上げたテープを引っ張り出し
布で拭いたそうだが、そのテープから映像が映し出されることは無かった。

305: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:26:59.15 ID:JD7cMHco
入社したばかりのミスは数万でも
仕事を任されるようになれば
ミスが数十万、数百万なんてのは
ザラだからな
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

309: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:28:37.99 ID:etzb9gAO
うわぁぁ 渡辺やっちまったな…

310: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:29:14.75 ID:qmd0G1w0
ああああああああああああああああああ
渡辺…渡辺…渡辺ぇぇぇぇぇぇっぇぇ!!!

316: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:33:23.25 ID:KQ5xjk6o
渡辺はすぐにテープの発売元に電話にをした。
事情を説明して返ってきた答えは
「海水は無理ですね・・・。真水でも相当厳しい状態です」
という切ないものであった。

責任感が人一倍強い、渡辺の心境を思うと胸が痛む。

とにかくこうなってしまった以上
考えられるのは再撮影である。

しかしタレントのスケジュールは押さえられるのか?
相手は大物である。
スケジュールはビッシリであろう。

しかしこっちにもO.Aがある。
テレビ番組はどんなにあがいても、納品を延ばすことが出来ない商品だ。

それに間に合うように
タレントを押さえるのは、かなり難しい作業と思える。

奇跡的に押さえたとしても、二重のギャラが発生する。
責任は全てこちらにある。当然のことだ。

しかしこれも頭が痛い。
完全に予算オーバーとなるだろう。

315: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:31:36.68 ID:k1pcCBUo
早くしろよ
とか急かされると、急に注意力散漫になってしまうよな

うるせーな、ちょっと待ってろボケ
くらいの大物だとそうでもないかもしれんが…


渡辺いい奴なんだろうな…
一生懸命サポートしようとして
ちょっと焦っただけなんだろう

320: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:34:27.19 ID:KQ5xjk6o
>>315
日の入りは止められないからね。
大宮さんも早目のテープチェンジをするべき
だったと思う

324: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:38:06.16 ID:KQ5xjk6o
しかも最悪なことに
そのラッシュには大宮さん渾身のカットが入っていたそうだ。
特機(特殊機材)を多用し、何日も前から準備をしていたという。

撮影は基本的に最初が1番良い。
インタビューひとつでも
最初と2回目では、タレントやスタッフのノリが違う。

いくらプロでも「あーあ。やり直しかぁ」という気持ちはどうしても抑えられない。
長時間掛けて撮影をしたものと、全く同じことをするのだ。
無理もないだろう。

そして天候もあれば、全ての条件が最初と同じになるは難しい。
映画ならば日待ち(太陽が出るの待つ)もするが
番組ではなかなかそうもいかない。
どうしても、最初の方が良かったというカットが出てくる。

それらのことを考えれば
これは俺の起こしたミスにも匹敵する。

俺は今の渡辺の立場を考えると、胃がキリキリと痛んだ。

その時、渡辺が技術部の部屋に入ってきた!

336: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:46:23.64 ID:KQ5xjk6o
顔面が蒼白である。
俺はこんな渡辺を見たことが無かった。

「渡辺・・・。お前ラッシュ・・・」
渡辺はかなり無理な笑顔をつくる。

無理しなくていいから!
別に笑わなくてもいいから!!

「うん・・・。大丈夫・・・だよ」

そういって渡辺は、持っていた荷物をロッカーに入れると
「なんか会議をするみたい・・・。スタッフで。行かなきゃ・・・」
そう言って部屋を出ていった。

会議・・・。それは事態の深刻さを物語っていた。

渡辺の問題は、会社レベルにまで発展している。

悔しいが俺のような新入社員には
力になれることが何もが無い。

俺は自分のデスクに戻ると
メールの受信に気づいた。まりあからであった。

「今日ゎぉ仕事ぉそぃですカ?(’ー’*)ノ」

337: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:47:10.19 ID:/Nuqy5U0
まりあw

338: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 10:47:35.31 ID:qmd0G1w0
まりあwwwwwwかわいすぐるwwwwww

353: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 10:54:27.23 ID:KQ5xjk6o
仕事はヒマでもなければ忙しくもない。
帰ろうと思えば21時には帰宅できる。

俺は渡辺が心配であった。
なんとか励ましてあげたかった。

しかしそれをまりあの誘いを断る理由にするのはおかしい。
付き合って下さいと、お願いしたのはこの俺だ。
ずっと大切にすると、心の中で約束したはずだ。

しかもここ最近は、仕事の忙しさですれ違いが多く
ゆっくりと会うこともあまり無かった。

俺はまりあに「21時に帰ります」とメールを送った。

「(o・。・o)りよぉーかぃ♪シ(*^・^)CHU~☆つくってまってます(≧∇≦)ノ」

シ・・・チュー・・・かな?

361: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:00:44.10 ID:OEkNbKoo
このメールって残ったメールそのまま書いてるの?
それとも二宮が思い出して書いてるのかね?

364: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:02:30.38 ID:KQ5xjk6o
俺はまりあが待ってくれている喜びを感じていた。
仕事の終わり時間を、メールするなんて・・・。
まるで新婚カップルのようではないか!

しかしそんなことはどうでも良い。
いま心配なのは渡辺である。

渡辺の話は今晩、部屋を訪ねて聞いてみることにした。

「おかえりなさい!」
部屋に行くと、まりあが満面の笑顔で出迎えてくれた。
仕事の疲れが一気に吹き飛ぶ。

更には、またしてもエプロンなんぞをしてやがる。

可愛すぎてムカつくという感情を、俺はこの時はじめて体験した。

ビールで乾杯をしたあと
俺たちはまりあが作ったシ(*^・^)CHU~☆を食べた。

まりあの作る料理は、カレーに限らず全てが美味かった。
おふくろの作る料理にすら肉迫している。
これは将来が末恐ろしいミスター(ミス)味っ子であるといえよう。

367: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:05:38.29 ID:KQ5xjk6o
>>361
大体の記憶ですね。
メールは毎日見てたし完全にコピーできますね。

とりあえず母音は小文字。
「か」はなぜか「カ」

シ(*^・^)CHU~☆は記憶に残っていたものです。
ただし顔文字はコレと違うと思います。

こんな感じですかね。

372: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:11:11.07 ID:KQ5xjk6o
「光輝くん明日は早いの?」
そう言ってまりあが俺の前に麦茶を置いてくれた。

「明日は早朝ロケだよ。5時起き」

「大変だね。起こしてあげようか?」
この夫婦のような会話が実に喜ばしい。

「いや。いいよ。まりあも眠いだろうし。寝てな。」

俺はロケなら、どんな時間でも1人で起きられる。
逆に3日ほど寝ていなくても行ける。
業界の人は、みんなそうだろうが・・・。

「う~ん。でも起こしてあげるね!」

う~ん。カワユス・・・。

「今日は早く寝なきゃだね」

「そだね。そろそろ部屋に帰って寝るよ・・・。」

俺は渡辺の部屋を、訪ねることを黙っていた。
特に大きな理由はない。

完璧主義の渡辺のミス。
それをまりあに話すのが、渡辺に申し訳ないような気がしたのだ。
俺が逆の立場でも、やっぱり黙っておいて欲しい。

「ごちそうさま」
そういって俺は立ち上がった。

374: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:13:43.57 ID:SBscRgMo
>>372
今までの流れだと

二宮渡辺の家へ

まりあ目撃or油田が目撃でチクル

まりあ誤解

(ry

油田様がきっと何かやってくれると俺は信じてる!

