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※記事が公開され次第リンクがつながります
※現在進行形の話のため、追加され次第更新していきます。 


764: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:08:05 ID:pGd(主)
みんなで軽食を済ますと、これでニコラのプランは終了となった。

「案外早く終わっちゃったね。どうする?もう帰る?」

申し訳なさそうにニコラが尋ねる。

「それならみんなでプレデンシャルセンターに行きませんか?」

ボストン通のリア様が即座に新たなプランを提案してくれた。

「それってどこにあるの?」
「どこもなにも、そこに立っているビルの中です」

リア様が指差したのは10メートルほど先にある建物だった。

「あそこはどんな施設なの?」

すっかりリア様と打ち明けた様子のニコラが尋ねる。

「有名なブランドやレストランが入っている大型のショッピングモールですわ。
 ボストンに来たからにはここで買物しない手はありません!」

熱のは入り用から察するにここはリア様のお気に入りのようだ。
しかしどうしよう。僕の財布にはもう8ドル(およそ800円)しか入っていない!

 




767: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:20:37 ID:pGd(主)
プルデンシャルセンターの中は明らかに高級な雰囲気が漂っていた。
この空気はケイやリア様にこそよく似合う。
僕もスーツを着てたからかろうじて浮かずに済んでいるけど
ここへは夏休みの少年スタイルじゃ来たくないな。

「どうです?素敵な場所ですよね。売ってる物もどれも素敵な物ばかりなんですよ!」

入ってすぐのエスカレーターを上りながらリア様がいろいろ説明してくれている。
しかし説明されればされるほど、懐にエアコンの冷たい風が忍び込むようだった。

リア様、僕、ケイニコラの順でエスカレーターにのっていたら、後ろで2人が
何やらこそこそと内緒話を始めた。
どうしたら2人きりになれるかでも考えているのだろうか?
言ってくれればいつだって2人きりにしてあげるのに。

768: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:31:38 ID:pGd(主)
エスカレーターを上がってすぐ、ケイが文房具のお店に食いついた。

「おお、このブランドもショップを出してるのか。ちょっと見てっていい?」
「もちろんです」

自分の紹介した施設をケイにも気に入ってもらえたのが嬉しいのかリア様が満面の笑みで答える。

ケイがショーケースを見始めるとすぐに店員さんが飛んできた。
髪型はホストでもたたずまいで一流を感じさせるケイにお金の匂いを嗅ぎ付けたのだろう。

「アメリカではよく小切手にサインをするから、万年筆を新調したくてね」

となにやら小洒落たことをいっている。そんなものボールペンで十分じゃないの?

「すまん3人とも。しばらく時間かかりそうだから先に行っててくれ」
「わかったー。ゆっくり楽しんでねー」

あれ?ニコラはすこしくらいごねると思ったのに、笑顔で手を振っている。
男の買物に寛容な女の子ってなんかいいね。

769: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:37:44 ID:pGd(主)
両手に花でオシャレなお店が並ぶ通路を歩くのはかなり気分がいい。
まあどちらも僕の彼女ではないけど、将来的にリア様とは2人きりで来れたらいいなぁ。

「あー!お菓子のお店発見!ねえリア、寄ってっていい?」
「もちろんです。いっしょに見て回りましょう」

リア様とっても嬉しそうだな。あれは友達に向ける笑顔というよりも
年下の子に甘えられてにやけるお姉様って感じだな。

770: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:45:56 ID:pGd(主)
「このカバの形のチョコ私好きなんだ~」

ニコラが様々なお菓子を見比べながら次々とかごにお菓子を放り込んでいく。
おいおい、そんなに買って大丈夫なの?

「ごめんね2人とも。私もうちょっとこのお店見ていたいから2人でまわってきてくれない?」
「いや、さすがに子供を一人で残しては行けないよ」

いくら見た目が大人びて見えてもこの子はまだ13歳なんだ。

「子供って言わないでよ~。私もうすぐ14だよ?」

う~ん……それでも心配なものは心配なんだってば。

「見終わったらケイとすぐ合流するから!それならいいでしょ?」
「わかりましたわ。じゃあ桜井君が迎えにくるまでこのお店を出ちゃダメですよ?」
「オッケー」

こうして僕たちは2人きりでショッピングをすることになった。

771: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)19:53:17 ID:pGd(主)
「ああ、ニコラ。なんてかわいいのかしら。靴やバッグよりお菓子がいいなんてやっぱり子供なんですね」

リア様がすっかりニコラのかわいさにめろめろになっている。

「そんなに好きなら一緒に見ててあげたら?僕なら一人で見てるから」
「あら、気付きませんでした?どういう理由かはわかりませんが
 ニコラは一人になりたがってたようですよ」

そんなの全く気付かなかったよ。さすがは女の子同士だな。

「ケイへのプレゼントでも考えたいのかな?」
「もしかしたら加納くんに大食いだと思われるのが嫌だったのかもしれませんよ」

ああ、たしかにあの量は買いすぎだと思う。
え?あそこからさらに増えるの?

772: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:05:34 ID:pGd(主)
リア様に連れられて僕は様々なブランドショップに入っていった。
洗練された空間に思わずひるみそうになるが、様々な人に
シルエットを褒めたもらったこのスーツを信じて堂々と立ち向かう。

街のスーパーの店員はガムを噛んだりお喋りしたりと実にフリーダムだが
さすがに高級ブランドは店員の教育が行き届いてるなぁ。

「ねえ加納くん、このショール、こちらとこちら、どちらがいいと思います?」

来た!この質問は女性の中ですでに答えが出ているパターン!
ここで違う方を指してしまうと一気に好感度が下がってしまう。
って、ファッション評論家がテレビで言ってた。

「右のがいいと思うよ」
「え?こちらですか」

ち、はずしたか。

「そっちじゃないよ。リア様から見て右のやつ」

演劇をやっていると右と左がごっちゃになる事がよくある。
その混乱を応用すればこの難局は乗り切れる!

773: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:11:52 ID:u4M
オレは普通に面白いと思うけどなぁ?
叩くヤツラの気が知れん。

774: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:12:56 ID:pGd(主)
またリア様って書いてしまったか、反省……
>>773
ありがとう、がんばります!

775: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:15:17 ID:pGd(主)
「こちらですか……」

あれ?ひょっとしてさっきの方で合ってた?

「やはりどちらも捨てがたいですね。両方買ってしまいましょう」

なんと……。僕が出すべき答えは「両方とも似合ってるね」だったのか。
これがお嬢様クオリティ!

776: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:20:10 ID:pGd(主)
リア様に荷物を持つよと言ったら何のためらいも無く渡してきた。
真由子さんの時のように持たせてくれないのも悲しいが、躊躇なく渡されるのも少し悲しい物がある。
まあきっとこれが男性に恥をかかせない上流階級の女性のマナーなんだろう。
そう思って僕は荷物持ちに徹した。

777: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:28:02 ID:pGd(主)
次々と高級ブランドに入っていくリア様だけど、ほんとにそれらは必要な物だろうか。
たしかにブランド品は所持する事によりそのブランドの格に自分を引き上げる
効果があるんじゃないかと僕は思う。
実際今僕が着てるスーツはたいしたブランドじゃないが、それでも多くの人に褒めてもらえたので
その賛辞に見合うだけの行動をしようと、このスーツを着ている時は思えるんだ。

しかしリア様は彼女自身がすでにブランドのような物だから、じゃらじゃらと
ブランドで着飾るのはその魅力を損なうだけのように思えた。

って、思ってるだけなんだけどね。こんなことを本人の前で言う勇気は僕にはない。

778: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:38:25 ID:pGd(主)
「どうです?このワンピース似合うでしょうか?」

試着室から出てきたリア様が僕に問う。もちろんとても似合っている。
似合っているけど……

「似合ってるけど、僕はジムにいるときのああいう格好が好きだな」

……ぎゃあああ。本音がぼろっと出てしまった!
白いワンピースなんて着てるから、白い毛並のロンを思い出してしまったじゃないか!

「あのジャージの事ですか?」

リア様がいぶかしげに尋ねてくる。そうです。そのジャージの事です。
ああいう着飾らない格好の方があなたの魅力が引き立つと思うんです。
それにリア様のジャージ姿は努力の象徴のようにも感じれて、とても美しいのです。

英語で会話していたらきっとこんなことがすらすら言えただろう。
しかし一旦恥ずかしいと思ってしまうと、日本語では何も言えなくなってしまった。

779: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)20:49:34 ID:pGd(主)
「あのジャージはすぐそこのお店で買った物ですよ。よかったら見に行ってみますか?」

なんとあのジャージもブランド物だったのか。
これじゃあ努力してる姿が一番美しいなんて言えそうにないな~。

リア様が様々なスポーツウェアを選び試着室に入っていった。
僕はその間やる事もないので店の外をぶらぶらする。
すると露天商が僕に声をかけてきた。

「ヘイブラザー!買っていかない?安くするよ!」

洗練された空間に似合わない兄ちゃんだな。しかし売ってる小物は
どれもおしゃれだったりかわいかったり、女の子ウケしそうな物がいっぱいおいてあった。

「さっきのカワイイ子、ブラザーのガールフレンドだろ?なにかプレゼントしたらどうだい?」

ガールフレンド?そんな風に見えた?ぐへへ。
買って上げてもいいかもしれないけど、なにせ僕にはお金がない。

よし、ここはひとつ芝居を打つか!

781: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)21:03:35 ID:pGd(主)
「アイ キャント スピーク イングリッシュ ウェル」
「なんだいブラザー、外国人か。どこからきたの?」
「ジャパン」
「おージャパンね!俺はジャパン大好きだよ~!アイ ラブ スシ」

おお、さすがは露天商。外国からの観光客相手の商売はお手の物か。
さて、なにか欲しいモノが売ってるかな?
あ!これいいかも。

「ハウマッチ?」
「ん?それは12ドルだな」

くそ、買えないじゃねえか!

「ディスカウント プリーズ」
「せっかく日本から来てくれてるんだしな……。よし10ドルに負けてやろう」

くそ、それでも足りないんだ!

782: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)21:14:27 ID:pGd(主)
「アイ ゴー バック ジャパン、トゥデイ」
「今日日本に帰っちまうのか……それなら9ドルでどうだ?」

もう一声!

「アイ ハブ 8 ドル オンリー」
「あ~8ドルしか持ってないのか……。それじゃあこっちのガラスの星条旗はどうだい?
 本来15ドルするものだけど8ドルに負けてあげるよ!いいアメリカ土産になるぞ~」

まったく、アメリカ人はどんだけ自国の旗が好きなんだよ。

「オ~、 タイム トゥ ゴー バック ジャパン。 グッバイ」
「ああ~、せっかくのアメリカ旅行だ!8ドルでいいよ!」
「ほんとに?どうもありがとう!神のご加護があなたにありますように!」
「あれ?ブラザー英語喋れるの?」
「ちょ、チョットダケね」

784: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)21:22:16 ID:pGd(主)
露天で買った小物をポケットに忍ばせると同時にリア様がやって来た。

「あら、加納くんも何か買えましたの?」
「うん、まあね。このお兄さんがだいぶ負けてくれたから」
「へー、何を買ったんです?」
「えっと……ガ、ガラスの星条旗だよ。アメリカらしくていいなと思って」
「そうでしたか。ここはホントに素敵な所ですよね。必ず誰かの欲しいモノが売ってます」

うん、僕もすてきだと思いますよ。欲しいモノを変えるだけのお金があればね。
僕じゃこんな小物を買うのも精一杯です。

785: 名無しさん@おーぷん 2016/01/12(火)21:36:56 ID:pGd(主)
プルデンシャルセンターをひとまわりするとリア様の買物袋が両手に収まらなくなってきた。
全く、ケイたちは何をやってるんだ。早く合流を……

「ねえ、リアさん」
「なんですか加納くん?」
「あの柱の影に今何かいなかった?」
「何か、と言いますと?……ひょっとして加納くんにはオカルト方面のご趣味が?」

そうじゃない。たしかに今あの柱の影に……

「ねえ、リアさん。さっきニコラと携帯のアドレス交換してたよね。
 心配だから電話してくれない?」
「わかりました!」

初電話をする用事ができてリア様うれしそう。でも電話の相手は……

「あ、電話が……」
「早く切って……」
「2人ともそんな所で何やってんの?」

ニコラとケイがばつの悪そうな顔を向けてきた。

790: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:09:08 ID:fSy(主)
リア様に聞こえないように小さな声で2人に問いつめる。

「なんでこんなことしてるんだよ?」
「おまえたちも水族館で俺たちを2人きりにしてくれただろ?だから……」
「2人がより親密になればいいなと思って……」

なるほど。自分たちがしてもらって嬉しかった事を僕たちに返してくれていたのか。
まああれは単に見失ったってのが正しい所なんだけどね。

791: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:13:10 ID:fSy(主)
「だからってこっそりのぞくのはどうかと思うぞ」
「へへへ、ごめん」
「何を話してらっしゃるんですか?」

こそこそ話している僕たちをいぶかしんでリア様が話しかけてきた。

「今晩のメニューの打ち合わせだよ。さあ、スーパーに買い出しにいこう!」

792: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:23:32 ID:fSy(主)
リア様ごひいきのスーパーはプルデンシャルセンターから歩いてすぐの所にあった。
こんな観光地のど真ん中でやっていけるのかと心配になったが入ってみると案外多くの客がいる。
観光地と言えどやっぱり暮らしてる人もいるんだな。さぞかし家賃が高かろうに、
などと余計な心配をしてみる。

「リア様はこういうとこに住んでみたい?」
「そうですね。街並もオシャレですし、とても暮らしやすそうですね」
「いずれ独り立ちするならやっぱりアメリカ?」
「日本だとお父様の影響が強いですからね。必然的にか意外になってしまいますが
 幼い頃住んでいた英国に住むのもいいなと思っています」

なるほど。リア様と一緒にいようと思ったら海外暮らしは必然か……。
って、何結婚する事を前提に考えてるんだ僕は。
ぺっくんにも言ったけど僕なんかでは格が合わなすぎるよ……。

「見てください加納くん!マンゴーが1個99セント!これって安すぎじゃありません!?」

793: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:24:55 ID:fSy(主)
海外……か
意外な所で誤字がでるなぁ

794: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:37:54 ID:fSy(主)
きっとブランド品を買いあさった後だから金銭感覚が麻痺してるんだろうなぁ。
それにしても1個99セントはなかなか魅力的な数字だ。

「たしかに安いね。日本じゃこの値段は無理だろうな。たぶん軽く3倍はするんじゃない?」
「これはお買い得ですね!是非買っていきましょう!」

そう言って買物かごにポイポイとマンゴーを入れていくリア様。
これ以上はもう僕も持てませんよ?

「私マンゴーって大好きなんです。今晩が楽しみですね!」

たぶんリア様が好きなマンゴーは1個が途方もない価格の完熟マンゴーの事じゃないかな?

「たぶんこのマンゴーはまだ熟してないから追熟させないとおいしくないよ」
「そうですか、それは残念……」

寂しそうにマンゴーを棚へと戻すリア様。
そんな顔を見るとついかばってあげたくなっちゃうけど、冷蔵庫もない寮ではこれが妥当な判断だったんだ。

795: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:44:32 ID:fSy(主)
「でも今日はお二人の手料理が食べられますしね!」
「そんなたいした物は作れないよ?」

ひょっとしてかなりハードル上がっちゃってる?まずいなぁ……

「正直なところ料理はどんなものでもいいんです。友達が私のために料理を作ってくれる、
 それだけでなんだかとても幸せな気分になるんです」

ふーん、そんなもんかねぇ。僕は逆に好きな人に料理を作ってる時幸せを感じるけどね。
ってこの発言はなんだか主夫みたいだな。
でもリア様との相性は悪くないんじゃない?

796: 名無しさん@おーぷん 2016/01/13(水)06:46:15 ID:fSy(主)
続きはまた今晩
See you soon, have a nice day!