378: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:16:43.43 ID:KQ5xjk6o
「明日がんばってね!」
そういうとまりあは、俺にキスをしようとしてきた。
自然にしているようだが、なんとなくぎこちない。

よくドラマなんかで観る
「行ってらっしゃい!アナタ♪」チュッ♪
ってのを再現したいのだろうが・・・。

まりあは俺の唇の位置を、ロックオンするのに手間取り
それを外さないように、ソロソロと唇を近づけてくる。

俺も
「キスが来るっ!」と
どうしても分かってしまう。

でもそんなまりあのキスは可愛かった。
俺は自分の唇と、まりあの唇が触れるのをジッと待った。

382: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:18:50.39 ID:qmd0G1w0
ラブラブタイム…ラブラブタイムなんだ。
でもラブラブタイムが、逆につらくなってきたお…。

386: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:21:42.22 ID:KQ5xjk6o
「おやすみ。ごちそうさま。」
そう言って俺は302号を出た。

そしてその足で304号のインターホンを押した。
自分だけが浮かれているわけにはいかない。

同期が苦しんでいるのだ。
俺には何もしてあげることは出来ないが・・・。

「はい・・・?」
304号のドアホンから渡辺の声が聞こえた。
よし!帰っている。
「二宮だけど。ちょっと話があって・・・」

すぐに304号のドアが開いた。
「二宮くん・・・」

渡辺の顔色は、会社で見て時よりも幾分良くなっていた。
しかし元気がないのは、ありありと分かる。

「とりあえず中にどうぞ」
そういって渡辺は俺をリビングに入れてくれた。
向かい合って座る。

388: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:24:15.65 ID:qmd0G1w0
ニノのその優しさがツライ…。
部屋のハシゴとか…どんだけ…。
「とりあえず中にどうぞ」とか言葉ジリだけ捉えてパンツ脱ぐ俺どんだけ…。

390: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:26:51.11 ID:KQ5xjk6o
「どうだった?会議?」
おれは少し遠慮気味に聞いてみた。

「うん・・・。とりあえず制作さんが、再撮影の準備を進めてくれる・・・。」
そうなのだ。
この業界で技術のミスは、最後に制作に廻ってくる。

自分でどうにか出来れば、渡辺も少しは気が楽だろうが・・・。
しかし技術の人間に出来ることは、撮影現場にしかないのだ。

「少しは元気・・・出た?」

「うん・・・。でも元気は・・・ないかな・・・。」
渡辺の弱気な発言は極めて珍しい。
そうとう落ち込んでいるのが分かる。

「落ち込むなよ。リュックから荷物が落ちたんだろ?
それは不注意といえばそれまでだけど・・・。仕方ない部分もあるよ。」

俺の言葉を聞いて、渡辺は静かに首を横に振った。
「私がね。落ち込んでいるのは・・・。もっと別の部分・・・。」

なんだろう??

394: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:29:56.30 ID:zxG7r8w0
なんだ?

406: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:33:37.62 ID:KQ5xjk6o
「テープがね。海に落ちた瞬間・・・。
私ね、一瞬体が固まったの。どうしよう!!ってね。」
そりゃそうなるだろう。

「でもね・・・。田畑さん早かった。次の瞬間には海に飛び込んでいた。
きっと考えるよりも先に、体が動いたんだね。
もちろん田畑さんの携帯は壊れて、財布もズブ濡れ・・・」

あの人ならあり得る。
あの天才が1本の作品に掛ける執念は異常なくらいだ。
それは一緒に組んだことのない俺でも分かる。

「私ね。甘いなって思ったの。
作品に掛ける情熱が田畑さんの足元にも及んでいない。
自分では頑張っているつもりだったけど
私はやっぱり作品をそこまで愛していなかった・・・。」

渡辺は小さな声で言った。
「それがね・・・。悔しいの・・・」

真面目過ぎるよ。渡辺・・・。

408: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:34:56.37 ID:S2Riyak0
なんて真面目なんだwwwww
おまえらの予想とは大違いだwwwwwww

410: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:36:30.80 ID:AjkRE.I0
田畑さん男気ありすぎだろ

412: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:38:19.15 ID:SBscRgMo
作品に掛ける情熱や愛が合っても
実際のその現場で海に飛び込める人間なんて
ほんの一握りなんだろうけど

・・・実際それを目の前で見ちゃうと悔しさが出てくるだろうな

413: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:38:37.49 ID:KQ5xjk6o
あの田畑さんのテンションで、1本の作品に向き合うなんて
誰にもできないよ。
少なくともあの会社では誰もいないよ。

それに制作と技術では、仕事の形態が違いすぎる。
制作は作品の生い立ちから、O.A終了までが仕事だ。

その中には様々な工程がある。
その工程の中で、技術が関わる部分は撮影現場だけである。
制作と技術で、1本の作品に対する情熱が変わるのは仕方がないことだ。

渡辺の心意気は素晴らしいと思う。
でもそれはあまりにも無理があるよ。

「渡辺。お前疲れるぞ・・・。その考え方は」

渡辺は下を向いて
「そうかもね・・・。」
と呟いた。

俺は最後に
「元気出せよ・・・。」
そう言って立ち上がった。

渡辺は
「ありがとう・・・。」
と言って考えこんでいた。

俺はソッとリビングを出て
304号の部屋のドアを開けた。

その瞬間、302号のドアも同時に開いた。
中からは当然、まりあが出てきた。

俺とまりあの目が会った。

415: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:39:14.52 ID:qmd0G1w0
ギャアァァァァ━━━━━━(゚Д゚|||)━━━━━━!!!!!!