821: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)19:58:56 ID:Tpe(主)
こんばんは
今日は>>795の続きから書いていきます
できるだけ推敲していきますが、ある程度のミスはどうかご勘弁をww

822: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)20:08:51 ID:Tpe(主)
食材を買い終える頃には陽がだいぶ傾いていた。
店を出るとすでにケイがタクシーを呼んでいてドアトゥドアで寮まで帰れた。
全くそつのない紳士だ。

一旦それぞれの部屋へと荷物を置き、
その後ニコラと僕は談話室に集合して料理をする運びになった。
まあその前に荷物持ちの役を完遂しなければならないんだけど。

「リア様の部屋に荷物を持っていくのはいいけどさ、また嫌な顔されないかな?」
「嫌な顔?」
「ほら、高橋さんに……」
「別に大丈夫だと思いますよ。お二人まだ仲が悪いままなんですか?」

うん、仲良くなろうにもまったくきっかけがないからね。

「それならどうです?今日の晩ご飯に彼女も誘ってみては」
「え!?それはどうだろう……」
「やはり……ダメですか?」

ああ、そんな悲しそうな顔しないでよ。
僕だって機会さえあれば仲良くしたいと思ってたんだから。

823: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)20:14:19 ID:Tpe(主)
「友達ができる事は宝物を見つける事と同じなんだって」
「なんですそれ?」
「イタリアのことわざだってさ。ニコラが言ってた」

この言葉があったから僕はリア様と仲良くなることができたんだ。だから——

「宝物が見つかるように努力してみるよ」

824: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)20:22:13 ID:Tpe(主)
リア様が部屋に帰ると高橋さんが主人を見つけた迷子の仔犬のように
うれしそうな声で「おかえりなさい」と出迎えた。
リア様がいなくてそんなに寂しかったのか。今日1日独占しちゃってごめんね。
僕がそんな事を思ってるなんてつゆほども知らない高橋さんは、
迷子の仔犬から侵入者を警戒するドーベルマンへと変貌する。

825: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)20:30:06 ID:Tpe(主)
「あ、あの、高橋さん……」
「……なんですか?」

うへぇ、怖い。なんでデフォルトが『睨む』なんだろう。
パーティーの時彼女の目が大きく見えたのはメイクのおかげのみでなく
普段の目つきのせいでもあるに違いない。

「用が無いなら出てってもらえます?」
「今日僕とニコラで簡単な晩ご飯を作るんだけど……」
「それで?」
「なんていうか、その……高橋さんも一緒にどう?」
「え?何で私が?」

ですよねー。

826: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)20:46:20 ID:Tpe(主)
「マキちゃん、その晩ご飯に私も招待されてるの。だからいっしょにどうですか?」
「リアさんも行くんですか?……でも、私なんかが行ったら空気が悪くなりますよ」

高橋さんってマキちゃんって言うのか。それでマキちゃんはなんでそんなに自虐的なの?

「加納くんもニコラって子も私の事嫌ってますよね?
 それなのにのこのこ出て行ったりしたらせっかくの晩ご飯がまずくなっちゃいますよ。
 ですから私の事は放っておいてリアさんだけで食べてきてください」
「……マキちゃんまだ加納くんにお礼を言ってないそうですね」
「どうして今その事を!?」

慌てるマキちゃんだったがなんとかその場を取りつくろうと僕を睨む。
とりあえずで睨むのやめてもらえないかなぁ。

827: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)21:04:42 ID:Tpe(主)
「マキちゃん、これを機にちゃんと話し合ったら?」
「……リアさんがそう言うなら」

さすがはリア様!

「そ、それじゃあ僕はこれから談話室でニコラと料理を作ってくるから。
 完成したら電話するね。それじゃ!」

僕はマキちゃんの視線から逃げ出すように談話室へと降りていった。

833: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:05:29 ID:Tpe(主)
1時間後、料理が完成したのでケイ、リア様、そしてマキちゃんを呼んだ。

「お招きいただきありがとうございます」
「……ます」
「オ~マキ、今日は来てくれてありがとう!」
「えっと……ユアウェルカム」

あれ?ひょっとしてマキちゃん英語喋るの苦手なのかな。

834: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:06:03 ID:62X
>>833
待ってた

835: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:07:54 ID:Tpe(主)
>>834
ありがとうございます
9時からしばらくの間はアニメタイムになるので
これからもコンナカンジになるかと思います

837: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:10:32 ID:Tpe(主)
なんとなくそれを察したであろうニコラが少しゆっくり話しかける。

「今日は私の故郷の料理と、日本風のパスタを用意したから楽しんでいってね」
「お、オッケー」

ちょっとたどたどしいけどつかみはオッケー。
マキちゃんには存分に楽しんでいってもらいましょう。

838: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:16:57 ID:Tpe(主)
「まずはこのスープをどうぞ」

僕が紙コップによそったスープをニコラが全員に配る。

「おお、うまい!」
「もうケイったら、まだ召し上がれって言ってないでしょ!」
「あ、ごめん」

すっかりかかあ天下だな。でもどちらも幸せそうな顔してるから問題ないだろう。

840: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:23:58 ID:Tpe(主)
「それでは召し上がれ」
「いただきまーす」

うん、野菜の味がしみじみおいしいスープだなぁ。

「ニコラ、ひょっとしてこれはミネストローネですか?」
「よく知ってるねリア。そうだよ、私の故郷のスープだよ」

リア様が知ってた事が嬉しいのかニコラ嬉しそうに答える。

「日本で言ったらみそ汁みたいなものかな?」

ケイが会話に加わって行くがニコラがみそ汁を知らなかったので
うまく流れにのれなかった。ドンマイ。

841: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:25:17 ID:Tpe(主)
>>839
ありがとうございます。
楽しみにしてくれる人が一人でもいる限り最後まで続けようと思います。

842: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:35:13 ID:Tpe(主)
一方マキちゃんはどうしてるかと見ると静かにスープをすすっている。
やはり全員が英語を話す空間になじめないのだろうか。

そんなマキちゃんを見て少し気まずそうにリア様が日本語で話をふる。

「あ、このミネストローネ、お米が入ってますよ!」
「ホントですね。これは私たちが日本人だからこうしてくれてるんでしょうか?」

その疑問をリア様が英語にしてニコラに訊く。これじゃあリア様通訳じゃないか。
このままじゃマキちゃんのためにならないよ?

843: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:45:12 ID:Tpe(主)
「ハハハ。別に日本人だからってわけじゃないよ。
 私の故郷ではパスタの代わりにこうやってお米を入れるんだ」

ニコラがマキちゃんにもわかりやすいよう心がけて喋っている。
この暖かい心遣いちゃんと届いてるかなぁ。
 
「私の故郷はお米がいっぱい取れるところでね、この他にもリゾットにして食べたりするんだよ」
「あ…………私、リゾット好きです」

おお、マキちゃんが喋った!ニコラの気持ちが通じたんだ!

844: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:49:33 ID:Tpe(主)
「それじゃあ今度はマキのためにリゾット作ってあげるよ!」
「え、えーっと……ありがとう」

ニコラの物怖じしない態度にマキちゃんたじたじだなぁ。
ありがとうって言っちゃったからにはニコラは絶対リゾット作りにくるよ。

「ちなみにこのお米はケイが提供してくれたんだよ」
「あら、桜井君も料理をしますの?」
「まあね。カレーライスとか簡単な物なら……」

このまえ作れるようになったもんね~。

845: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:59:09 ID:Tpe(主)
「さあ、お次は4種類のパスタだよ~」

僕とニコラで手分けして4枚の皿をテーブルに運ぶ。

「すごいな。この短時間に4種類も作ったのか?」

僕の持ってきたパスタにケイが敬意を示している。
カレーを作るのにものすごく苦労したからこそのこの反応なんだろう。

「作ったって言ってもものすごく簡単なんだよ。
 茹でたスパゲッティにこの袋に入ったソースを絡めるだけでいいんだから」

僕が見せたのは今日チェリーマートで買ってきた、日本製の和えるだけで簡単にパスタができるソースだ。
ホントは僕のこれからの晩ご飯だったんだけど、せっかくマキちゃんも来てくれてるんだから大盤振る舞いだ!

846: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:01:21 ID:7TH(主)
「なんだよ、じゃあシュウはスパゲッティを混ぜるだけしかしなかったのか?」
「失礼な!さっきのミネストローネの野菜を刻んだのも僕だって」
「シュウの包丁さばきはすごいんだよ~。シュウは将来いい旦那さんになるね」

ありがとうニコラ。きっとそれは僕の事をリア様にアピールしてるんだよね。
でもリア様はマキちゃんと話すのに夢中だし、そのうえケイが僕の事を睨んでるから!

847: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:07:31 ID:7TH(主)
「どれもおいしそうですわね~。イカスミはわかるんですが他は何なんです?」
「タラコ、ウニ、バジルだよ。それぞれ皿からとって味見してみて。
 気に入ったのがあればもう少し茹でるからさ。
 あ、イカスミは昼の練り込んであったパスタと違って、服に跳ねると
 汚れがとりにくいから特に注意してね」
「加納くんは主夫みたいな事をいいますよねー」

リア様がマキちゃんに、このまえ洗濯のやり方を教えてくれたときも
こんな感じだったんですよ、などと言っているのが聞こえる。
細かくてすいませんでしたね!

848: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:15:13 ID:7TH(主)
みんながそれぞれ気になったパスタを皿にとっていく。
ニコラはウニのパスタがさっきからずっと気になっていたらしくて、
真っ先にとって食べている。

「シュウ!これおいしいね!ちゃんとウニの味がするよ」
「へ~、イタリアでもウニって食べるんだ?」

なんとなくウニは日本独自な食材だと思っていた。
イタリア人にも認められるなんて、日本の食品会社もやるじゃないか!

849: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:26:26 ID:7TH(主)
「ウニは古代ローマの時代から食べられてる伝統的な食材だよ!
 昔海沿いの街で食べたウニはおいしかったなぁ」

この言葉に虎視眈々と会話に入る機会を狙っていたケイが食いついた。

「俺もウニ大好きなんだ!イタリア行ったら是非ニコラと食べにいきたいな」
「わかった。じゃあ素敵なお店見つけなきゃね」

はいはいゴチソウサマ。まだメインも出てないのにゲップが出そうだよ。
さてそろそろメインを皿に盛りつけようか。

850: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:27:50 ID:H91
シュウは リアさんと呼んで、
リア様は まだ加納くんか
隔たりなのか、お嬢様だからなのか...

851: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:29:17 ID:7TH(主)
>>850
一度決めてしまった呼び方ってなかなかかえられないんだよね~


今日はここまで。ニコラのメインをお楽しみに
See you soon, have a nice dream!

852: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:31:12 ID:H91
>>851
それは確かにわかる
特別なにかある訳じゃないのね

ありがとう、お疲れ様です。

853: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:17:26 ID:B3y
お疲れサマー( ´ ▽ ` )ノ

854: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:47:23 ID:Aqs
お疲れさま。
今日の夜ミネストローネ作ることにするよ!

858: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)15:51:05 ID:Gaa
パスタ食べたい…凄く優秀な食べ物だよね
持ち運びと調理が簡単で手をかけたらもちろん美味しいし、
かけなくてもいくらでも美味しくできるし

861: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)19:19:33 ID:7TH(主)
>>854>>858
昨日そんな話を書いたので今日の晩ご飯はミネストローネとトマトパスタでした


それでは魔女宅までゆっくり書き進めていきます

862: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)19:23:14 ID:7TH(主)
>>849の続き

「さあ、本日のメインだよー!」

これが今日ニコラが一番張り切って作った料理だ。

「なんだこれ?フライドポーク?」

おばちゃんの店でベイジンスタイルフライドポークを気に入ったケイが問いかける。

「違うよ~。これはねぇ、象の耳です!」
「象の耳!?」

ケイ、リア様、マキちゃんが聞き間違えたのじゃないかと自分の耳を疑う。

863: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)19:30:02 ID:7TH(主)
僕も最初聞いたときは驚いた。

「……象なんて食べてもいいんですか?」

リア様が驚きを隠さずに訊いてくる。
まぁ確かに本物だったら何かしらの条約に触れてしまうだろう。

「象の耳って言うのはその料理のあだ名みたいなもんでさ、
 本当の材料は仔牛の肉だよ。ほら、象の耳みたいに平たいでしょ?」
「なんだ、そうでしたの。安心しましたわ」
「さあ、冷めないうちにみんな食べて!」

868: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)20:35:59 ID:7TH(主)
食べてみるとまずその香りの良さに驚いた!

「すごい、全然獣臭くないんだね!」
「それが仔牛肉の特徴だからな。それをニコラがさらにうまく調理してくれてる」

なるほどなー。そういえば仔牛の肉を食べるのって初めてかも。
日本じゃ全然見た事がない。

「フランス料理ではよく見ますわよ。仔牛肉のソテーはあっさりしてておいしいんですよ」

そう言ってプラスチックのフォークとナイフを優雅に使うリア様の姿は
少し滑稽でなんともかわいらしい。
マキちゃんはまたも無言で食べてるけど、目つきが
だいぶ柔らかくなっている所を見ると気に入ってくれたようだ。

869: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)20:40:14 ID:7TH(主)
一通りディナーを食べ終えて、皆が今日買ってきたお菓子を
食べてる間に僕とニコラで片付けを始める。

「良かったねニコラ、大成功じゃん」
「ふふーん、当然だよ!」

付け合わせの芋のひとかけらまで無くなった皿を見て
ニコラが満足げに息を吐く。まさに今僕も同じ気持ちだよ。

870: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)20:48:28 ID:7TH(主)
「ねえ、これでマキとも友達になれた?」

ずっとそんな事を考えててくれたのかな?
相変わらずニコラはいい子だなぁ。

「どうだろうね。まあ、少なくとも以前よりは話しかけやすくなったとは思うよ。
 ニコラはマキちゃんにリゾット作ってあげるんだっけ?」
「うん!材料が手に入るかわからないけど、おいしいもの食べさせてあげたいな」
「ハハハ。ケイが聞いたら嫉妬しそうだな」
「もちろんケイにも作ってあげる。でもこのこと言っちゃダメだよ。
 ケイはこれから勉強に集中しなきゃダメなんだから!」

ニコラとしてもケイがここに残るような事態は避けたいんだろうな。

「了解。ケイの事は任せましたよ、ニコラ先生」

871: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)20:53:02 ID:7TH(主)
さて、片付けも終わったし僕もお菓子をいただくかな。

「シュウ、すまん。もうニコラの分しか残ってないや」
「なんだとっ!?」
「ケイ、そん意地悪しちゃだめだよ」
「意地悪じゃなくてホントにないんだってば」
「あ、私が食べちゃったから……」

そう言ってマキちゃんが申し訳なさそうな顔をする。
たしかにマキちゃんの前に置いてあるお菓子の包み紙だけ多い。
甘い物が好きなのかな?それにしてももう少し加減してもらいたかった。ぐすん。

872: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)20:59:10 ID:7TH(主)
「オ~マキ、気にしないで。今日の1番のゲストはあなたなんだから」
「そうそう。それに僕は甘いものそこまで好きじゃないし」

ホントは大好きなんだけどさ。
こうでも言わないと今日と言う素晴らしい日がマキちゃんの困り顔で終わってしまうかもしれない。
おいしい物を食べたら1日が終わるまで幸せな顔でいてほしいというのが僕のモットーだ。だから

「ホントに気にしないでね」
「そう?それならよかった……」
「シュウには私のカバチョコひとつあげるね」

ありがとうニコラ。たとえ1個だけでもとってもうれしいよ。
……って、なにこれめっちゃおいしいじゃん!
ちくしょう、そりゃ僕の分が無くなるわけだ。
次ボストン行ったら絶対このチョコ買ってやろう!

……あ、おいしいだけに結構お高いや。

885: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)20:47:08 ID:nqk(主)
こんばんは、今日もゆっくり始めていきます

886: げすたん 2016/01/16(土)20:52:29 ID:x7j
>>885
よろしくー\(^o^)/てか21時からはアニメタイムか??

887: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:00:10 ID:nqk(主)
>>886
今日は一人なので大丈夫です。>>872の続きから書いていきます

888: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:02:31 ID:nqk(主)
その後ディナーはお開きとなりケイとニコラは自分たちの寮へ帰っていった。
僕も撤収しようと思ったらリア様がマキちゃんにこんな事を言い出した。

「マキちゃん、私は加納くんと話すことがあるので先に部屋に戻っていてもらえますか?」
「え?わ、わかりました……」

渋々と言った様子だが一人引きあげていくマキちゃん。
リア様が僕と話したい事っていったいなんだろう?

889: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:17:30 ID:nqk(主)
「今日は誘っていただきありがとうございました」
「こちらこそ、ボストンの素敵な観光スポットを教えてくれてありがとう」
「あら、ボストンにはまだまだ素敵な場所がたくさんあるんですよ」
「そうなの?僕も時間のあるうちにいろいろ行っておきたいなぁ」

きっと大学の授業が始まったらどこかへ遊びにいく事なんてできなくなる。
今の外国人向けの授業でさえ集中してないともたないのに、アメリカ人向けの
スピードについていこうなどと思ったら、ネイティブの3倍は努力しないとダメだろう。

「よかったら私が案内して差し上げましょうか?」
「ホントに?願ってもない申し入れだけど……ホントにいいの?

え、これはひょっとして1対1のデートって奴なんじゃなかろうか。

890: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:35:47 ID:nqk(主)
「……奨学金もゲットできたことだし、大学始まるまでなら遊んでも誰も文句言わないよね」
「私から誘っておいてなんですけど、そんなことではダメですよ。
 最後の演劇発表で手を抜かれたりしたら困ります」

おお、リア様だいぶ演劇に熱が入ってらっしゃるな。

「もちろん演劇に関して僕が手を抜く事はないよ。
 そんなこと俳優の卵としてできるわけがない」
「俳優の卵?どういうことです?」

あれ、リア様には言ってなかったっけ?
どうしよう、この雰囲気なら行っても笑われたりしないかな。

891: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:52:11 ID:nqk(主)
「僕の将来の夢は……ハリウッドで活躍することなんだ」

うわー。言っちゃった。恥ずかしい。何でこんなに恥ずかしいんだろう。
これなら舞台に出るときの方がよっぽど気が楽だ。

「それは素晴らしい夢をお持ちですね!私応援しますよ!」

え、まじで?笑わないの?こんなにだいそれた夢なのに?