426: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:44:11.94 ID:KQ5xjk6o
今にして思えば、円滑に回っていた公私の歯車が

少しずつ・・・。

少しずつ・・・。

ズレ始めたのは、この瞬間からだったのかもしれない。

まりあがキョトンとした顔で俺を見ている。

やばい・・・。
何か言わないと。
やばい・・・。

俺はまりあの部屋を出る時に、すぐに寝ると嘘をついていた。

「・・・なんで?」
先に口を開いたのはまりあだった。

俺はついとっさに
「渡辺を慰めようと・・・」と言いかけて言葉を飲んだ。

そうだ。
今回の渡辺の件はまりあには話していない。
いや。話しちゃいけないんだ。

428: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:46:21.57 ID:O2.MCMAO
バカwwwwwwwwwwwwちゃんと言えよwwwwwwwwww

430: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:46:45.37 ID:KQ5xjk6o
「仕事の打ち合わせ・・・。」
出た言葉は我ながら嘘臭かった。

仕事の打ち合わせなら、会社ですればいい。
会社で出来なければ、電話ですればいい。

時間は23時。

同期とはいえ
1人暮らしの女の子の部屋に行って、話す時間では無い。

何かを考えている表情のまりあ。

しばらくの沈黙があった後
「そう・・・。私コンビニ行ってくる。おやすみなさい」

まりあそう言ってエレベーターに姿を消した。

433: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:49:47.85 ID:SBscRgMo
明らかにウソだとわかるウソは(ry

付き合う上で相手を不安にさせちゃいけないよ

不安に・・・・。・゜・(/Д`)・゜・。うわぁぁぁぁん

435: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:49:49.59 ID:zogrSako
ちゃんと説明しなくちゃ伝わらないんだよな。
若い時はそれがわからない。

想いは言葉にしいと伝わらない。
言葉は相手に伝わらなければ意味が無い。

「起きれなかったら起こしたことにならねえよカーチャン!!」
と同じ理屈なんだよ。

437: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:51:16.68 ID:SQJpKxY0
部屋までいって慰めるっていうのはなぁ・・・
まりあが逆にそんな事してたらつらいって思うもんだけど
ニノの気持ちもわからんでもないww

439: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:52:41.61 ID:X0Ms2G60
女の子ってそういう些細な事でも凄く
不安で仕方なくなるんだよね(´・ω・`)

440: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:52:51.04 ID:b8ktzao0
ニノのチキンハート炸裂だな

441: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 11:52:52.71 ID:fKHKzEDO
なぜ本当のことを言わなかったんだ・・・!

448: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 11:58:37.02 ID:KQ5xjk6o
第15章 地獄の1丁目

暦は師走に入っていた。
社会人になって、初めての年末を迎える。

あの夜以降、まりあからのメールは増えた。
でもまりあは決して、俺と渡辺の関係を追及してくるこなかった。

メールは全て他愛のないものであった。
この時のまりあは、俺との関係が心配であったのかもしれない。

俺は仕事の合間を見つけてはメールを返した。

出来る限りは・・・。しかし・・・。

この時の俺の仕事量は、尋常では無かった。

1本の作品が終了間近→次の仕事が入る。
それが終了間近→次の仕事が2本入る。
その2本が終了間近→次の仕事が4本入る。

こなせばこなしていくほど、仕事量はねずみ講のように増えていった。

頼まれた仕事は、大小関係なく全て受けた。

若さかなのか?これが経験というものなのか?
仕事量は完全に、俺のキャパシティを超えていた。
それに気づいていなかった。

次第にまりあへの返信が困難になっていった。
その数は序々に減っていた。

453: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:07:55.72 ID:KQ5xjk6o
みんなお昼かな?
俺も10分ほど休憩しようかな。
さすがに当時を思い出すと
吐き気がしてくる・・・。

458: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:09:23.59 ID:Zd3Xaxg0
確かニノ昼から仕事じゃなかった?

461: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:14:34.60 ID:1RVMS2Qo
>>453
10分て少なっww ゆっくり休みなよ

465: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:17:57.59 ID:KQ5xjk6o
ただいま。
>>458
ううん。今日は1日家だよ
>>461
うん。ありがと。区切りいいとこまで頑張ってみる。


475: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:25:05.53 ID:KQ5xjk6o
今にして思えば早々と、ギブアップすれば良かったと思う。
しかしなまじ若いので体力がある。

睡眠時間を5時間から4時間。
そして3時間と減らしていき、仕事をこなしていく。

もはや何も見えていなかった。
俺はいま抱えている仕事をこなすことだけに全力だった。
とにかくそれが、一人前のディレクターになる道だと信じていた。

さすがにそんな俺の状況を、心配してくれる先輩もいた。
「そんなペースで仕事をやっていたら潰れるぞ!」

しかし当時の俺は、そんな言葉に耳を貸さなかった。
聞く耳も持たず、一心不乱に仕事をした。

まりあと会う時間は極端に減少した。

この頃になると、川辺や遊園地でデートをしていたのが
遠い昔のことのように思えた。

この時期は隣に住んでいながらも、まりあの顔を見ることは無かった。
家に帰らないのだから当然である。

477: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:27:22.64 ID:DnRzCGA0
今更ながらニノ乙

仕事覚え初めて、自分の時間も忙殺されるような時期って仕事に達成感とか楽しさも感じちゃってるんだよな。
で、若くて体力もあるからボンボンこなす→大きな意味で自己管理できずに体力とかプライベートを食いつぶしちゃってたのかなと思う

478: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:28:19.88 ID:JD7cMHco
若い時っていうのは、
仕事もがんばるし、仕事中も彼女からメールが
くればがんばって返信してしまうよな。

でも、彼女には仕事中は基本メールもできないし
電話も出れないって言っておかないと
あとあと大変になるんだよなぁ。

ニノも若さ全快って感じだもんな。

479: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:28:44.13 ID:KQ5xjk6o
帰ったとしても1週間に1回。
それもシャワーを浴びて
着替えを用意すれば、すぐに会社へ戻る。
2週間1度も帰らないこともあった。

それでも俺のまりあに対する、愛情が薄れていたわけではない。

いま抱えている仕事さえ終えれば
まりあと会う時間を確保できると思っていた。

しかし仕事は、無くなるどころか増えてゆく一方だった・・・。

そんなある日、女性プロデューサーの白井さんが声を掛けてきた。
「二宮くん。長尺物のディレクターしてみない?」

俺は即答だった。
「はい!やらせて下さい」

狂っていたとしか思えない。
今の状態でどこに、長尺物のディレクターをやる余裕があるのだ?

480: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:29:33.83 ID:qmd0G1w0
ニノが壊れる…。

481: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:31:09.92 ID:DnRzCGA0
ヤバイフラグを片っ端から立ててやがるwwwwwwwwww


>>480
誰もが通る道かと

482: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:31:30.58 ID:O2.MCMAO
これは…死亡フラグ?!