「あ、ありがとうリアさん」

ホントにありがとう。なんだかその一言だけで少しだけ夢へと近づけた気がするよ。

「では今度のオーディションは確実に勝ち上がらなくてはいけませんね!」

892: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)21:54:51 ID:nqk(主)
オーディション?ああ、ロミオとジュリエットの事か?

「僕なら大丈夫。一番競争率低そうなロレンス修道士をやろうと思ってるから」
「何を言ってるんですか?俳優を目指してる方が主役を狙わないでどうしますか!」
「脇役には脇役なりの演じる価値というものが……」
「そんなものはオーディションに落ちたら考えればいいんです。
 私が加納くんの夢を応援すると言ったんです。
 ですからちゃんとロミオ役に立候補するんですよ!」

そんなむちゃくちゃな!あ、でも待てよ。

「もしリアさんがジュリエットに立候補するって言うなら考えてもいいよ」

ふふふ、これならリア様もだいそれた事は言えなくなるに違いない。

「あら、私なら最初からジュリエットに立候補するつもりでしたよ。
 それでは加納くんもロミオ役しっかりつかみ取ってくださいね」
「……オッケー。わかったよ」

ああ、どうしてこんなことになったんだ……。
待てよ?ジュリエットをやる気満々で、僕にロミオをやって欲しいなんて
それって遠回しに好きだって言ってない?

「加納くんの自決シーン楽しみにしてますね」

何その楽しみ方、怖い!

896: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)22:13:15 ID:nqk(主)
「ええっと、何の話でしたっけ?」
「僕の夢の話?」
「そうではなくて……あ、ボストン観光の話でした」

そういえばそんな話をしてたよね。リア様どこに連れてってくれるんだろう?

「その話なんですけど……大学に入ってからと言うわけには行きませんか?」
「なんで?あ、リア様たちこの期間中に友達とナイアガラの滝に行くんだっけ。
 そりゃそっちを優先させた方がいいよ」

いつでも行ける旅行より、友達がそろってる今を大切にした方がいいに決まってる。
僕は大学で忙しくなるかもしれないけど、人の5倍くらい頑張れば週末に遊ぶ余裕くらい
なんとかできるだろう。

900: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)22:29:53 ID:nqk(主)
「そうではなくてですね……その……」

なんだろう、リア様にしては歯切れが悪いな。

「私、志望校をアーグルトンに変えようかと思ってますの」

意を決したようにリア様が告げる。

「私独り立ちするためにアメリカに来てますでしょ?
 それなのに私の行く大学には大勢の日本人がいて、
 この語学研修所からも大勢の友達が来ます」
「たしかに独り立ちするには難しい環境かもしれないね~。
 でも支えてくれる友達がいるってのは大切な事だと思うよ」

特にリア様の場合マキちゃんも同じ大学に行くわけだしさ。

901: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)22:34:58 ID:nqk(主)
「ひょっとしてマキちゃんの事を心配してくれてます?」

心配してるってわけじゃないけど、どうして考えてる事ばれちゃうかな?

「実はあの子、今全く別の学校を受ける事を考えてるんですよ」
「え、どうしてそんなことに?」

あの懐き具合からしてテコでも引きはがすのは難しそうなのに!

902: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)22:46:58 ID:nqk(主)
「マキちゃんには加納くんと同じように夢がありまして、
 昔から美容師さんになりたかったそうです。
 それが高校3年生の時に、つまり私が留学を決めたときにですね、
 突然彼女のお父様から留学して私のお世話を見るように言われたそうなんです」

マキちゃんがリア様のお世話係だとは聞いていたけど、案外ヘヴィーな事情でこうなったのかもしれないな。

「言い換えれば私のせいでマキちゃんの夢を奪ってしまったのに、それでも彼女は
 精一杯私の面倒を見てくれました。だから私はそれに応えようと思うのです」

以前はお世話をしてくれるのが当然といった感じだったのに、この2ヶ月で
リア様もだいぶかわったんじゃないかな。人間としての魅力が上がった気がする。

「具体的にはどうしてあげるの?」

905: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)23:00:36 ID:nqk(主)
「美容師学校は日本よりむしろアメリカの方が立派なんだそうです。
 ですからマキちゃんにはこちらの美容師学校に通ってもらおうかと思ってます」
「本人にはそのこと……」
「まだ言ってません。まだ計画の段階ですから」

そんなこと部外者の僕に話していいのかよ。

「学費はお父様に面倒を見させます。
 彼女の夢を未来を奪おうとしたんだから当然ですよね!」

908: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)23:37:15 ID:nqk(主)
リア様相当憤ってらっしゃるなぁ。

「じゃあマキちゃんは美容の道を進むとして、どうしてリア様はアーグルトンに?
 独り立ちするなら他の学校でも……」
「……私はリアさんで、マキちゃんはちゃん付けなんですか?」

え、リア様そこに食いつきますか?

「それはリアさんがマキちゃんって呼んでるから。
 それに本人の前ではちゃんと高橋さんって呼んでるし」
「それならいいんですが」
「なんだったらリアちゃんって呼ぶ?」

なんかイメージとだいぶ離れちゃうけどさ。

「どうせなら呼び捨てでもかまいませんよ。
 アメリカではそれが普通なんですよね?」

え、呼び捨て!?リアって呼び捨てにしろと?
真由子さんの時もそうだったけどハードル高いなぁ。

「私も加納くんの事シュウって呼びますから、どうです?」

909: 名無しさん@おーぷん 2016/01/16(土)23:42:05 ID:nqk(主)
またリア様って書いてしまったorz

910: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)00:06:50 ID:fVe(主)
どうですといわれてもなぁ。

「ほら、ニコラやジェフは呼び捨てにしてますでしょ?あの感覚で」

よく聴いてるなぁ。

「英語を話してるときなら問題ないんだけどなぁ」
「ではこれから英語で話しましょうか」

突然そんな事をリア様が英語で言い出した。

911: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)00:12:53 ID:fVe(主)
「2人きりで英語を話すのも変な感じだけどね」

僕も英語で返してみる。

「ほら、シュウ。これならリアって呼べるんですよね?」
「リア。たしかにこれなら問題ないな」
「なんだか英語発音なのが気になりますがまあいいでしょう。
 慣れてきたら日本語でもリアって呼んでくださいね」

912: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)00:32:36 ID:fVe(主)
それにしてもさっきからちょくちょく話題がずれてるなぁ。
ひょっとしてリア様話題そらそうとしてる?

「それで、リアはなんでアーグルトンにしようと思ったの?」
「さっきも言いましたよね。日本人が少なくて独り立ちが……」
「それなら別の学校でもいいんじゃない?」

たしかにリア様の語学力はすごいけど、今からトーフルのスコアをアーグルトン合格ラインまで
あげようと思ったら、これから2週間遊びに行く暇などどこにもなくなるだろう。

「シュウは私がアーグルトンに行くって言っても少しも嬉しそうじゃありませんね」

残念そうにリア様がうつむく。それって僕がいるからアーグルトンに行きたいって言ってるの!?

913: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)00:49:15 ID:fVe(主)
「もちろんリアが来てくれるなら僕はとても嬉しいよ!」

僕は思ってるままをそのまま打ち明けることにした。

「リアほど僕の思ってる事を正直に言える女子って他にはいないんだよね。
 まあだから最初のうちは衝突して印象最悪だったかもしれないけど。
 でも今では君が誠実で努力家な女の子だってわかってる。
 同じ大学に来てくれるならこれ以上嬉しい事はないよ」

914: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)01:06:12 ID:fVe(主)
「ホントですか?無理してません?」

ふせている顔から上目遣いでこちらの様子を窺うリア様かわいい。
怒られてしょんぼりしてる犬みたいだ。

「無理なんかしてないよ。でもそうなるとリアは無理しなきゃだめだよね。
 アーグルトンに入るならトーフル真剣に勉強しなきゃ!」

915: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)01:20:50 ID:fVe(主)
「ですのでボストン観光するならいっしょにアーグルトンに行ってからがいいんです。
 きっとこれから毎日勉強漬けの日々でしょうから」

あ、話がやっと戻ってきた。たしかにそれならしばらくは無理だけど——

「今月のトーフルは2週間後だっけ?そのあとならどう?」
「何を行ってるんですか!そこからは劇の稽古の大詰めではないですか!」

ああ、そうだ。たしかにこれでは観光どころではない。

「それじゃあこれからはジムでもリアと会えなくなるんだね」
「それがですね、トーフルの授業はもう定員オーバーらしくて私は受けられないそうなんです……」
「え!?それじゃあ合格難しいんじゃない?」

916: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)01:40:50 ID:fVe(主)
「それで……もしよかったらなんですが、シュウが勉強を見てくれませんか?」
「僕が!?」

さてどうしたらリア様に合格点をとらせることができるだろう?
まずはこれまでの過去問を見て苦手の傾向を押さえないとな。
過去問をプリントアウトしたいって言ったらパメラはコピー機を貸してくれるだろうか?

「……やっぱりご迷惑でしたよね、今言った事は忘れてください」

僕が黙り込んでしまったのを否定の意と捉えてしまったリア様がまたうつむく。

「迷惑なもんか。今はどうやったらリアを合格させることができるか考えてたんだよ。
 まずは現状を把握するところからだよね。これまでやったプリントちゃんともってる?」

僕が訊くとリア様がぽかんとした顔をあげた。

「協力してくれるんですか?」
「僕なんかでどこまで力になれるかわからないけど、トーフルまで一緒に頑張ろう!」
「はい!」

918: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)01:52:58 ID:fVe(主)
>>917
別に守ってた覚えはないんやでー

919: 名無しさん@おーぷん 2016/01/17(日)01:54:57 ID:fVe(主)
今日はここまで

See you soon, have a nice dream!

921: げすたん 2016/01/17(日)05:09:09 ID:AUu
おつかれさま(^^)/

927: 名無しさん@おーぷん 2016/01/18(月)20:29:31 ID:579(主)
>>916の続き

 リア様を部屋まで送り届けたところで大事なことを思い出した。

「あ、オーディションの練習するの忘れてた!」
「そういえばボストンから帰ったら一緒にやる約束でしたよね」

あれ?そんな約束してましたっけ?

「それではどこで練習しましょう?談話室でよろしいですか?」
「もう遅いから劇の練習とトーフル対策は明日から始めよっか」

928: 名無しさん@おーぷん 2016/01/18(月)20:43:46 ID:579(主)
僕はリア様からこれまでのプリントを預かり、明日からに備える。

「それでは加納先生、明日からよろしくお願いしますね」
「こちらこそお相手よろしくお願いします。リア=キャピュレット嬢」

そうだ、もうひとつ大事な物!

「今日の記念に、これをリアお嬢様に」

僕はそう言ってポケットから小さなギフトバッグを取り出した。

「私にですか?たしかガラスの星条旗でしたっけ?」

それはとっさにごまかしただけです。さすがに好きな子にそんなものは贈れない。

「とりあえず開けてみてよ」
「まあ、キレイ……ガラス製のウミガメですね!」

よかった、リア様の表情から察するに突き返されるような事はなさそうだ。

「リアが水族館で僕にフォトフレームくれただろ?そのお返しと今日の感謝をこめて」

929: 名無しさん@おーぷん 2016/01/18(月)21:06:17 ID:579(主)
「でもどうしてウミガメなんですか?」
「ん?リアが水族館で一番はしゃいでたのがウミガメだったから」

ウミガメを見つけたときのリア様といったら、子供のように目を輝かせていたっけ。

「は、はしゃいでなどいません!私はべつにこんなもの——」
「あれ?気に入らなかった?そしたら無理して受け取らなくてもいいけど……」

高校のとき好きな子に渡したプレゼントをそのまま突き返されたトラウマが突然よみがえる。
やっぱり僕ってプレゼント選びのセンスがないみたいだ……。

「あぁっ、その、とても気に入りましたわ!ありがとうございます。大切にしますわね」

あちゃあ、リア様になんか無理させちゃったかな……。

930: 名無しさん@おーぷん 2016/01/18(月)21:49:17 ID:579(主)
シャワーを浴びて一日の垢を落としパンイチでベッドに横たわる。
なんだか疲れが一気に押し寄せてきたようだ。
どうして僕はこんなに間が悪いんだろう……。
ああ、明日からどんな顔してリア様に勉強を教えればいいんだよ。
僕がモンモンとしているとルームメイトがいらついた声で話しかけてきた。

「おい、さっさと服を着ろ、見苦しい!それと携帯がうるさくなってたぞ!
 部屋で使うときはちゃんとマナーモードにしておけよな!」

くそ、言い返したいのに正論ばっかりで何も言い返せない。
セッッ書くの素敵な1日のしめがこんなことになるなんて、僕何か悪い事でもしたかな?

931: 名無しさん@おーぷん 2016/01/18(月)22:03:49 ID:579(主)
ケータイをマナーモードに切り替えようとのぞいたらリア様から一通のメールが届いていた。

「先ほどは素敵なプレゼントをありがとうございました。
 私とっても嬉しかったんですよ。
 売り言葉に買い言葉であんなことを言ってしまいましたが本心ではありませんからね。

 それでは明日からいっしょに頑張りましょう。おやすみなさい」

添付された画像にはてのひらの上にガラスのウミガメを乗せてピースするリア様が写っていた。
あ~~!これこそ素敵な1日にふさわしい終わり方だよ!

「お、おい、何をくねくねしてるんだ!さっさと服を着ろ!」

おう、悪い悪い。まあ、そうかっかするなよ。世の中楽しい事で溢れてるんだからさ!

937: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)00:55:19 ID:V36(主)
ルームメイトに関してはいろいろ書きたい事もあったけど大半が愚痴になってしまう
おそれがあったので、大幅にカットしてしまいました。
まあ、これから出る機会もないのでそんなに気にしないでくださいww

See you soon, have a nice dream,

938: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)18:24:49 ID:V36(主)
こんばんは
今日もゆっくり始めていきます

939: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)18:44:24 ID:V36(主)
翌日の日曜日は1日中リア様といっしょだった。
ただし浮ついた雰囲気はどこにも無く、大学合格とオーディション合格のために1日中英語付けになっている。

「リア、よく考えたらさ、もし受からなかったとしてもアーグルトンなら語学研修生として通うことができるよ」
「そんなことなら私は潔く今の大学に進みます。これは私が自分に課した挑戦なんです!
 もしシュウが手伝いたくなかったらやめてもらってかまいません」

もちろんそんなわけがない。僕はリア様のプリントから苦手を探し出し、教える作業へと戻った。

940: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)19:06:30 ID:V36(主)
オーディションの練習は劇場の鍵を借りて本番さながらにやることができた。
アーグルトンほどではないにしろ立派な劇場でやる練習に思わず力が入る。

「すごい、本物の舞台俳優のようですね!」
「おほめにあずかり光栄です。でも声量があるだけで、これじゃあ演技とは呼べないよ」
「演劇に関してはずいぶんストイックなんですね」

演劇以外ではそんなにゆるく見えるのかな?

「まあこんなかんじでストイックに演出やってたらものすごうバッシングを浴びせられたけどね」
「どうしてそんなことに?」
「演劇部にも体育会系部活動と同じように大会があってさ、それをどんどん勝ち上がっていくと全国大会まで行けるんだよ」
「へ~知りませんでした!」
「うちの学校は無名だったけど、僕が3年のときには県大会までいけてさ、
 うまくやればそのうえの中部大会、もしかしたら全国にも行けるかもしれなかったんだ」
「それは力が入りますね~!」

うん、みんながリア様みたいなひとだったらきっとうまくいったんだろう。

「それで結果はどうなったんですか?」
「惨敗だよ」
「どうして!?」
「大会を目前に3年生がみんな辞めていったんだ。『お前にはついていけない。
 全国に行きたいなら一人で行ってくれ』ってね」
「そんな……」

941: げすたん 2016/01/19(火)19:10:48 ID:hRa
>>940
スラムダンクのゴリみたいだったんだ(´・ω・`)

942: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)19:24:30 ID:V36(主)
「だからもし僕が無茶な要求したらさ、リアも無理って言ってね。
 このオーディションも、トーフルの勉強も。
 僕は熱が入るとどうも暴走しちゃうみたいだからさ……」

そう、僕はこの『空気が読めない』『空回りする』というふたつの呪われたスキルによって
日本では散々な日々を過ごしてきた。自分が熱くなればなるほど周りが冷めていく感覚……。
もうあんなのはまっぴらごめんだ。特にリア様の前では絶対にやらかしたくない。

「シュウの部活仲間がどんな方達だったかは知りませんが、それって今の私からしたら
 むしろ歓迎すべき事ですよ。いくらでも厳しくしてくれて結構です。
 それで合格点が取れるなら安い物ではありませんか!」

943: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)19:32:59 ID:V36(主)
なんてこった。こんなところに僕の理想をぶつけられる相手がいた!