先に言っておくと…
白井さんは俺の嫁

484: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:33:27.81 ID:XKR/1IUo
まりあをもっと大事にしてくれぇぇぇぇぇぇ

486: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:35:37.62 ID:KQ5xjk6o
しかし俺は、そんなことなど考えていなかった。
短尺物しか経験していない俺には、長尺物は魅力的だった。

しかもディレクターをやらせてもらえるのだ。
これは俺に巡ってきた大チャンスだと思った。

「二宮くん長尺やったことないから、私もフォローするから」
この言葉で俺はかなり安心した。

大丈夫だ!できる!
睡眠時間を3時間から1時間に削れば
1週間に21時間確保できる。

当時の俺は、本気でそんなことを考えていたのだ。

しかしこの長尺物の仕事を受けたことが
地獄の1丁目への入り口だった。

487: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:36:36.20 ID:KQ5xjk6o
>>482
いいの?定年間近のおばさんだよww

488: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:36:55.80 ID:JD7cMHco
>>485

ちょww

スペック聞く前に嫁ってwww

492: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:39:21.93 ID:KQ5xjk6o
この長尺物の番組は、15分の旅番組である。
1週間に1度のO.Aで、リポーターが色々な場所を訪れ
地域の人々と触れ合い、その土地を紹介していくものだ。

番組名を仮に「旅日記」としておこう。

俺の担当O.Aは来年1月の末週であった。
まだまだ時間はある。
なんとか旅日記の制作期間に入るまでに
他の仕事のメドを立てなければ。

なにせ初めての長尺物だ。
時間にゆとりが欲しい。
構成や制作手法を勉強するのにも時間がいる。

しかしそんな俺に追い討ちを掛ける事態が発生した。

493: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:39:42.17 ID:q8PTrtQo
>>486
それだと寝ない計算だぞww

495: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:41:16.49 ID:KQ5xjk6o
>>486
これは・・・・。掛け算間違っている。
いや・・・。引き算だ・・・。

睡眠時間を3時間から1時間に削れば
1週間に21時間確保できる。

一週間に確保できるのは14時間・・・うはっ!!

498: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:44:02.42 ID:F9JwDUDO
>>495
ちょっと待てww

499: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:44:21.55 ID:X9zKkL20
睡眠時間を3時間から1時間に削れば。。
7時kいやなんでもない。

502: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:45:53.63 ID:KQ5xjk6o
>>499
1時間削るんじゃなく「1時間に」
3-1=2です

507: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:48:35.87 ID:JD7cMHco
おまいら、そのぐらいスルーして
各自納得しろよww

どちらにしても、パンク状態だったってことで。

508: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 12:48:51.49 ID:KQ5xjk6o
俺の日本がおかしったかな・・・。
「3時間から1時間にして」にすれば
良かったね。

まぁ最初の21時間はあり得ませんがwwwwww

510: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:49:12.67 ID:S2Riyak0
間違えてる奴は睡眠時間を労働時間に変換するんだ!!

511: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:50:07.00 ID:O2.MCMAO
睡眠時間3時間でも考えられないのに1時間って…

512: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:50:46.34 ID:b8ktzao0
そうだ、こんなに働かせるにのたんの日本はおかしいw

もちつけ (  ゚Д゚)⊃旦 < 茶

515: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:58:31.63 ID:KyJHxXIo
おれの日本wwwwwwwwwwwwwwwwww

516: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 12:58:57.48 ID:XKR/1IUo
なんていうか社会人ってすげーな…

520: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 13:00:24.49 ID:KQ5xjk6o
ある日、会社で俺はシコシコと台本を書いていた。

社内が静かである。
今日はロケが多いのであろう。

そんな時、プロデューサーの片桐さんが声を掛けてきた。
「二宮。悪いけど今から局(TV局)に行くんだ。少し付き合ってくれ」

「はぁ・・・。でもどうして俺なんですか?」

片桐さんの話はこうだ。

この日は局で、新番組の打ち合わせがある。
うちの会社がそれを受けるらしい。

局側はディレクターを交えて、打ち合わせがしたいそうだ。
しかしこの日、社内にはディレクターがいなかった。
そこでとりあえず、急場しのぎに俺を連れて行きたいというのだ。

「ディレクターは持ち回りで受ける。この二宮もその1人である。」
片桐さんはこう紹介するそうである。

もちろん俺がディレクターをする予定はない。
番組が回転しはじめると、俺はフェードアウトする計画だ。

俺は適当に、相槌を打ち
1本目を担当するディレクターのために
制作進行の過程を聞けばいいとのこと。

「はぁ。打ち合わせに出席するくらいなら・・・。俺で良ければ・・・。」

この返答が、地獄への片道キップになった。
この時の俺の判断は、その後の人生を大きく変える。

もしこの申し出を断っていれば
俺は今と別の人生を歩んでいたに違いない。

何気ないこのやり取りは、人生の大きな分岐点だったのだ。

531: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 13:11:24.46 ID:KQ5xjk6o
俺と片桐さんが局に到着すると
局P(TV局のプロデューサー)と局Dが出てきた。

局Pクラスになると、制作会社クラスからすれば神である。
ご機嫌を取らねば、うちの会社に仕事が回ってこない。

「これがディレクターの二宮です。」
片桐さんが俺を紹介した。

「よろしくお願いします。」
俺は内心ドキドキしていた。
おいおい大丈夫かよ?
俺みたいな若造で・・・。

しかしそんな俺にも、局Pと局Dは
「よろしく!」と言ってくれた。
とりあえずホッ・・・。

「早速、打ち合わせを始めましょう!」
局Dの木下さんの言葉で打ち合わせが開始した。

ふむふむ。なるほど。
朝の生番組が立ち上がるそうだ。
仮に番組名を「モーニングステーション」としておこう。
(安直でサーセンwwww)

うちの会社の担当は、その中のコーナーV(TR)である。
尺は15分前後。
旬の流行を捉えて、それを紹介するVである。

「それで二宮さんには、こんな感じの演出で創ってもらいたいんです」

え・・・??。

え・・・・・・・??

俺は話を聞きに来ただけですが?なにか?

532: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 13:12:45.20 ID:3lRbiYk0
Mステwwww

539: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 13:18:36.30 ID:KQ5xjk6o
俺は片桐さんを見る。
しかし木下さんの話に「ほうほう」と頷いているだけだ。

ちょっ・・・。片桐さん?
俺が1本目の担当じゃないって言わないと!!
このままだと木下さん勘違いしちゃいますよ?

そんな俺の思惑とは裏腹に
打ち合わせはどんどん進行していく。

話題は完全に、1本目のVの内容にまで及んでいった。

今さら俺が1本目を担当しない
とは言えない空気になっていた。

それが言えるのは片桐さん。
あんただけなんだよっっ!!!

その片桐さんが俺に言った言葉がこれだ
「二宮他に質問はないか?木下さんと一緒に頑張ってくれよ!」

・・・・・・・・・。

俺は言葉が出なかった。

「1回目のO.Aは来月の2週生目です。一緒にがんばろう!」
木下さんが握手を求めてきた。
俺は木下さんと握手をしてしまった。

この状況で、断れるほうがどうかしている。
しかしそれはまさに、契約成立を意味した。

俺は焦った。
一体どこにそんな時間があるんだよ・・・。

542: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 13:21:05.90 ID:KQ5xjk6o
ここで長期休暇しますね。
また来るとは思います。ノシ

543: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 13:21:10.27 ID:pGUWFZYo
完璧にキャパオーバーだwwwwww

544: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 13:21:25.59 ID:GLS6NqIo
>>542
にのん乙!!