「僕の特訓は厳しいよ?」
「私のスタミナは知ってますでしょ?私はまだ1度もバドミントンであなたに負けてないんですから」

リア様がすべてを笑い飛ばすように僕を挑発してくる。

「ほら、どんな特訓をするんですか?腹筋ですか?」
「長い目で見たらおなかまわりの筋肉を鍛えるのは重要だけど、本番までもう時間がないからね
 これからは今ある筋肉でどうしたら上手に声が出るか勉強していこうか」
「はい、先生!」

こうして劇場には遅くまで僕たちの声が響いていた。

944: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)19:42:56 ID:V36(主)
月曜日、今日はオーディション当日だ。

僕はリア様との約束のもとロミオ役にエントリーしていた。
ライバルは様々な国からやってきている4人の男たち。
どいつもこいつも自信にあふれた顔つきをしているように見える。

落ち着け、僕。昨日あれだけ練習したんだ。
他の奴らに負けるもんか!

945: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)21:09:52 ID:RfE
>>940
ものすごう
ものすごくかな?

946: 名無しさん@おーぷん 2016/01/19(火)21:10:28 ID:V36(主)
>>945
ものすごいですね
寒さで い と う をうち間違えましたw
サンクス

947: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:11:03 ID:4jW
寒いよね…、風邪引かない様にね!

948: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:17:49 ID:wU2(主)
>>947
ありがとうございます!

昨日はkomeにてタイヤを換えた方がいいとアドバイスをもらい、寒い中交換し、
冷えきった体をお風呂であっためたらあっという間に寝てしまいましたww
おかげで一面の雪にも難儀せずに済みそうです

出社まで続きを書いていきます

949: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:26:59 ID:wU2(主)
結果から言うと僕は璐美を役に合格した!
そして他の4人も合格した。

「発表まで1ヶ月もないからね!一人で全部やりきれるわけないだろう?
 1部から5部までキャストを換えながらやっていくからね!
 どこかやりたいシーンがあれば希望に添う形で配役してあげるからね!」

その言葉に全員が庭からジュリエットを口説くシーンを希望した。
おまえらどれだけ自信家なんだよ。
僕はリア様が心中シーンを見たいと言っていたから第5部を選んだら
あっさりと通ってしまった。

「わたしもラストはシュウに任せようと思ってたんだよ!
 とびっきり泣かせる話にしておくれ」

パメラが嬉しそうに心中ロミオを任せてきた。
なぜだれもかも僕にこのシーンをやらせたがるの!?

950: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:28:04 ID:wU2(主)
璐美ってなんだwwwロミオです。

951: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:39:01 ID:wU2(主)
劇場の外で稽古をしながら待っていると、オーディションを終えたリア様がやってきた。

「シュウ、私も合格しましたよ!といっても立候補した全員が受かったんですが」
「女子もおんなじだったんだね」
「シュウは何部をやることになりましたか?」
「他の男子がみんな庭に侵入してジュリエットを落とすシーンを希望してたから
 僕だけジュリエットが死んだと勘違いして後追い自殺するロミオをやることにしたよ」
「それではロミオがジュリエットをベランダから突き落としてるようじゃありませんか」
「サスペンス物に早変わりだねー」
「はぁ。この劇にふさわしいロマンチックな言い方はできませんの?」

952: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:50:29 ID:wU2(主)
あきれ顔をしてみせるリア様だけどどことなく楽しげだから別に怒ってるわけではないのだろう。

「リアは何部をやることになったの?」
「もちろん私も第5部です!シュウなら私の意を酌んでくれると思ってました!」

ひょっとしてリア様がさっきから嬉しげなのって僕と同じシーンを演じられるから?

「他の組に完成度でおもいっきり差をつけられるようがんばろう!」
「もちろんです!……あ」

ん?なんですか、その『あ』って

953: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)05:52:56 ID:wU2(主)
「よく考えたらあのシーンってロミオのセリフの時は私が死んでいて……」
「ジュリエットのセリフのときには僕が死んでいるのか……」
「掛け合いがありませんね」
「そうだね……」

まさかこんな落とし穴があったとは!

954: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)06:05:18 ID:wU2(主)
ここは強引にでも話題をそらしてしまおう。

「そういえばリアは台本もらう前から僕の心中シーンが見たいとか言ってたよね。
 お嬢様方はやっぱりこういう作品詳しいの?」
「そういうわけではありませんよ。私が個人的にロミオとジュリエットが好きなだけです」

リア様ならロミオとジュリエットよりリア王の方がお似合いだよなんて、思ったとしても口にしない。
デリカシーデリカシー。

「何か好きになったきっかけでもあるの?」
「きっかけですか?……やはりジュリエットが自分の家に逆らう所ですね!」
「なるほど、リアは君自身ををジュリエットに重ねてるんだね」
「ええ、そうかもしれません」

家に縛られ好きなひとと添い遂げられないジュリエット。
そして同じように家に縛られ未来を奪われたお嬢様、。

「それじゃあ僕はリア=キャピュレットの反逆に力をお貸しますよ」
「ええ、よろしくおねがいしますね、ロミオ様」

955: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)06:07:57 ID:wU2(主)
それでは皆様よい1日を

See you soon, have a nice day!

956: 名無しさん@おーぷん 2016/01/20(水)07:19:27 ID:xlv
>>955
おつかれ!
運転気を付けて!!

961: 名無しさん@おーぷん 2016/01/21(木)17:12:17 ID:9ex
雪は大丈夫だったんでしょうか?
更新なくてもいいのでお元気な一報がほしいです。

963: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)18:48:32 ID:4Gn(主)
ご心配いただきありがとうございます
僕は大丈夫だったんですがばあちゃんが雪で転んで腕を折ってしまい
手続きやら付き添いやらでしばらく来れませんでした

今日は晩ご飯食べたら続きを書いていきますね

964: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:05:47 ID:YbQ
おかえりー
おばあちゃんお大事に

966: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:30:54 ID:4Gn(主)
>>954
この日以来僕たちはトーフルの授業中は2人でトーフル対策をし
他の授業ではお互いいつも通りに振る舞った。要はお互い知らんぷりである。
僕から女子のリーダーであるリア様に話しかけるのは恐れ多かったし、
リア様から僕に話しかけるのは周りの空気が許してくれないだろう。

おおやけには仲が好い事を公表できないなんてまるでロミオとジュリエットみたいじゃないか。
この感覚を舞台に活かせれば……と思ったけど、そのシーンは他の奴らがやるんだよな。
せいぜい僕たちの前座として恥ずかしくない演技をしてくれよな!

967: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:37:49 ID:4Gn(主)
演劇の練習の後は2人で舞台に残り練習を重ねた。

「英語だとどうしても白々しい感じになってしまいますね」
「英語に気持ちを混めるのって難しいよね」
「どうしたらうまくなるでしょう?」
「そうだな……。じゃあ台本の『ロミオ』を僕の名前に換えてごらんよ」
「ええっ!?そんな恥ずかしい事できませんわ!」

そこまで拒否しなくてもいいじゃないか……。

968: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:41:08 ID:4Gn(主)
「恥ずかしいって言うけど、本物のジュリエットはそのセリフをはずかしげも無く言うんだからね」
「そうですけど……私を恥ずかしがらせるためにこんなことやらせてるんじゃないでしょうね?」

なんと失敬な。

「言っとくけどこれもちゃんとした演劇の練習方法だからね。
 恋愛ものやるときはとくにこの練習が活きてくるんだよ」

まあ、高校生がやると途端にみんな恥ずかしがって初日は稽古にならなかったりするんだけどね。

969: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:45:33 ID:4Gn(主)
「わかりました。それではシュウもジュリエットの所は私の名前で呼んでくださいね」

え、僕も?僕にはその練習は必要ないんじゃないかなー。

「私だけやるなんて不公平じゃありませんか」

出たよ、リア様の挑発的な微笑み。こんな表情をされたらやらざるを得ないじゃないか!

970: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:55:38 ID:4Gn(主)
僕は舞台で寝そべるリア様の上半身を抱え起こし客席の通る大きな声でささやく。

「ああ、リア!君の美しさがまるで旗のように、未だ君の唇と頬を赤く揺らめいている」

まったく、シェイクスピアはどうやってこんなセリフをひねり出したんだろうな。
女性の美しさを旗に例えるなんてスーパー紳士でも難しい芸当だろう

971: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)19:56:08 ID:4Gn(主)
○客席に
×客席の

972: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:05:44 ID:4Gn(主)
僕の腕の中でリア様が薄目を開けてこちらの様子をうかがっている。
ここで恥ずかしがったらリア様の思うつぼだ。
僕は自分のセリフを最後までやりきって、毒をあおって自殺した。

さあ、ここからはリア様の番だ。仮死の薬の効果が切れて目を覚ます……はいっ!

「シュウ……私の夫はどこにいるの!?」

おお、これはなんとも……自分で言うよりも言われる方がクルものがあるなぁ。
さあ、その調子でどんどん進めていって!……あれ?次のセリフは?

「やましいおもいでやってません?」

素のリア様が死体として寝転がる僕に訊いてきた。
目を開けるとリア様の顔が息のかかりそうな距離にある!
劇中なら問題ないけど素でこの距離は恥ずかしい。

「本当にこういう練習法があるんだってば!」

973: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:15:53 ID:4Gn(主)
後ずさりながらリア様との距離を開ける。

「ほんとですか?なんだか死に顔がニヤついてましたよ?」

やばい、自分のシーンが終わったと思って油断してた。

「そういうリアだってずいぶん恥ずかしそうだったじゃないか!」

見てなかったけど、どうやら図星だったらしい。
リア様が顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

「恥ずかしいってことはそれだけキャラクターにしっかり感情移入したって事でもあるんだから。
 そこから理解を深める事によってよりリアリティーのある演技ができるようになるんだよ」
「……わかりました。さあ、もう一回です!」

974: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:30:32 ID:4Gn(主)
演劇の稽古が終わると劇場が閉まるまで控え室でトーフルの勉強をした。
ここなら誰にも邪魔される事はない。
それにしてもリア様のスタミナは天井知らずだな~。

「そろそろ閉まるから切り上げて出ようか」

2人きりで劇場に閉じ込められる所を妄想するが、そんなことになったらこの暑さで倒れてしまうだろう。
そんな事態だけは避けたかった。

「もう少しやっておきたいんですが、どこか勉強に集中できる所はないでしょうか?」

そんなこと言われてもな~。学校の施設はジム以外は同時に閉まってしまうし
寮の談話室は僕たちだけの物じゃないので騒がしくされても文句は言えない。
どこかいい勉強場所はないものか……。

975: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:37:21 ID:4Gn(主)
「あ、いいところあった!」
「では案内してくださる?」

どうしようかな~。リア様が気に入ってくれるといいんだけど……。



「ここは……チャイニーズレストランですか?」
「うん。台湾出身のおばちゃんがやってるお店だよ。ここのチャーハンは絶品なんだ」
「私、別に晩ご飯を食べにきたわけでは……」
「いいから、さあ、入って」

あ、そうか。きっと真由子さんもジョージさんと勉強するためにここに来てたのかもな。
これはひょっとしたらアーグルトン生のかくれた伝統になるかもしれない。

976: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:46:55 ID:4Gn(主)
「あっ、リア~!」
「ニコラ~!こんな所でどうしたんです?」
「ケイにトーフルの勉強を教えてあげてたんだよ」

店に入るとリア様に気付いたニコラがこっちに飛んできた。
知らない場所に少し怯えていたリア様だったがお気に入りのニコラを見つけてご満悦。
僕とケイはお互いに少し気まずくて視線が泳ぐ。

977: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)20:54:23 ID:4Gn(主)
「私もシュウに教えてもらいにきたんですよ」
「おそろいだねー。なんなら私が教えてあげようか?」
「ニコラはトーフル満点でしたのよね。それは頼もしいわ~」

なんとも楽しそうに会話を交わす女の子たち。

「おい、ケイ、どういうことだよ」
「それはこっちのセリフだ。何でおまえらまでここに来るんだよ?」
「仕方ないだろ、2人きりで勉強できる所ってなかなかないんだから!
 ケイはひとり部屋もってるんだからニコラを連れ込めばいいじゃないか」
「おい、そんな人聞きの悪い事言うなよ!
 あの部屋で2人きりになんかなったら理性が保てなくなるだろうが」

全く何を言ってるんだか。この前だって2人でカレー食べたんだろ?
あれ?ひょっとして……

「おまえらのファーストキスってひょっとして僕がカレー作った日?」

978: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)21:03:20 ID:4Gn(主)
ケイが僕の口を封じにかかる。
ええい、鉛筆で真っ黒になった手でやるのはやめろ!

僕たちがこっそりもめているとリア様は課題の続きを広げてニコラと仲良く勉強を始めてしまった。

「こんなところでもめてる場合じゃないぞケイ」
「ああ、その通りだな、シュウ」

僕たちは一時休戦し、それぞれのパートナーと向かい合った。

「リアは何か食べたいものある?」
「……そうですねぇ、北京ダックは置いてありますか?」

多分置いてありません!

979: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)21:32:42 ID:4Gn(主)
リア様は僕のお気に入りのチャーハンコンボをおいしそうに食べてくれた。
ケイといいリア様といい、上流階級にも通じるおばちゃんの腕前を僕は誇らしく思う。



食べ終わったら4人で勉強を始めた。
他のお店でこんな事やってたら怒られるかもしれないけど、
おばちゃんはいつも笑って僕たちを見守ってくれている。
語学研修所を卒業してもおばちゃんの店にだけは通いたいなぁ。

980: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)22:00:12 ID:4Gn(主)
翌朝、トーフルの勉強のために図書館へと森の小径を歩いていると
マキちゃんに突然呼び止められた。

「ちょっと加納くん」
「お、おはよう、マ、高橋さん」

おもいっきり噛んでしまった。これじゃあ僕がマキちゃんを怖がってるみたいじゃないか。
まあ、実際今でも少し怖いんだけど。

「昨日はリアさんを1日中連れ回してくれたようでありがとうございます!」

うわぁ、朝からすっかりキレてらっしゃる……。

981: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)22:19:11 ID:4Gn(主)
「その、トーフルの勉強を見てあげててさ」
「それだけじゃないですよね?昨日は遅くまで舞台の上でリアさんと……」

マキちゃんがわなわなと震えている。ひょっとして本名で呼ぶこっ恥ずかしい練習見られてた!?

「誤解だよ!あれはお互いの事を本名で呼ぶ練習法でね」
「そんなことはリアさんから聞いてます」

よかった、誤解されてるわけではないようだ。

「加納くんは……リアさんの事どう思ってるんですか!?」

982: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)22:34:53 ID:4Gn(主)
ぼ、僕がリア様をどう思ってるかだって!?

「それは……自分の意思をもってて、それを最後まで貫き通せる立派なひとだと思うよ」
「はぁ、そういう事を訊いてるんじゃなくてですね、
 加納くんはリアさんの事、異性としてどう思ってるんですか!?」

どうしてマキちゃんは僕にこんな質問をするんだ!?
ひょっとして舞台での事をやっぱり誤解してるのかな?

「だから舞台での事は誤解でね?」
「舞台での事なんて訊いてません!日常生活に置いてです。
 あなたはリアさんが好きとかそういうことはないんですよね!?」

983: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)22:45:34 ID:4Gn(主)
鬼気迫る表情でマキちゃんが迫ってくる。

「加納くんは高岡先輩が好きなんですよね?そうですよね!?」

そういいながら僕の肩を揺するマキちゃんの目からは涙がこぼれ落ちていた。

984: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)22:57:18 ID:4Gn(主)
「ひょっとして高橋さんはリアさんの事が——」
「私の事は今関係ないでしょ!問題なのは!あんたが!今!どう思ってるかよ!」

びっくりマークの度に肩を前後に揺すられて気持ち悪い。
リア様に僕の気持ちを言う前にマキちゃんから伝わるなんてことになったら嫌だし……
ここはなんとかごまかすか。

「僕はリアさんの事が……好き……かもしれない」
「なによそのはっきりしない物言いは!?」

985: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)23:06:03 ID:4Gn(主)
「好きなら好きだってはっきり告白しなさいよ!
 加納くんは好きだって伝える事ができるんだから!」

それって『自分は打ち明けることができない恋をしている』って言っちゃってない?

「だめなんだって。その、今の僕はロミオとジュリエットの台本に引きずられてて……」
「は?どういうこと?」
「えっと……僕が本気で演技をする時はそのキャラになりきってるから、
 ロミオである僕はジュリエットであるリアさんが大好きなんだよ。
 でも、その……この気持ちももしかしたら舞台が終わったらそれまでかもしれないよね?」
「……つまりは自分の気持ちがわからないから告白できないと?」
「そういうことです」

これでなんとかごまかせるといいんだけど……

「ふざけんな!いっぺん死んでこい!!」

その瞬間世界が縦回転して、僕は柔らかい地面の上に叩き付けられた!

986: 名無しさん@おーぷん 2016/01/22(金)23:14:44 ID:4Gn(主)
「おまえなんかを好きになった人に申し訳ないと思わないのか!」

そう言い捨てるとマキちゃんは泣きながら小径の出口へとかけていった。
僕なんかを好きになった人?
それってつまり……リアさんが僕の事好きだってこと?

「マジかよ……」

背中を打ち付けたショックのせいかそれ以上言葉は出てこなかった。

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※現在進行形の話のため、追加され次第更新していきます。 

引用元: ・アメリカ人の友達ができた結果 ビギニング





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1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年01月28日 10:00 ID:kidanmatome

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