548: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 13:23:13.74 ID:KyJHxXIo
お(*^・^)CHU~☆

583: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 14:27:45.74 ID:R2jJvwAo
昼食いつつ追いついたと思ったら休憩タイムか orz

あと修正投下
no title




593: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 15:10:03.84 ID:UmyuvJwo
>>583

あんたの絵好きだ~

645: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 18:39:49.02 ID:KQ5xjk6o
ただいま。
ゆっくりだけど投下開始していきます。
>>583
すごいね。
本当に特徴捉えているよ。

649: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 18:43:52.25 ID:8RihgzUo
今から勉強しようと思ったのにきやがったぜww
wwktk

651: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 18:46:32.32 ID:KQ5xjk6o
「ちょっと!片桐さん(コラ!オッサン)話が違うじゃないですか!」
会社への帰り道、俺は片桐さんに抗議をした。

今こんな仕事を受けてしまえば、旅日記もモーニングステーションも
共倒れする可能性がある。

しかもモーニングステーションも長尺物だ。
俺は長尺物を作った経験がない。
だから旅日記で、それを経験するつもりであった。

しかもモーニングステーションは新番組である。
新人の俺が手を出すような番組ではない。

「片桐さん。俺できませんよ!旅日記のDもするんです。来月は」

片桐さんは少し困った顔をしたが
「でも仕方ないだろ。ああなった以上は。旅日記は断れよ」

このオッサン、自分のことしか考えてないよ!

今さら白井の仕事を断れるはずが無い。
元々向こうの仕事が先なのである。
白井さんだって、俺のためにその週のディレクターは空けてくれているのだ。

コイツでは話にならん。

655: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 18:53:51.93 ID:KQ5xjk6o
俺は会社に帰って制作デスクの松井さんに掛け合った。
表向きは松井さんが、制作スタッフの割り振りを担当しているのである。
(現実はPがDに声を掛けて、引き抜き合戦が横行している)

俺と松井さんと片桐さんで話し合いが開始された。
しかし松井さんも俺の話に、うんうんと頷くものの

「こうなったら二宮にやってもらうしかないですよ。
向こうの局Pも局Dもその気になっているし。
いまさら1回目は他のDで!というワケにはいきません」
この片桐さんの話に押され気味である。

なぜここに白井さんがいないんだ。
それもおかしいじゃないか!?

松井さんが決断が下さした。
「モーニングステーションは、手の空いている先輩が手伝うということで。
でもメインディレクターは二宮くんで行こう。」

ちょっとふざけるなよ!
そんな男気のある先輩がこの社内のどこにいる?

結局松井さんは、面倒な話をサッサと片付けたいだけなのだ。

話し合いはそれで終了した。

662: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 19:01:20.93 ID:KQ5xjk6o
こ・・・こうなれば・・・やるしかないのだ。
もし1つでも仕事がズレ込めば・・・。
これは大変なことになる・・・。

俺はそれを想像して少し震えた。

それから数日後、おふくろから電話があった。

「お正月は帰ってくるのかい?」

そうか正月休みか・・・。
いまの俺には休みなど頭になかった。

「うん。仕事忙しいから・・・。まだなんとも言えないよ・・・。」

「そうかい・・・。体は壊してないかい?」
おふくろは明らかにガッカリした様子だ。

引越し以来、実家には帰っていない。
やっぱりここは実家に帰って、親孝行をするべき時なのかもしれない。

「体は大丈夫だよ。やっぱり正月なんとかそっちに帰るよ。」

「そうかい。それじゃ美味しいおせち作らないとね~。」
おふくろの声が一気に明るくなった。

おふくろはやっぱり俺の顔が見たいんだ。
俺だっておふくろの顔は見たい。

「もしかしたら行けない可能性もあるから、あんまり期待しないでね。」
そう言って電話を切った。

668: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:18:01.30 ID:NGOc1mg0
プライベートな時間なんて皆無だな・・・

669: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 19:18:53.68 ID:KQ5xjk6o
正月、実家に帰るのであれば
更に仕事のスケジュールをタイトにする必要がある。

当時の俺のスケジュールは
パブの台本→モーニングステーションのネタ探し→パブのロケ
→モーニングステーションの企画書作成→旅日記の今までのO.Aプレビュー
→川田さんのAD→旅日記の企画書作成→パブのオフライン編集。

このように色々な業務が重なりあって
なにがなんだか分からない状態であった。

隙を見つけては、別の仕事を詰め込み
また隙を見つけては、別の仕事を詰め込む。
こんな状態であった。

まさに八方塞がりである。

まるで今の宮崎県知事のような生活だ。
スケジュールは分単位である。1分も無駄にはできない。
しかし俺には、彼のようにスケジュールを管理してくれる人間はいない。
スケジュール管理も全て自分で行う。

当然寝ている時間は無い。
3日徹夜して3時間寝るような暮らしであった。

そして案の定、モーニングステーションを手伝ってくれる先輩などいなかった。
みんな自分の仕事で手一杯である。

それでなくても、新番組の1本目などという責任重大な仕事に
自ら関わってくる人間などいない。

新人の俺が、先輩を捕まえて「手伝って下さい」など、とても言えない。

俺は自分のデスクで寝てしまうこともあった。
さすがに誰も起こそうとはしない。

居眠りを注意させないオーラも、俺の体から出まくっていた。
もしそれを注意しようものなら

「んじゃテメーがやってみろ!」くらいは言い出しそうな雰囲気があったと思う。

677: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 19:37:02.65 ID:KQ5xjk6o
もうダメ・・・。死んじゃうかもしれない・・・。」

その日も俺はデスクに突っ伏していた。
しかし寝てはいなかった。意識はある。

そんな時、旅日記のプロデューサーである、白井さんが声を掛けてきた。
「二宮くん大丈夫?随分大変そうだけど」

俺は姿勢を正した。
この人の前では、あまり疲れた姿を見せるわけにはいかない。
俺をディレクターに選んだことを不安にさせてしまう。

「はい。大丈夫です」
嘘だ。全然大丈夫ではない。

「旅日記・・・出来る?」
この仕事を下りるか?と聞いているのだ。

これが最後の蜘蛛の糸だ。
この糸を切れば、俺はカンダタになってしまうかもしれない。

初めての長尺物。
しかもそれが2本。
更に1本は新番組。

精神的な重圧だけでもハンパでは無い。

逃げたい・・・。
どうしよう・・・。

1秒間考えたあと
「出来ます。大丈夫です」
俺はそう答えていた。

678: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:38:56.57 ID:65uUHmQo
>>677
ここで現在の状況をちゃんと報告しないのは社会人としてどうかと思う

682: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 19:45:50.17 ID:KQ5xjk6o
元々は白井さんの仕事が先だったんだ。
それを別番組のために断ることが、俺にはどうしても出来なかった。

それに白井さんは、新人の俺に初めて長尺物を任せてくれた人だ。
その期待に応えたい。

「そう・・・。それじゃよろしくね。」
そう言って白井さんは消えた。

なんとかなるさ・・・。

このままのペースでやっていけば・・・。

なんとかなるさ・・・。

その夜も俺は、社内で企画書を書いていた。
すると携帯が光った。
メールだ。

差出人はまりあであった。

そういえば、何日まりあに会っていないだろう?
もう正確には思い出せない。

最後にメールを返したが、いつかも思い出せない。
完全に日にちの感覚は奪われていた。

「30日にぢっかにかぇります。。。それまでにぁぇますか??」
顔文字が無い。

まりあの心情が逆によく分かった。

684: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:47:18.40 ID:hZ.MK6E0
まりあたんも限界か(´;ω;`)

685: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:48:33.01 ID:QyKDDwDO
ああ…(´;ω;`)

698: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 19:56:03.12 ID:KQ5xjk6o
確か今日は・・・28日か・・・。
会うとすれば明日の夜しかない。

いまこの状況で、まりあに会う時間を割くのは危険だ。
その時間があれば、少しでも仕事が進められる。
正月には実家に帰る予定だし、仕事を進めなければ・・・。

しかし俺は
「明日の夜まりあの部屋に行きます」と
返信した。

俺はまりあが大好きなんだ。

本当に大好きなんだ。

彼女を大事にするって誓ったんだ。

仕事なんてまた徹夜で取り戻せばいい。

まりあから返信がきた。
「o(^-^o)(o^-^)o ヤッター♪まってるね☆⌒(*^∇゜)v ヴイッ」

俺はそのメールを見て少し幸せな気持ちになった。

まりあがいるから俺は頑張れるんだ・・・。

そして俺は企画書の続きに取り掛かった。

699: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:57:26.76 ID:8XSfa7o0
>>698
ちくしょう、まりあ可愛いじゃないかww

701: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:58:56.54 ID:ej26IAUo
>>698
あーあ・・・ww

702: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 19:59:22.81 ID:8RihgzUo
愛の力ですね。わかります。

あぁ恋してえええええええ

707: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 20:06:06.48 ID:KQ5xjk6o
次の日、俺は仕事をなんとか片付け
(といってもメドがたっただけで、なにも片付いてはいない)会社を出た。
時間はすでに22時30分になっていた。

十数時間ぶりに外気に触れた。
ひんやりとした風がやけに心地よかった。

電車に乗る。そのことすら少し懐かしい。
これじゃ定期も無駄だよな・・・。
ボーッとそんなことを考える。

電車の中では眠った。
たった3駅だが、今はその時間すら貴重である。
いま眠ると起きる自信がない。
携帯にタイマーをセットした。

駅に着いてマンションまでの道のりを歩く。
初デートをした川が見えてきた。

しばらく川を見つめながら、初デートを思い出した。

暖かくなったら、またここでデートをしような・・・。
その時には、きっと仕事もヒマになっているはずだよ・・・。

俺は心の中でまりあに話し掛けていた。

マンションに到着してエレベーターに乗り込む。
3Fのボタンを押してフーッと息をつく。

やっと帰ってこれたよ・・・。

俺は302号のインターホンを押した。
「はい!」まりあの声は既に明るい。

「俺です。光輝です。」

すぐにドアが開いた。

そこには俺が大好きなまりあがいた。

712: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 20:10:48.94 ID:KQ5xjk6o
何日も見ていなかったまりあの顔を見た瞬間
俺はギュッと胸が締め付けれる思いがした。

初めてここでまりあに会った時を思いだしていた。

「おかえり・・・。光輝くん・・・。」
まりあの目が潤んでいた。

こめんね。
今までほったらかしにして。

こんなにもまりあが大好きなのに・・・。

「ただいま。まりあ」
俺がそう言った瞬間、まりあが抱き付いてきた。

油田・・・。頼むから今だけは部屋から出てくるなよ。

716: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 20:12:25.83 ID:ej26IAUo
渡辺の件はもう大丈夫だったのか?(仕事的な意味で)

726: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 20:19:34.18 ID:KQ5xjk6o
リビングに入ると、まりあがそばを作ってくれた。
今年は一緒に年越しができない。
それで少し早い、年越しそばを用意してくれた。

まりあはご機嫌でだった。
そんなに俺と一緒にいるのが嬉しいのか?
こんな俺みたいなヤツでも・・・。

「元日と2日は俺も実家に帰るね」
まりあにはまだ言っていなかった。

「そっかぁ!親孝行しないとね!」
当然まりあも俺が片親なのを知っている。
そして俺がおふくろを大事にしていることも知っている。

まりあはそんな俺の気持ちを大切にしてくれた。

そばを食べ終えた俺は
まりあが食器を片付けている間に、つい眠ってしまった。

ダメだと思っても、気がつけば眠っていたのである。

そばらくして目が覚めた。
なんだか頭がフカフカする・・・。
まりあは俺に膝枕をしてくれていた。

もう1度目を瞑った。
なんだか気持ちいいなぁ。

まりあは俺の髪の毛を撫でながら
「こんなにボロボロになって・・・。可哀想だね。光輝くん・・・。」そう呟いた。

俺はその言葉を聞いて、再び深い眠りに落ちた・・・。

736: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 20:24:56.94 ID:KQ5xjk6o
>>716
結果的にいうと会社からの制裁は無かった。

Pを初め制作陣営の働きはハンパでなかったと思う。
そのお陰で再撮影で無事O.Aはできた。

でも二重ギャラの発生や、渡辺の精神状態を考えると
「無事」であったとは言えないかもなぁ。

739: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/25(水) 20:29:20.79 ID:KQ5xjk6o
今日はこれで終わりですね。
仕事しないとです。

それではみんなお疲れ様でした。ノシ

740: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 20:29:46.14 ID:kAiU6rIo
>>739
おつかれっさま!

742: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 20:30:30.65 ID:8RihgzUo
乙でした。
しかしまぁ気になるところでww

743: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 20:30:50.90 ID:r/HynkIo
>>739
おつかれ!
次回の登場を楽しみにしてる

745: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/25(水) 20:31:09.83 ID:8XSfa7o0
>>739
乙、俺も仕事に戻る

853: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 08:29:57.79 ID:WYfnSAso
みんなおはよう。
ここで報告というか・・・。

この話随分丁寧に書いてきて
こんなに時間が掛かちゃったけど
早くても3日以内に終わらせようと思ってます。

もしかしたらそれより早いかも・・・。
(もしかしたら3日以上かかるかもww)

もうそろそろ仕事も忙しくなってくるからさ。
でも手を抜いて書くわけじゃなく
俺がピッチを上げようかなと・・・。
(でも基本遅筆なので、期待しないで下さい)

昨日どこかのレスに「創造だから遅いのか?」ってレスがあって
フムフムと思っていた。
普通はそうなのかな?と

でも俺多分、想像ならこの3倍のペースで書く自信があるかな。
元々俺の仕事事態が、脳内から映像にするもので
妄想ならサクサク出てくる状態なんですね。

それを文章にするのは、非常に容易い作業です。
(台本書いている人なら分かると思うが、実話起こすほうが大変)

これはリアルだから、記憶を掘り起こしてくるのに時間が掛かる。
まず時系列を思い出すのに大変。

「あれ?この仕事はこの時期?でもあれは、この仕事の前だったはず・・・
そうすると待てよ?もう寒い季節だった記憶が・・・。でもそれだと・・・」
こんな感じですね。

あと特殊な業界なので、仕事の事情を、他業種の人に解ってもらう
文章にするのは、書いてて思ったけどかなり難しい作業でした。

まあなんにせよ、あと数日で終わると思います。
それまで見てくれたら嬉しいです。
(何度もいうけど、終わらない場合はごめんなさいww)


854: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 08:34:36.27 ID:HaNsjQUo
お前のスレだしお前の話だから、好きなペースで好きなように終わらせたらいい。
俺らはそれをwwktkしながら見守るだけ。

こうやって書いて自分の気持ちを整理してる部分もあるんだろ?

856: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 08:39:27.54 ID:WYfnSAso
>>854
うん。あるね。
最初は本当に早く終わるつもりで・・・。

でも書き始めると、これもこれもこれも・・・って。
文章にして残しておきたい!って感じで出てきて
その度時系列を思い出して。

残念ながら後になって、これも書いておけば・・・。と思うことも沢山あります。
でも話として時系列と逆行するので
「仕方ないか・・・」って感じでそんな話は
書かずに捨てている状態ですね。

859: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 08:42:44.67 ID:WYfnSAso
ちょっと席を外すけど、また戻ると思います。
今日は外に仕事いくかどうするか
少し微妙な状態なので・・・。

出ないで済むなら、ここ書いていきたいなと
思っています

860: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 08:43:48.76 ID:yZX.ekAO
二宮おはよう。
外野がうるさくても、お前のチラ裏は見届ける。VIPのスレからずっと見てる。
まとめサイトや書籍化なんてどうでもいい。
お前の生きざまの片鱗を見てみたいだけだ。
二宮が納得してればそれでいい。
だから、好きなようにやれよ。オッサンは見届ける。ただ、それだけだ。
あとはわかるよなww

861: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 08:45:31.53 ID:pQMPqrg0
おはよう!二宮!!久しぶりに遭遇できた

864: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 08:51:55.05 ID:bqSHrqI0
身近な人間で業界関係の人がいないから二宮が書いてくれる仕事の話は読むのがとてもたのしいよ

ガンガレ!超ガンガレ!

881: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:09:16.75 ID:WYfnSAso
第16章 帰省

大晦日。
その日の深夜も俺は会社で仕事をしていた。

さすがに大晦日の夜は誰もいないや・・・。

通常は深夜の時間帯でも
1人か2人は、仕事をしている人がいても、おかしくは無い。

しかし、会社的な仕事納めも既に済んでいて
さすがに大晦日の深夜まで、仕事をしている物好きはいない。

そう・・・。俺以外には。

俺は一息ついて外に出た。

コンビニでカップそばでも買って来よう。
少し寂しいけど、年越しの行事はしておこう。

会社に戻り、カップそばにお湯を注いで、TVのある部屋に行った。
画面では新年のカウントダンウンに向けて盛り上がっている。

薄暗い会社の一室で
1人カップそばの出来上がりを待つ、侘しさが込み上げてくる。

882: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:10:27.17 ID:WYfnSAso
ごめん。俺がレス返ししたからだね。
マジでごめんね。
続き投下していくね

887: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:17:12.49 ID:WYfnSAso
新しい年まであと5分・・・。

俺は目を閉じて、今年の自分を振り返っていた。

色々あったなぁ。本当に色々と・・・。

おふくろと別れて、初めての1人暮らし。

まりあや油田との出会い。

入社早々に起こしてしまった大チョンボ。

でも川田さんがそんな俺を救ってくれた。

渡辺が隣に引っ越して来て・・・。

そうそう。まりあの誕生日!

あの時は焦ったよ。主役が来ないんだもんな。

でもあの日だったんだよね・・・。まりあと付き合ったのは。

初めてのデートで俺、川に落ちちゃったよ。本当にまぬけ。

次のデートの後か・・・。まりあと初めてキスしたのは。

その後は仕事が忙しくなっちゃって・・・。

そして大晦日の夜に、会社でカップそばなんか食おうとしてるよ・・・。

フーッ。と一つ大きなため息をついて目を開けた。

889: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:25:00.10 ID:WYfnSAso
TV画面から「新年、明けましておめでとうございまーーす!!」
という賑やかな声が聞こえてきた。

俺は「新年、明けましておめでとうございます。まりあ」と心の中で呟いた。

そしてカップそばをズルズルと食べる。

やっぱりまりあが作ってくれたそばの方が
圧倒的に美味しいなぁ・・・。

ともかく新たな年に突入した。

俺の人生で、最も悲惨な1年がスタートした。

891: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:26:29.47 ID:aon.xS60
淋しい年越しだね…

892: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:28:31.15 ID:5GMkeTIo
年越しに一人で会社ってさびしすぎる・・・。
でも、TV業界に人は年越しに仕事はめずらしくないのかな?

895: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:32:08.34 ID:WYfnSAso
>>892
日の出撮影や、中継班は会社出て前乗りしてるね。
まだその人たちは賑やかだろうね

896: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:38:03.45 ID:WYfnSAso
一旦マンションに戻ってから
俺は実家に帰る電車に揺られていた。

結局、大晦日から元日は徹夜で仕事をした。

今は朝の6時。
カウントダウンイベントのために徹夜で運行していたのかな?

そう考えると、鉄道会社の人も大変だよね。
忙しいのは俺だけじゃないんだね。
お疲れさまです・・・。

それにしても、みんな笑顔だよね。
初詣にでもいくのかな?

新年だもんな。
みんなウキウキして当然だよね。

こんな疲れた顔をしているのは、きっと俺だけだよ。
そう思うと少し笑えてくる。

俺は電車で約2時間揺られ、実家のある駅についた。

もうすぐおふくろと会える!
そう思うと自然と足取りが速くなる。

実家に到着した。しばらく家を眺める。
俺がおふくろと2人で暮らしていた家。
それは俺が出て行った時となにも変わってはいない。

少し懐かしくて、中に入るのが、なんだか照れくさいような・・・。
そんな不思議な感覚がした。

909: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:45:29.03 ID:WYfnSAso
玄関のドアを開く。
カギは空いていた。

俺は元気な声で言った。

「ただいま~。帰ってきたよ。おふくろ~」

するとすぐに居間の方から
パタパタという足音と共に、おふくろが出てきた。

おふくろ・・・。

なんだか少し懐かしく感じるおふくろの顔。

少しシワが増えたかな?
髪も少し白くなったかもね?

でもその優しい笑顔は何も変わってないね。

「おかえりなさい。光輝・・・。」
そう言ったおふくろの目は、早くも潤み初めている。

「ただいま。おふくろ」

919: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 10:54:15.73 ID:WYfnSAso
約8ヶ月ぶりに会ったおふくろははしゃいでいた。

「ちゃんとお野菜食べてるかい?母さんは心配だよ。」

「そうそう。お神酒持ってきてあげるから、飲みなさいね。」

「おせち食べなさいね。光輝はカズノコが好きだから多めに作ったよ。」

「あっ!甘いもの食べるかい?お饅頭があったはずなんだけど・・・。」

俺はつい、あははと笑ってしまった。

「いいよ。おふくろもここ座りなよ。一緒におせち食べようよ。」

おふくろは
「そうかい・・・」と言って俺の向かいに座った。

おふくろと向き合って座ると、この家に住んでいた時のことを思いだす。
それは妙に心地良い空間であった。

「光輝少し痩せたねぇ。お仕事忙しいのかい?かあさん心配だよ。」
俺の顔を覗き込みながら、おふくろはしみじみとそう言った。

「ん?大丈夫だよ。まだ1年目だし、慣れない部分で少し疲れただけだよ。
来年は後輩も入ってくるし!仕事はもっと楽になるよ!」

俺はおふくろを心配させないために、無理な笑顔を作った。

これは1年目の疲れでは無い。
完全なオーバーワークの疲れであった。

920: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:55:49.21 ID:MymFq6AO
やべぇ
パタパタという足音
チクショー泣けるぜwwwwwwww
なんでおふくろっていっつもスリッパ履いてんだろうな。

922: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 10:58:03.23 ID:ZZg3DqU0
にのは親思いなんだな。
カーチャン...(´;ω;`)ブワッ

927: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:10:36.58 ID:WYfnSAso
「それよりさぁ。おふくろ・・・」
そういって俺は鞄から、お年玉袋を取り出した。

「はい。お年玉だよ。受け取って。」

おふくろは驚いた顔で俺を見ている。
そして「子供からお年玉なんか貰えないよぉ。」と言った。

「いや。受け取ってよ!俺就職が決まった時にね。
お年玉をおふくろに渡すのが夢だったんだ」

俺の言葉を聞いたおふくろがポロポロと涙をこぼした。
俺はそんなおふくろの手を取って、そっとお年玉袋を握らせた。

「ありがとうね。光輝・・・。」
おふくろは涙声でそう言った。

その後は2人でおせちを食べた。

そうそう!この味だよな!

親父が亡くなって、家がどんなに貧しくなっても
おふくろはおせちだけは必ず作った。

そのグレードを落とすことも、決してしなかった。
そこには貧しいなりに、おふくろの意地を感じた。

おせちを食べたあと、俺はおふくろの肩を揉んでいた。
おふくろの肩を揉むのも随分久しぶりだよな・・・。

物思いにふけっていると、玄関がガラガラと開く音がした。

「明けましておめでとうございますーーー!!おばさん勝手に上がるよーーー!!」
懐かしいその声・・・。

それは俺の親友、悟の声だった。

929: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:11:36.01 ID:DK/So.2o
悟キター

931: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:11:55.14 ID:aon.xS60
悟きたーーーーーーーーーーーー!!

932: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:12:00.82 ID:bqSHrqI0
ここからいよいよ悟登場か!!!!

941: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:16:01.56 ID:WOPoYWoo
いきなり人増えたww

948: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:19:01.30 ID:WYfnSAso
居間に向かって、ドカドカと悟の足音が近づいてくる。

勝手知ったる幼馴染の家・・・ってやつか。

居間に入ってきた悟。

「おばさんおめでとーー。これ日本酒だよーー・・・」
俺の存在に気がついた悟が、驚いた表情で固まる。

「なんだよ!光輝!!帰ってたんかよーーー!!!」
相変わらず声のデカイやつだ。

俺の幼馴染であり、親友である悟はハッキリいってイケメンである。
身長も180cmあり、色黒でシャープな顔立ち。
速水もこみちにそっくりだ。

しかも社交性も抜群にあって。
スポーツ万能。趣味で3on3なるバスケもやっている。

職業はフリーターだが、全国の色々な場所を旅する
自称「自由人」である。

もちろん俺がコイツに勝てる部分は、外見でも内面でも1つもない。

959: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:28:21.87 ID:WYfnSAso
「この後ね。お前の家に行こうと思ってたんだよ。」

俺がそう言うと「そうか!そうか!」と言って悟は肩を抱いてきた。

こういう行動がサラリと出来て、なおかつ嫌味がない。

はいはい。あんたは本当にカッコイイよ。

「そうだコレ飲め!高い日本酒だ!おぱさんも飲むよね?コップ3つお願いね」

本当に凄まじい社交性というか・・・。
なんというか・・・。

でも俺のおふくろも、悟のそういう性格は理解している。
根心の優しい、本当にイイ子だといつも言っている。

まさにその通りである。

今日も俺のおふくろを心配して、こうして訪ねて来てくれたのだ。

3人でおふくろのおせちを食べて
酒を飲み、大いに笑った。
やっぱり帰ってきて良かった。

仕事で張り詰めていた緊張が、ほぐれていくのが分かる。
やっぱりここは、俺が1番安らげる場所なんだな。

俺は悟を連れて自分の部屋に行った。

963: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:31:19.94 ID:fj8d3kDO
悟ぅぅぅぅぅぅああああああ

964: 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2008/06/26(木) 11:31:36.40 ID:MyvlbIDO
悟がいい奴すぎて…この後の展開を思うと胸が痛い…

969: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:34:21.19 ID:WYfnSAso
ここも何も変わっていない。

この机で俺は、毎晩勉強をしたんだ。
なにも楽しみが無かった。

来る日も来る日も、それまでの行いを贖罪するかのように
勉強ばかりしていた。

俺は悟と再び日本酒を飲み始めた。
さすがに寝ていないので、酒の回りが早い。

それでも親友と酒を飲みながら話すのは本当に楽しい
ついつい飲みすぎてしまう。

俺は親友に報告した。

「実はさ・・・。俺彼女できたんだよね。」

979: 二宮 ◆htHkuunP2I 2008/06/26(木) 11:41:13.75 ID:WYfnSAso
悟は驚いた様子で
「マジかよ!?どんな子なんだよ?可愛いのか?何歳なんだ?」
矢継ぎ早に質問をしてきた。

それらの質問に答えながら俺は最後に
「本当に大好きなんだ。こんなに女の子を好きになったの初めて・・・。今度悟にも紹介するよ」
と言った。

それを聞いた悟は
「んじゃ正月が明けたら、光輝ん家行っていいか?俺バイト辞めたばっかでヒマなんだ。
しばらくホームステイさせてくれよ!お前の住んでいる土地もブラブラしてみたいしさ。」

俺は気前良く言った。
「好きなだけいていいよ!俺は忙しいけど
他にも油田ってヤツとか、渡辺ってのがいて楽しいぜ!まるで下宿みたいだよ。」

そして俺は、酒に潰れてとうとう眠ってしまった。
「明日には帰らなきゃ・・・。仕事しなきゃ・・・。」
そんなことを考えながら。

意識が遠のく中で
悟がそっと布団を掛けてくれた記憶がある・・・。




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1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年05月31日 11:30 ID:kidanmatome

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